----- 2025年7月1日 追記 -----------------------------------------------------------
朝日新聞推薦 マイベストプロ東京にて、拝み箸について触れた新たなコラムを寄稿しております。
よろしければお立ち寄りください。
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本日もお疲れさまでございます。
日本のころろ・文化や、お箸・風呂敷などについてお話を致しております「Les Misera Culture School~日本に息づく心配り〜」代表・講師の浅海です。
私が伝承したいと努めている「お箸」の文化は、本当に奥深いものです。
学んでも、学んでも、「そうなんだ~!」「なるほど~!」と思うことが山ほどあります。
しかし一方で、箸を掘り下げて取り上げている教本は驚くほど少なく、口伝で伝えられてきた文化でもあるため、学ぶにあたっては、数多ある世の中のお箸に関する情報に対して、流派の違い、解釈の違い、文化的側面...いろいろな角度を考慮して解釈の上、伝承していかなければならないと思っています。
そんな中、先日とある先輩講師の方が「そもそも合掌の作法には、物を持ってこんなふうにすることはないんですよね。」と、拝み箸が嫌い箸とされている理由を説明されているのを拝見しました。
拝み箸。お分かりになりますか?
イラストのように、「いただきます」や「ごちそうさまでした」とご挨拶をするときに、両手の親指にお箸を渡し、拝む行為を言います。
この行為は、やってはいけない箸使い、所謂“忌み箸/嫌い箸”にあたります。

話を戻して...はて、ここでふと疑問に。
ん

そう

物を持つこともあるんじゃ・・・

お箸の扱いには「神道」に通づる所作が沢山ありますが、「仏道」に通づる所作も沢山あります。
“合掌”はインド起源の礼拝の所作で、「仏道」に通づる所作です。
...はて・・・

そう疑問に思ったら、確かめずにはいられません。
もしもそうならば、これから講座でお伝えするにあたって説明に加えたいですし、そうでないならば使いたくない説明になります。
このことを突き詰めることは、私の立場ではとても大切なことなのです

* * *
やはり、ありました。
そうです。
私たちもお数珠を持って合掌すること、ありますよね。
一瞬、本来の正式な合掌は数珠は持たないもの

という疑念があったのですが、お数珠を持って(指にかけて)合掌することは、正式な作法とのこと。
ただ、お数珠以外のものを持ったり、指にかけたりして合掌することはないようです。
お坊さんはお数珠の他に、朱扇と呼ばれる扇も常にお持ちだそうで、すれ違う時などに親指の付け根に挟んでご挨拶をすることもあるそうなのですが、これは正式な所作ではないと。
本来朱扇は、胸元に挟んでご挨拶するそうです

・・・話を戻して「拝み箸」の話。(話がどんどん脱線していってしまう

)
ご住職からのご指南を受け、私はこれから、このように拝み箸が忌み箸であることをお伝えしていきたいと思います

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日本の「いただきます」や「ごちそうさまでした」は、目の前にある神さまからのお下がりでいただく神聖なお食事に対して、また沢山の命やご縁(人)へ、「頂戴します」「ご馳走になりました」と感謝の念をもってご挨拶をする所作です。
本来は、両手は両膝(腿)上に置き言葉にしますが、合掌をして言葉にしても良いでしょう。
但し、合掌をするときに手にするのはお数珠のみです。
お箸をお数珠に見立てる作法はなく、また、その他のものを手にしてする作法も合掌にはありません。
「神聖なるお食事・命・ご縁」と「(穢れている・俗世の)自分」との境を表して配置しているお箸を取り上げ、それを手にして合掌することは、その境や神さまや神聖なるお食事、命やご縁の存在をぞんざいに、また失礼に扱う行為となります。
よって、拝み箸は行ってはいけません。
皆さま、いかがでしょう、このご説明で

ご住職の樋口様にはこの度沢山のお時間を頂戴し、神仏道の基本的な違いや、仏道の所作などについて、様々なご教示をいただきました。
また僭越ながら今の子どもたちや伝えることについてなど、同じ伝承を行う者の立場から意見交換をさせていただきました。
物事は知れば知るほど、もっともっと知りたくなりますね
今後とも何卒ご指導いただけましたら幸いです。
#己書 #マナー
#趣味 #自分磨き