SLAM DUNK(スラムダンク)
漫画
作者 井上雄彦
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプコミックス
発表期間 1990年 42号 - 1996年 27号
巻数 全31巻
完全版全24巻
話数 276話


SLAM DUNK』(スラムダンク)は、井上雄彦 による高校バスケットボール を題材にした日本少年漫画 作品。略称は「スラダン」。『週刊少年ジャンプ 』(集英社1990年 42号 - 1996年 27号にて連載。全276話。単行本 は全31巻、完全版全24巻。


ストーリー

中学3年間で50人もの女性にフラれた高校1年の不良少年 桜木花道 は背の高さと身体能力からバスケットボール部の主将の妹、赤木晴子にバスケット部への入部を薦められる。彼女に一目惚れした「初心者」花道は彼女目当てに入部するも、練習・試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚めていき、才能を開花させながら、全国制覇を目指していく。




本作は連載を唐突に終了した。物語がインターハイ トーナメント戦 の途中にあり、後の対戦相手かのように登場した名朋工業、愛和学院、大栄学園らとの試合は描かれないままの終了であった。

連載について作者は本誌のあとがきで「続きはやりたい」とコメントを残している。実際、本誌上では最終ページに「第一部完」と書かれて終了している。また、ジャンプ・コミックス の紹介でも既刊(全31巻ではなく、以後続刊)扱いされている。しかしながら、10年以上が経過した現在でも本格的な続編の話はない。なお、単行本の最終回最終ページでは、本誌とは異なり「第一部完」という言葉がない。そして最後に作者のあとがきが載せられている。また、『ジャンプ』とコミックでは最終話の台詞が若干異なっている。



感想

登場人物の描写に関してはいずれにしても癖の強い人物が多く好き嫌いは分かれるところなのと、主人公である桜木花道が驚異的なペースで成長して才能を開花させていく姿も冷静に見たら普通ではありえないところではありますが、逆にこういった一見するととんでもないながらリアリティかつ現実味のある要素と描写がこの作品の一番の魅力だと自分としては思っています。





評価は100点中90点です。









ドラゴンボール


ドラゴンボール
漫画
作者 鳥山明
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
発表号 1984年51号 - 1995年25号
巻数 全42巻(JC)

ドラゴンボール』 (DRAGON BALL) は、鳥山明 による日本漫画 作品、およびこれを原作 とするアニメ 作品のシリーズ、およびこれらの作中に登場する架空の道具の名称。

世界中に散らばった7つ全てを集めると、どんな願いでも1つだけ叶えられるという球「ドラゴンボール」と、主人公「孫悟空 」(そんごくう)を中心に展開する、敵との戦闘、ライバル達との友情などを描いた長編冒険漫画である。

アニメ化 も行われ、日本ではフジテレビ 系列で放映されたほか、劇場版アニメや実写版映画も作成された。また多数の関連グッズやゲームソフト などが生み出されている。


物語初期の孫悟空の少年期の話では、ドラゴンボール を探す冒険の話と「天下一武道会 」での闘いの話が交互に展開される。この頃は舞台となる世界はまだ平和であり、ギャグ要素も多く取り入れられている。

だが、ピッコロ大魔王 の登場以降、ギャグ色を排したバトル漫画の要素が色濃くなり、従来のメインであったドラゴンボール探しのシーンは、簡略化あるいは省略されるようになる。ストーリーも主要人物の相次ぐ死亡や、世界が危機に瀕するなど、シリアスなものとなっていく。

物語中期のサイヤ人戦以降は、物語スケールが地球規模から宇宙規模へと拡大し、やがて舞台は悟空たちの住む地球を出て「ナメック星 」へと移る。その後の人造人間戦では再び舞台が地球に戻るが、タイムパラドックス を取り入れた物語となっており、青年トランクス を主人公としたアナザーストーリーも登場する。

物語末期の魔人ブウ戦では、バトル中心路線が維持されつつも、融合・吸収や物体変化などの新しい戦闘要素が登場し、またギャグ要素が再び増加に転じている。

終始、登場人物は敵・味方ともストーリーが進むにつれて強さを増していく。サイヤ人戦からフリーザ戦にかけては、強さを数値で表した「戦闘力 」が、頻繁に台詞中に登場する。



ストーリー


少年期
地球 の人里離れた山奥に住む尻尾の生えた少年・孫悟空 。ある日、彼は西の都からやって来た少女ブルマ と出会い、7つ集めると神龍 (シェンロン)が現れどんな願いでも一つだけ叶えてくれるというドラゴンボール の存在、そして育ての親孫悟飯 の形見として大切に持っていた球がそのひとつ「四星球」(スーシンチュウ)であることを知り、ブルマと共に残りのドラゴンボールを探す旅に出る。人攫いのウーロン や盗賊ヤムチャ などを巻き込んだボール探しの末、世界征服を企むピラフ一味 にボールを奪われ神龍を呼び出されるが、くだらない願いを叶えてもらうことで一味の野望を阻止する。
そして悟空は旅の途中に知り合った武術の達人・亀仙人 の下で、後に親友となるクリリン と共に8か月間修行を積み、世界一の武術の達人を決める天下一武道会 で準優勝する。その後、ドラゴンボールの悪用を企むレッドリボン軍 との闘いなどを経てさらに強さを増していき、再びドラゴンボールを7つ揃え、殺し屋桃白白 (タオパイパイ)に殺された聖地カリンウパ の父親ボラを蘇生させる。さらに3年後の天下一武道会では、殺し屋を目指していた天津飯 (テンシンハン)と闘うが、あと一歩のところで敗れ、前回に続き準優勝となる。
ピッコロ大魔王編
武道会終了後、ピラフ一味によって復活したピッコロ大魔王 によって、クリリンなど悟空の仲間たちが殺されてしまう。悟空は仇を討つため、仙猫カリン の協力を得て隠された力を引き出し、大魔王に闘いを挑み勝利する。闘いの後、悟空は大魔王に殺された神龍や仲間たちの復活のため天界へ向かい、ドラゴンボールを創った本人である神に会うが、神龍復活の条件としてひとり天界で修行することとなる。その3年後、少年から青年へと成長した悟空は天下一武道会にて、かつて出会った牛魔王の娘・チチ と結婚。そしてピッコロ大魔王が死の寸前に残した息子であるマジュニア に勝利し、同時に天下一武道会初優勝を飾る。
サイヤ人編
マジュニアとの闘いから約5年後、平和な日々を過ごしていた悟空のもとに、悟空の実兄ラディッツ が宇宙より来襲し、悟空は自分が惑星ベジータの戦闘民族・サイヤ人 であることを知らされる。さらわれた息子・孫悟飯 を助けるため悟空はピッコロ(マジュニア)と手を組み、自らの命と引き換えにラディッツを撃破するが、約1年後にはさらに強力なサイヤ人たちがドラゴンボールを求めて地球に来襲することを知る。悟空はドラゴンボールにより生き返るまでの間、あの世界王 のもとで修業。そして仲間とともにサイヤ人の王子ベジータ たちと闘い、退けるも多くの仲間を失う。しかもピッコロの戦死により、元来彼と一人の人間であった神も死亡し、地球のドラゴンボールも消滅する。
フリーザ編
ベジータとの闘いの後、神や殺された仲間たちを蘇らせるため、悟飯・クリリン・ブルマの3人は大怪我で入院中の悟空に代わり、神とピッコロの故郷であるナメック星 へ向かう。だが、そこには界王すら畏怖する宇宙の帝王フリーザ が不老不死を求めて来襲し、ナメック星人を虐殺しながらドラゴンボールを略奪していた。悟飯たちはベジータ、そしてフリーザ一味とのドラゴンボールをめぐる三つ巴の攻防の末、後から到着した悟空とナメック星人たちの協力を得てナメック星の神龍・ポルンガを呼び出し、ピッコロを蘇生。これにより地球のドラゴンボールも復活する。そして悟空はフリーザとの闘いにおいて、伝説の戦士・超(スーパー)サイヤ人 へと覚醒し勝利する。
人造人間編
ナメック星での闘いから約1年後、地球に帰還した悟空の前に、未来からやって来たベジータとブルマの息子であるトランクス が現れる。彼は3年後に、レッドリボン軍の生き残りであるドクター・ゲロ が造り上げた2体の人造人間 が現れ、絶望の未来をもたらすことを告げる。悟空たちはそれらを未然に防ぐのではなく、直接闘って未来を変えることを選択する。しかし事態はトランクスが知っている歴史とは大きく違うものとなり、彼さえ知らなかった人造人間たちも現れ、さらにはドクター・ゲロのコンピュータが造り上げた究極生命体セル が出現。完全体となったセルは地球の命運を賭けた武道会「セルゲーム」を開催。悟空はこの闘いで命を落とすが、その意思を受け継いだ息子・悟飯がセルを倒す。
魔人ブウ編
セルゲームより7年後。高校生に成長した悟飯が天下一武道会に出場することを知り、自らも出場するために悟空は一日だけこの世 に戻る。武道会の最中、全宇宙の神である界王神 の依頼により、邪悪な魔導士バビディ による魔人ブウ の復活を阻止しようとするが失敗、魔人ブウは復活してしまう。悟空はこの世での滞在可能時間が迫ったためあの世に帰り、代わって悟空の死後に生まれた次男の孫悟天 やトランクス、悟飯がパワーアップして魔人ブウに挑む。しかし善戦むなしく危機に陥った彼らを救うため、老界王神の命を譲り受けて甦った悟空は決戦の末、地球・ナメック星・あの世の人々のエネルギーによって作り上げられた特大の元気玉 によって魔人ブウを消滅させる。
それから10年後、悟空は魔人ブウの生まれ変わりである少年ウーブとともに、さらなる強さを求めて修行に旅立つ。


。『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎 は、鳥山明と『ドラゴンボール』の熱心なファンであることを公言している。

  • 2008年12月の時点で、日本国内公表発行部数は単行本と完全版(完全版の発行部数は2000万部を超える)を合わせて1億5000万部以上、全世界では3億5000万部を超える。
  • アニメは40か国以上で放映、コミックスが発売された。米国だけで4000万ドル(約44億円)。アメリカでは、『ドラゴンボール』のビデオとDVDの売上が2500万本を超え、さらには"dragonball" のキーワードが米のランキングで2年連続第1位を獲得。また米の検索ランキングでも3位になった。中国や韓国などアジア各国では海賊版が多数出回り、タイでは20社もの出版社が海賊版を発行するという「タイの『ドラゴンボール』争奪戦」というものが起こるなど、版権元を悩ませている。





    評価は100点中91点です。ペタしてね



    赤い頭の男に、最初に声をかけたのは高宮だった。

    「よーーう!花道ぃぃい!!」


    赤い頭の男が笑った。
    「おっ、もう来てたのかお前ら!」


    赤い頭の男、そう、桜木花道が洋平たちの元へ向かう。



    その時。


    「桜木くん!!」


    桜木の耳が巨大化。


    「ハ…、ハ・ハ…、ハルコさん!!」


    桜木は急遽方向を変え、晴子の元へ駆け寄った。
    「ハルコさん、来てたんですか?」


    洋平たちは、やれやれという顔。
    「なんだ、あいつは。俺たちと会う約束で来たんじゃないのかよ」


    晴子、笑顔で迎える。
    「私達は神奈川の応援に来たの。湘北のメンバーも出てるからね。
    でも、こんな所で桜木くんに会えるなんて思ってなかったわ。」

    桜木、涙。
    「ハルコさん、この桜木と会えたことをそんなに喜んでくれるなんて…」



    「ケガはよくなったのか。桜木」


    桜木振り返る。 質問をしたのは赤木だった。
    「ぬ…、ゴリ。やはりこの天才の回復状況が気になると…」

    赤木、ニヤリ。
    「フッ、たわけが。まあ、その様子なら心配は不要のようだな。
    いつから練習に復帰できるんだ。選抜には出られるのか?」

    桜木、答える。
    「ああ、冬までに完治するかどうかは分からんが、ボールを使った
    リハビリはもうやってるんだ。間もなく復活よ。
    このアイアンボディ・桜木に、あれしきのケガ、全く問題なし」



    安西もひと安心の顔。
    「ホッホッホ、それはよかった。桜木くん、君がいるといないじゃ大違いだ。
    赤木くんの抜けた後の、インサイドの大黒柱として期待してますよ」

    桜木、ニンマリ。
    「やはり!? さすがはオヤジ! 見る目がある!
    これからの湘北のゴール下は、この桜木が制す!!」


    赤木、しかめっ面。
    「ったく、あのバカは。調子に乗りおって」


    安西、桜木に指令を出す。
    「桜木くん、この試合は見ておいたほうがいい。
    未来のキミのライバルになる人間が出るんだ」

    桜木、得意げな顔。
    「愛知のセンターだな。奴のことはとっくに知ってるぜ、オヤジ。
    オレと同じ1年生だろ?」


    赤木が驚く。
    「ほう、よく知ってるな。お前が…、どういうことだ?」

    桜木、答える。
    「そのくらい知ってて当然。俺はバスケットマンだぜ? ゴリ」


    「桜木…」


    心なしか、みんなの顔が嬉しそうに。





    コートでは、間もなく試合が始まろうとしている。

    愛知VS沖縄。


    優勝候補筆頭の登場とあって、注目度は大きい。

    「おーい!頼むぞ愛知!! 俺はこの試合を見るために早起きしたんだ」

    「森重ーー!今日は何点取るつもりだーー? 暴れろよーー!」

    「諸星ーー!ガンバレーー!!」



    彦一がビデオを回し始めた。
    「いよいよや。大本命の実力、とくと見させてもらうで」


    センタージャンプ。

    当たり前のように森重が制した。

    愛知の攻撃からスタート。キャプテンの諸星がゆっくりとボールを運ぶ。


    1stクォーター、戦慄の10分がこれから始まる。



    続く



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    ONE PIECE



    漫画
    作者 尾田栄一郎
    出版社 集英社

    ONE PIECE』(ワンピース)は、尾田栄一郎 による日本少年漫画 。および、これを原作としたテレビアニメアニメ映画ゲーム といったメディアミックス 作品。1997年 より『週刊少年ジャンプ 』(集英社 )にて連載されている。略称は「OP」、「ワンピ」。



    冒険・友情といったテーマを前面に掲げ、少年漫画の正攻法をいく物語の展開を持ちながらも深く練り込まれたストーリー設定であり、随所に感動エピソードやバトルシーン、ギャグなどを織り交ぜた少年漫画として人気を博している。

    単行本売り上げは、史上最速での1億部突破を達成し、初版発行部数285万部【56巻】と累計発行部数1億7600万部以上【56巻時点】の日本記録を保持している[1] [2] [3]

    1999年に放送が始まったアニメ版 もロングラン作品になっている。2007年には、連載10周年を記念して5冊の本が出版される等、様々な企画が立てられた。


    ストーリー


    海賊 となった主人公モンキー・D・ルフィ は、仲間を集めながら海を渡り海賊王を目指す。主人公とその仲間は海賊団を結成しているが、民間からの略奪を行うわけではない(所有者不明瞭の物品を拾ったり、同業者である海賊たちから略奪を働くことはある)。

    仲間たちはそれぞれの夢や目的を持っており、その完遂のために旅をしている。仲間には各々に船員・海賊としての役割(戦闘員である剣士航海士コック医者 など)があり、それが個々の「夢」と直結している。

    主に各島で事件に巻き込まれ、敵を倒した後に次の島へ進んでいく。敵も同業者である海賊が多いが、世界政府直属の海軍 、政府諜報機関や一国の元首等の公権力と戦うこともある。海では主に航海のみの描写で、キャラベル船ガレオン船 同士の砲撃 戦等の火器を用いた戦いはあまり描かれない。また、多くの登場人物は超人的な戦闘能力を備えている。



    この世の全てを手に入れた伝説の海賊王ゴールド・ロジャー(ゴール・D・ロジャー)が遺した、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」をめぐり、幾人もの海賊が覇権を賭けて争う大海賊時代

    そんな時代に生まれ、海賊に憧れる少年モンキー・D・ルフィは、「ゴムゴムの実」と呼ばれる不思議な実(「悪魔の実 」の一種)を食べてゴム人間となり、泳げない体になりながらも海賊王を目指して仲間と共に冒険する。





    扉絵は、本編とは別に毎週1コマずつの短期ストーリー連載となる事がある。ここでは本編に登場した人物のその後がサイドストーリーとして描かれている。


    1. バギー一味冒険記 (35話 - 75話【全28話・外伝2話】)
    2. コビメッポ奮闘日記 (84話 - 119話【全30話】)
    3. ジャンゴのダンス天国 (126話 - 172話【全37話・外伝1話】)
    4. はっちゃんの海底散歩 (182話 - 228話【全40話】)
    5. ワポルの雑食バンザイ (236話 - 262話【全23話】)
    6. エースの黒ひげ大捜査線 (272話 - 305話【全29話】)
    7. ゲダツのうっかり青海暮らし (314話 - 348話【全32話】)
    8. ミスG・Wの作戦名“ミーツバロック” (359話 - 413話【全42話・外伝1話】)
    9. (外伝)あの人は今 (424話 - 427話、486 - 490話)
    10. エネルのスペース大作戦 (428話 - 474話【全38話】)
    11. CP9の任務外報告 (491話 - 528話【全33話】)
    12. サンジの地獄よりお気を確かに (543話 - 544話【全2話】)
    13. ロビンのひどい事するわ (545話 - 546話【全2話】)
    14. フランキーの今週のおれダメだ (548話 - 549話【全2話】)
    15. ウソップの一人じゃ死ぬ病 (550話 - 551話【全2話】)

    海賊漫画はといえば何?と聞かれたら間違いなくいの一番に挙げられるジャンプの看板漫画です
    しかし本来の意味の海賊ではなく、冒険を主体においた笑いあり涙あり友情ありバトルありの王道的少年漫画だと思います
    そのためエログロな描写は全くなく、バトル、コメディ、ファンタジー、感動を満遍なく織り交ぜており、尚且つ非常に親しみやすい絵であるため、子供だけでなく大人からも読まれる読者層の広い漫画だと思います


    評価は100点中87点です。


     


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    会議室のドアが開いた。

    藤真が挨拶をして部屋に戻る。
    「お疲れ様でした。明日は頑張りましょう」

    藤真の背中を見ながら牧が言う。
    「翔陽の監督は恐ろしい男ですね、監督」

    高頭、扇子。
    「はっはっは。面白いことを考えるやつだな、藤真は。
    明日の試合、ますます楽しみになってきたわ」




    長かった神奈川宿舎の夜が、ようやく終わった。





    そして、夜が明けた。




    メイン体育館。大盛況だ。

    準々決勝からはメインの体育館で全試合を行なうことになる。
    つまり、今日は4試合全てが同じ会場で行なわれるということ。

    1回戦の愛知の試合から会場は満員である。


    彦一がビデオを調節しながら愛知の練習を見ている。
    「愛知の全てをあばいたるで。諸星、森重を丸裸にするんや」

    その後に大男2人。
    「彦一、朝からご苦労だな」

    振り向く彦一、大声で挨拶。
    「魚住さん!!それに赤木さん! おはようございます!!
    でも、なぜ第1試合から? 神奈川の試合は今日の最終戦ですよ」

    魚住がドシっと腰を下ろす。
    「観たいから来ただけだ。今日は全試合観るつもりだ」

    赤木も腰を下ろす。
    「そういうことだ。あと、今日は神奈川から大応援団が来るらしいぞ」



    「もう来てるよ」 



    振り向く赤木。

    木暮だった。後ろには安田、角田、潮崎、石井、佐々岡、桑田の顔。
    「今日でベスト8だからな。精一杯応援しよう。
    他の学校の部員もさっき見たよ。今日からの神奈川の応援は強力だぜ」



    体育館の入り口。

    海南、陵南、翔陽の部員がゾロゾロと入ってくる。
    海南の武藤、陵南の池上、翔陽の高野、長野らお馴染みの顔がズラリ。
    「ついに秋田との試合だ。神奈川オールスターの力が試されるときだ」

    彼らも赤木たちと同じブロックに座った。



    少し遅れて洋平や晴子も入ってくる。手には空っぽのペットボトル。
    堀田は「炎の男!三っちゃん 八強編」の旗を持っている。
    「おお、あれはゴリ、そしてボス猿も! メガネ君もいるぞ!」
    洋平たちはガンガン鳴らしながら席に走った。


    そして、会場に神奈川大応援団の席ができた。


    晴子が聞く。
    「でも、洋平君たちが初日から来るとは思わなかったわ。
    神奈川の応援にわざわざ来るなんて、バスケが好きになったんじゃない?」

    洋平が笑う。
    「ははは。んなわけないだろ。俺たちは応援に来たわけじゃないよ。
    “友達”に会うために来たんだ」

    晴子、キョトン。
    「友達? もしかして…」

    洋平が答える。
    「そいうこと。今日ココで会う約束してるんだ。秋田との試合は観たいんだと。
    まあ、初日から来てるのは、ちょっと試合を観たかったってのもあるけどな。
    バスケが好きになっちまったのは確かだ」




    「ほっほっほ、今日は満員のようですね。さすがベスト8だ」



    その声にすぐに振り向き、挨拶をする湘北メンバー。

    「安西先生!おはようございます!!」




    安西、赤木の隣に座る。
    「赤木君、神奈川選抜の調子はどうですか?」

    赤木が答える。
    「強いですよ。優勝も狙えると思います。三井、宮城、流川も頑張っています」

    安西、ニッコリ。
    「それは何より」



    そこに晴子が来た。安西に尋ねる。
    「先生、彩子さんは来てないんですか?」

    安西が答える。
    「もちろん来てますよ。ちょっと人を迎えに行ってたんで
    遅れているだけです。まもなく来るでしょう」



    数分後。




    「神奈川ファイトーーーーー!!!!」




    いっせいに振り向く神奈川応援団。

    大声の主は彩子だった。「さあ、決戦のときよ!!」




    そして


    その後ろには、赤い頭が見えた。




    続く


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    まだまだ終わらぬ作戦会議。

    高頭が首をかしげる。
    「そいつはギャンブルじゃないか? 藤真よ」

    牧はちょっと笑顔。
    「翔陽の監督はとんでもねえことを考えるな」


    「まあな」 藤真は説明を続けた。




    秋田の宿舎。


    秋田選抜、すなわち山王工業のメンバーがビデオを見ている。
    神奈川の3回戦、大阪戦のビデオである。


    堂本がつぶやく。
    「この選手は……。これはちょっと普通のレベルじゃないな。
    神奈川にはこんな選手もいたのか。湘北はインターハイの時に
    相当厳しい予選を戦っていたんだな」

    深津がうなずく。
    「湘北の流川レベル、いやそれ以上かもしれませんね」

    沢北は何かを考えている。
    「コイツどっかで見た気がするんだよな。対戦したことあるのかな」

    河田は腕組みをして画面を見ている。
    「神奈川選抜12番、仙道彰か…。3回戦はトリプルダブル。
    1、2回戦も流川に次ぐ得点数。アシストも多い。
    確かに普通のレベルじゃないぞ、これは」



    堂本が笑う。
    「沢北よ。お前はどっちと戦いたいんだ? 流川とマッチアップして
    夏の借りを返すか? それとも、この仙道を叩くか?」

    沢北はまだ考えている。
    「仙道…、もしかしたらアイツか? 東京のヤツ…」

    松本が聞く。
    「思い出したのか? 沢北」

    沢北はしかめっ面。
    「う~ん、断定はできないんですけど、東京の中学にいたような…。
    その時はオレのチームが勝ったんですけどね」

    深津の突っ込み。
    「その最後の自慢はいらないピョン」



    河田、真剣な顔。
    「先発も予想できないな。この大阪戦は海南の牧が出ていない。
    明日も5番(藤真)がスタメンなのか? 湘北の宮城もいる。
    深津の相手が未確定だな…」

    深津は真顔。
    「さすがに牧が来ると思うけど…、別に誰が来てもいいピョン」



    堂本、まとめる。
    「どうやら神奈川の得点源は、流川と仙道のようだな。
    そして、外は海南の神だ。これを海南の牧がコントロールすると…。
    穴はインサイドか。海南の高砂は、赤木よりは少し落ちる感じだな。
    明日、まずは河田を使っていこう。頼むぞ河田」




    湘北の宿舎。


    大部屋で流れていた秋田の試合が終わった。

    福田が仙道に話しかける。
    「沢北か。仙道、お前より上なのか? コイツは」

    仙道、ニコ。
    「さあどうかな。やってみないと分からないな」

    花形、腕組み。
    「高砂、明日はどっちがスタメンか分からないが、河田と野辺の
    インサイドはかなり強力だぞ。相当しんどい試合になるな、これは」

    高砂が答える。
    「ああ、分かってる。『赤木と魚住がいれば』なんて
    言われないようにしないとな。責任重大だぜ。」




    湘北メンバーの部屋。

    すでに布団で寝ている流川。


    三井と宮城が部屋に戻ってくる。

    「なんだコイツは、もう寝てるぞ。緊張感のない男だな」

    「いつもこんな感じじゃないすか。明日に備えてってことでしょ」

    「そういや、あのヘンな会議まだ終わってねえみたいだな」

    「気にする必要はないでしょ。俺たちはプレーするだけだ」

    「そうだな。俺たちも寝るか」



    陵南メンバーの部屋。

    彦一は明日の準備をしている。
    「明日の第1試合は愛知。これは要チェックや。みんなのために
    スカウティングする必要があるで。ワイはそのために呼ばれたんや」

    仙道は外を眺めている。
    「沢北か…」

    福田は寝ている。



    海南メンバーの部屋。

    清田は興奮している。
    「ついに山王との試合だ。神さん、オレ先発ですかね?
    今日試合に出てないの俺と牧さんだけですよ。これは温存では」

    神、お茶を飲んでいる。
    「ハハ。そうなりゃいいな。オレも山王とは戦いたいよ。
    去年の夏に対戦したときは出てないからな。

    お茶を置いてひと言。
    「ふぅ…。牧さんと監督、遅いな。まだ作戦会議が続いてるのか」




    まだまだ終わらない神奈川宿舎の夜。



    続く

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