これまでの話







27話 シュート合戦








現在タイムアウト。


神奈川ベンチ。


高頭が笑っている。
「さすがは山王だ。チャンスを与えたら一気に波が来る」

牧が答える。
「さっきのはオレのミスです。もう絶対に取らせません」

高頭、さらに笑う。
「ハッハッハ、分かってるぞ牧。カリカリするな。
流れが悪いから一度切っただけだ。これまで通り行けばいい」



秋田ベンチ。


堂本が選手を称える。
「いいぞ。完全に流れを持ってきた。この調子でいくんだ」

河田が考えている。
「このタイムでどう立て直してくるか。楽しみだな」



タイムが解けた。両チームがコートに戻る。



神奈川のスローインからスタート。


スローワーは神だ。牧に渡す。


山王のプレスが始まる。

「さああ!!行けええーーー!山王!!」

「もう一度インターセプトだ!!」



しかし、今度は神奈川がきれいに突破した。

「おおお!今度はクリアしたぞ」

「さすがだ!きっちりタイムアウトで立て直してるぜ」


ボールは仙道へ。

河田との1ON1。

一度中に切れ込んでから、外で待つ神へパス。


神には松本がつく。


神、いきなりシュート。


ザシュ!!


「3点!!!!!また神奈川が逆転だ!!」

「いきなり決まったーーーー!!!」

「モーションが速い!!なんであれで入るんだあああ!?」



松本、つぶやく。
「ちっ、不意をつかれたぜ…」


牧が神の肩を叩く。
「ナイスだ」

神が微笑む。
「牧さん、今は外す気がしないですよ」

牧が笑う。
「ほう?」


山王の攻撃。やはりボールは沢北へ。


鋭いドライブで流川を抜き、インサイドの河田へ。

河田、フェイダウェイシュートで花形のアタマを越す。


ザシュ!!


「いいぞいいぞ河田」 「いいぞいいぞ河田!!」

「河田!!」 「河田!!」


山王お馴染みの応援歌が鳴り響く。



神奈川も負けていない。

花形がフェイダウェイショットで野辺を越す。


「おおおおおーーーーーーーーー!!8番返した!!」

「さっきの河田と同じプレイだ!!」

「熱くなってきたぞ!!いい試合だ!!」


お次は、山王は沢北がスリーポイントを決める。
「さすがエースだ!沢北!!」

お返しとばかりに神奈川、神がスリーポイントを決める。
「また同じプレイで返した!!やるぜ神奈川!!」


2ndクォーターは点の取り合いとなった。


タイムアウト後、神奈川は一度としてプレスに引っかからなかった。

出だしの秋田の連続得点で秋田が追いつき、
そこから抜きつ抜かれつの攻防で得点は推移した。

結局秋田の1点リードで前半を終えることとなる。


神奈川 49
秋田   50



ハーフタイム。


神奈川ベンチの後ろに赤い頭。
「おい、ジイ!差し入れだ」

牧、ドリンクを受け取る。
「お、お前にしちゃ気が利くな。サンキュ」

桜木が答える。
「ハッハッハ!この天才がいないことでチーム力を落としてるからな。
これくらいの手伝いはしてやるよ。まあ、オレが抜けた分の穴埋めには
全然なってねえがな。カッカッカ!」

そこに清田が来る。
「コラ!赤毛ザル!お前勝手にコートに入ってくんじゃねえよ」

桜木、返す。
「なんだと野ザル? オレの補欠でメンバーに入ったくせに偉そうにすんじゃねえ」


「なにぃ?」 「なんだぁ?」


ガンを飛ばしあう2人。


「どあほう」 呆れる流川。 しかし、きっちりドリンクは飲んでいる。


高頭が神に話しかける。
「調子がよさそうだな、神」

神、ニコリ。
「まあまあですね」

高頭、ちょっと考える。
「あれで行くか…」



高頭が三井に駆け寄った。




続く




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