ヘルシンキ世界選手権でのHOPE&LEGACYが、どれだけ素晴らしいプログラムだったか?という話です。
私にとってこのホプレガは、思い描いていたフィギュアスケートの理想を超えたものだったんですね。
それでは、理想はどうだったのか?というと…
私が初めて見たフィギュアスケートは、カルガリーオリンピックでの伊藤みどりさんだったので、あれが基本なんです。
5種類のトリプルを7本、アクセル以外の3回転を全部クリーンに、それも音楽のタイミングで跳んでいたんですよね。
だったらそれから何年も経っての、しかも男子ならば、それ以上を望んでもいいよね?
ということで、私の理想は…
○6種類のジャンプをトリプル以上で、全部クリーンに音楽のタイミングで跳ぶ
できれば男子なら、クワドは入れて欲しいものですね。
私がファンになったときには、もう羽生くんは2種類クワドを跳んでましたから。
そこは期待していました。
○フライングからのすぐに軸をとれるスピン
フライングからのスピンだと、軸をなかなか取れない選手たちもいますよね。
羽生くんからはあまり、そういう感じは受けませんでした。
だったらそこも望んでしまうんですよね。
○音楽はそんなに多くの選手たちが使っているのではないもの
羽生くんだと、オペラ座の怪人も編曲が良かったので「ありきたり」とは思わなかったけど、あまりにも…フィギュアスケートって、似たような音楽をまた使っているなと感じることが多かったんですよね。
ちょっと、なんというかスタンダードなものから離れた、それでいて秀逸な音楽でやってもらいたいなーという贅沢な望みです。
○エレメンツの配置が極端に偏っていない
平昌オリンピックのザギトワ選手はジャンプが全部後半でしたよね。
あんな、極端なエレメンツの配置って…
勝つためとはいえ、理想的なプログラムとはあまり思えなくて。
逆に、ソチオリンピックでのプルシェンコさんのSPはジャンプを全部前半に跳んでました。
こちらは年齢的に体力を考えてのことだったのでしょうね。
ですが、できれば、ジャンプの配置は前半と後半で1:2とか2:1くらいの割合にして欲しいなと。
あと、スピンも続けないほうがいいなと。
そういうのが私が思い描いていた理想的なフィギュアスケートだったんです。
何回か、ホプレガまでにもその理想に近いものは見たような気がします。
だけど、こらえたような…ちょっと詰まったようなジャンプがあったりとか。
本当に、全部がクリーンだったか?というと、
世界選手権で逆転優勝したロミジュリもそこまでではなかったし、
国別対抗戦のファントム様は予定構成ではなかったし、それは4Tの予定が3Tになってしまったからだし、
立て続けに世界記録を更新したSEIMEI様も4-3の着氷が完璧ではなかったし、
いつも「99.9%以上の出来」と思うような感じでした。(偉そうに…私、何様?)(^◇^;)
いつか、100%の完璧なものを見られたらいいな…
それが叶ったのがヘルシンキホプレガだったんです。
…………
理想をさらに超えたもの
○本人が世界初成功させた4Loが入っている
これはさすがに、理想と思い描く以上の望みが叶ったものでした。
ご本人がそのシーズンに世界初成功させたエレメンツが入っているプログラム。
なんて贅沢なんでしょう〜
○SP5位からの逆転優勝
こんな劇的な展開は、望んでも叶うものじゃありませんよね。
しかも、フリーの世界記録更新しましたし。
○それまでフィギュアスケートで見たことのない音楽
2曲を繋げたものだなんて、どちらの曲も知らなかったら、初めて聴いたらわかりませんよね。
他のプログラムでもそうですけど、編曲が素晴らしい❣️
…………
ホプレガはエレメンツの配置が抜群なんですよね。
また、先ほどと同じ話になりますが。
私は本当は、スピン立て続けというのはあまり好きではなくて。
もちろん、スピンで畳みかけるようなラストというのも、羽生くんのスケートなら見応えがあるんですけどね。(⌒-⌒; )
SPはエレメンツが少ないからある程度仕方ないにしても、フリーはせめてスピンは続けざまではないほうがいいなと。
ジャンプにしても、あまり、前半ばかりとか後半ばかりなのはちょっと…と思ってしまうので。
こればかりは、羽生くんの特定のプログラムについてあれこれ言っているような気がするので、あまり書いてこなかったんですけど。
とにかく、ジャンプもスピンも最高の配置のプログラムはホプレガだったんです〜
3Fと3Lzをあのタイミングで跳ぶって…
「私が願っていた理想の配置」をご存知だったんですか、叶える構成にしてくださったんですか、と錯覚してしまうくらいでした。
…………
羽生結弦選手のプログラムのうち、私が最も熱愛しているのはSEIMEI様❣️ですが。
このプログラムは、NHK杯で点数の壁を粉砕しましたし、GPFで男子初の3連覇を成し遂げましたが。
世界選手権では優勝できませんでした。
その痛みを払拭…はできなかったかもしれないけど、ヘルシンキ世界選手権で少しは癒せたのではないでしょうか。
SEIMEI様はその後、平昌オリンピックで連覇するプログラムになったし、四大陸選手権でも優勝しました。
だけど、パーフェクトなプログラムとしてヒストリカルレコードにも残った、最高のフリーはホプレガだったんですよね。
私から見たら、SEIMEI様とホプレガは、羽生くんの競技プログラムの両輪…両翼?だったんです。
補い合い、支え合い、双方があることで
羽生結弦選手がGOAT
だと世界に知らしめるものだったのではないかと。
…………
ヘルシンキホプレガを見てから、ずっと。
10分間の休憩ができるなら、あのホプレガをまた見られるのだと思ったら。
それだけで、しんどいときも乗り越えてこられました。
私の心の支えのようなもの、
これを見られただけでも生きていて良かったと思ったもの、
これほどの理想を体現なさるのに培った技術と表現と体力はどれほどのものだったかと思うだけでも、
その努力を慮るだけで
私もまだ頑張れると励まされるような
そんなプログラムだったんです。
世界最高のフリープログラムを
あの日、見せてくださったことに感謝します。
読んでくださってありがとうございました。