私が読んだ小説の中で、「主人公が予知した最悪の事態を避けるための行動をする」というものがあります。


そういう設定自体はそんなに(そのジャンルの中では)珍しいものではないのかもしれませんが、勝手にネタバレしてしまうというのも何なので詳しくは説明しませんが。


その話の中で印象に残っているのが、

「最悪の事態を避けたらそれは存在しなかった選択肢になる」

ということです。


主人公があくせくしても、避けられた最悪の事態が起こる可能性を考えてもみなかったら、現状への不満があると「ああしていれば良かったのかも」などと思うんですね。


私は、最善と思うことができないときには次善の選択でも良いのではないか?と考えていますけど。


「最悪の事態を止めてもらっていたから、次の選択の機会があるのだ」ということは、できるだけ気づいて忘れないようにしたいなと思っています。


…………


大河ドラマ「光る君へ」の最終回を見ました。


刀伊の入寇の件はこのドラマを見るまであまり知らなくて、藤原隆家さんには申し訳なかったな…とか思うと同時に、


このときに対応が遅れていたら、日本は「好き放題に掠奪できる国」としてもっと踏み躙られていたかもしれないし、


そうなると今の日本ではなかったかもしれませんよね。


隆家さんは「そうなったかもしれない最悪の事態」を未然に防いでくださったんです。


都で貴族たちが権力闘争していて、その中では緊急事態とは思われてなくても、隆家さんの奮闘がなければ最悪の状況にまで転がっていった可能性はあったのではないでしょうか。


最終回なのにまひろさんの話じゃなくて何なんですけど、当時の日本で、いわば「平安貴族たちが権力争いにうつつを抜かしていられた」のは、外敵を防いだ方たちがいたからなのだということは今知ることができて良かったなと思っています。


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フィギュアスケート界ではずっと、羽生結弦選手が恣意的採点で苦められてきたのを見てきました。


私はそれこそ、あいえすゆうにメールを送ったりして改善されることを望んでましたけど。


羽生くんがプロ転向するまでに是正されることにはなりませんでした。


正直言ってあのときに、スケート界はもう終わったなと感じたんです。


羽生くんがアマチュアの試合に出場しているうちは、観客動員も視聴率も話題性も、高いまま維持していたのではないでしょうか。


それこそ、羽生くんが出場していない試合であっても、他選手たちの状況や採点の方法などに目を光らせていた方たちも多かったと思うんですよね。


その頃にはきっと、「人気低迷」という事態を想定もしてなくて、

あいえすゆうとすけれんにとっての最悪の事態は平昌オリンピックの再来で

またしても羽生結弦選手に金メダル🥇が行ってしまう

というくらいだった気がするんです。


だけどもうずっと、人気低迷という事態を防ぎ続けてきたのは、

ひとえに

羽生結弦選手のスケートの魅力

だったんですよね。


他の選手たちも頑張ってはいたと思うんですよ?


だけど、恣意的採点の横行という暗雲の中でも、

「このスケーターさんだけは見たい」

と思ってもらえたか?というと、それほどではなかったのでは?


…………


羽生くんが、競技であるフィギュアスケートの

人気低迷を防いでくださっているうちに、

ルールや採点方法を改正して、より正確に厳密にしていれば間に合ったはずなんです。


何しろ羽生くんは、平昌オリンピック後すぐにプロになっていてもおかしくなかったのに、北京オリンピックまで4年間も猶予があったんですから。


その間に是正していれば、ここまで転がり落ちてはいなかったはずです。


最悪の事態を防いでもらっているという自覚もなしに、内部の権力争いにうつつを抜かしていた…


平安貴族のことを笑えないかも?


情報の行き交う速度が当時と今ではどのくらい違うことか。


なのに、1,000年以上経っても進歩してない〜


やれやれですね。


…………


羽生くんの単独アイスショーは、


プロローグで「羽生結弦選手ご自身の歩み」を見せてくださって、


GIFTで一流のプロの方たちと後世に残る作品にして、


RE_PRAYでゲームという日本が世界に誇る文化と融合して、


エコーズでSF映画&氷上の身体表現芸術として、


世界に発信したんですよね。


進歩も進化も深化も加速して、

フィギュアスケートの魅力と

新たな世界の可能性を見せて開拓している…


こんな素敵なアイスストーリーを

「これこそが我らの目指す高みだ」と言えない競技では、

さらに転落していくのではないでしょうか。


私は羽生くんのファンなので、どこまでも、羽生くんのスケートを見たいと思っています。


そしてそれは、世界が望んでいること。


競技の未来は、選手たちが実力と実施で切り開いていけるものにしていかないと、最悪からは逃れられない気がします。


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エコーズは新プロがいくつもあって、なかなか咀嚼も反芻も追いつきません。(⌒-⌒; )


羽生くん〜


また見たいと思うものを創ってくださってありがとうございます❣️


羽生結弦選手が健康で、思い描くスケートができますように。


読んでくださってありがとうございました。