羽生結弦選手がここ数年、日本にずっといるからなのかもしれませんが…日本語を大切になさっている方たちとの交流が多いように感じます。
もちろん、外国にはその国、地域で使われている言葉があって、それぞれの特徴もあるのでしょうけど。
日本語は、表意文字と表音文字の両方があるというのが特徴なのではないでしょうか。
それも、表意文字は漢字という中国から伝わったもので、表音文字はそれを崩したり省略した形のひらがなとカタカナなんですよね。
こんなに使う文字が多いって…(^◇^;)
同じものを言い換えたり、同音異義語で謎かけしたり、韻を踏む詩があったり、言葉遊びもさまざまですし。
豊かだなぁと思います。
そして、言葉を使う職業も色々あるでしょうけど、野村萬斎さんは狂言師さん、米津玄師さんはシンガーソングライターさん、そういう「日本語で伝える」ことを含めたお仕事をなさっているんですよね。
そういう方たちとつながることで、羽生くんの言語化能力もさらにレベルアップ⤴️しているように感じました。
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言葉は、誰かを励まして力になることも、勇気が出ると感じるものを受け取ることもできるし、逆に、傷つけてしまうことも、落ち込む原因になることもありますよね。
だけど、思うんです。
誰かを低く評価してバカにしたり、おとしめたり、見下して悪口雑言を言い立てるのには能力はいりません。
でも、誰かを高く評価してその良さを伝えたり、賞賛したり、仰ぎ見て敬意を表する言葉を連ねるにはそれなりの知識が必要なのではないでしょうか。
たとえば、道ですれ違っただけの相手を見下して悪口を言うなら、何とでも言えるんですよね。
知らない相手に対しても言えるのが悪口です。
だけど、知らない相手を賞賛できますか?
せいぜい、見た目くらいしか褒められませんよね。
能力、経歴、生き方を知った上でないと、まともな…というか、納得してもらえる賞賛の言葉は出てこないのではないでしょうか。
悪口はバカでも言える、
賞賛は知識が必要、
だからちょっと目立つことしてバズりたいくらいのバカタレとかは安易なほうをするので、見分けるのは簡単かもしれませんね。
あ、この場合の賞賛は、的外れだったり経歴上方修正しているものは含みませんので〜
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米津玄師さんがBOW AND ARROWを創ったときに念頭にあったのは、メダリストの司先生といのりちゃん、ひいてはフィギュアスケートの指導者と門下生、師匠と弟子なのでしょうけど。
米津さんがこの歌を歌うにあたっては、ご自身が「弓を引く側になって矢を放つ」ことも、その綴った言葉ゆえに強く意識に残ったのではないでしょうか。
羽生結弦選手にオファーしたとき、米津さんが羽生くんのことをどのくらいご存知だったのか?はわからないんですけど、心のどこかに「今、君は風に流れない矢に」なって飛んでくれ、俺が今この弓を引いて放つから、という思いを抱いてくださってたのなら嬉しいです〜
何しろフィギュアスケート界も我が国のメディアも、GOATをそうだと認めないし広めたくもないらしいので、羽生くんの輝きは隠され続けてきたんですよね。
誰も、羽生くんに、その煌めきは自分で掴んだものだよなんて言ってくれなかったし。
恩着せがましくふんぞりかえっている連中はいたけど。
だけど、米津さんが「君の眩しさに誰もが気づく」と歌って、羽生くんをさらなる高みに引き上げてくださったから。
もう、スケート界からは届かない場所まで飛んで行けたのかも?
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萬斎さんが9年前…もうすぐ10年になりますね、羽生くんと初めて対談したときに、濃密な教えを授けてくださったので、糧にできたものは多かったのではないでしょうか。
また、映画の陰陽師自体からも、平安時代のものの考え方や安倍晴明という謎の人物についての学びがあったと思うんですよね。
特に、名を呼んで呪をかけるというあたり…
プログラムにSEIMEIと名づけたのも、それがあったからのような気がします。
HOPE&LEGACYも、ORIGINも、羽生くんが命名したのではなかったでしょうか。
そうして、プログラムを手中におさめようとしたのなら、日本の独特の感性の賜物ですよね。
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萬斎さんとのお話には序破急とかも出てきましたし、そういう音…曲のとらえかた、表現のしかたなどは、スケート界ではなかなか話し合える方もいなかったでしょうから。
日本の伝統芸能の第一人者である萬斎さんと深い話ができて良かったですよね。
羽生くんは、もう、音楽だけでなく、日本語を氷上舞で表現できる唯一のスケーターなんですから。
名を呼んで 言葉授けて 呪をかける
癒し励まし 導く光
読んでくださってありがとうございました。