饗宴
真実は
信じると事見ないフリをする事を履き違えてる
本で読んだセリフの一つ
痛いところ疲れた感に襲われる
私は何を見ないようにしているんだろう
彼は今現在私の隣に居ないという事実?
私は何を信じているんだろう
一生私だけだと彼が言ってくれた事?
本当は信じるも信じないも
ちゃんと現実を見る事も、見ないフリをする事も関係ない
もう私の中の彼は死んじゃってるのにね。
ザ・ヨコ
新横浜で待ち合わせ
私が車で迎えに行く
山下公園までドライブ
雰囲気が好きなザ・ホテルヨコハマ
干渉し過ぎず、心地よいサービス
食事は彼の行きつけに
「子供頃よくここに来たんだ、ホントになつかしい」
彼は言う
「こうやってこの店に一緒に来れるなんて・・・
すごくうれしいよ」
私たちは彼の記憶を確かめるように
幼い時の思い出の場所を
ひとつひとつまわっていく
彼の記憶と私自身が重なるように
枯渇
いらないものは分かってる
これとこれ
天秤に載せて比べて棄てる
いろんなものを切り捨てて
やせ細っていく私
・・・・・必要なものは?
私に必要なものがわからない
私が何を必要としているのかかわらない
日航東京
新橋からゆりかもめに乗ってお台場に向う
きついカーブ
海面は夏の日差しが光っている
海風を受ける東京バルコニー
広いバスルーム
真っ白なバスローブ
ほとんど言葉を交わさず
ただただそばに居る
離れていた事自体が間違っている
一緒にいる事が本来の形なんだ
TVも点けず
外出もせず
東京の真中
小さな箱に彼と私
家に帰ってから気付く
私シャワーを浴びていた時に
彼が私宛のメールを書いていたのだ
「ただただ一緒にいてくれてありがとう」
二人が始まった日
見えない鎖
身体の中に湧き上がる
熱を持った感情が
私という入れ物全てに広がって
疲れ果てる
疲れ果てた私は
深い深い眠りにつく時と同じ感覚を味わう
身体の全てが鉛のように重くなる
湖の底に沈んでいく
砂の中奥深く沈んでいく
見えない鎖
繋がっていて欲しいのか?
それとも
繋がっていると信じているのか?
それとも・・・・
私だけが信じているのかもしれない
聖路加タワー
銀座で待ち合わせをする
私はヘアメイクを頼んでいつもよりキレイにした
「ねぇねぇ、今日の私いつもと違くない?」
何も言ってくれない彼に聞く
「・・・分かってるよ(笑)いつもよりキレイだなって思ってた」
と彼が笑う
タクシーに乗って向かうのは聖路加タワー
コース料理
テーブルに届けられる花束
Happy BerthDayの曲と共に運ばれてくる
私が生まれてきた事をお祝いしてくれるケーキ
夜景のキレイなオープンテラス
「一緒にいるだけでなんでこんな気持ちになれるの?」
しあわせって分からないけどこんな気持ちの事かも
うれしいとさびしいはセット
別々のタクシーに乗る
ずっと一緒にいたい
鼓動
幸せな書き込みを見て
涙があふれた
幸せに「涙」したのではない
幸せが悲しかっただけ
もしかして私にはそれはもうないのかも
もしかして私はもうそれを感じることがないのかも
無意識の心の奥ではそう考えている
と気付いてしまった
心臓が大きな音を立てた
欠けたグラス
欠けてしまったグラスを修理して使うつもりだった
でも、
いくら同じ様な素材を探して
かけた部分を補っても
所詮は違う素材
あっという間に崩れて消える
もう、無理なのかもしれない
そのグラスを使うのは無理なのかもしれない
いっそのこと全てを溶かして
新しいグラスに。
欠けた部分が痛いから
どうか私を新しいグラスにして下さい
