「羽生結弦のスケート」が他のスケーターさんたちのものとは違う…いえ、桁違いの実力と魅力があることの理由はいくつも思い浮かぶんですが。


他国選手の「あそこまでにはなれない」というご意見に対して、そうだろうなと苦笑する一方で。


本当に不可能なのか?と考えてしまったんですよね。


そこで今日は、「本当にこれだけのことをやれば、羽生くんのレベルに近づけるか?」という話です。


まあ、持って生まれた資質でかなりのところ篩にかけて落とされる気はするんですが、この際、容姿、体型、柔軟性が羽生くんと同レベルの4歳男子がいて、その子がフィギュアスケートを今から始めたら…という設定にします。


まあ、架空の話なので。


(⌒-⌒; )


…………


○家庭環境


保護者の考え方、家庭内があたたかくて安心できる場所か、兄弟仲はどうか、そういうものはこの年齢の子どもの性格にかなりの影響があるでしょうね。

羽生結弦選手のご両親は、

スケートだけしていればいいとは絶対に言わなかったこと、

競技にお金がかかることを包み隠さず伝えたこと、

これだけでも「全く甘やかしてない」なと思うんですよね。

甘やかされて、競技だけに打ち込んでいればいいとか言われて、学ぶことや誰かを思いやることを疎かにしていては、傲慢になったり隙だらけになったりしますから。

まして、羽生結弦選手の活躍の影には、お姉さんの存在が欠かせないのではないでしょうか。

姉弟で同じ競技をしていたのに、弟のほうが才能があるからと、ご自身がそこから身を引くって…

こんなお姉さんはそうそういないと思います。

そして、その「姉から託されたもの」を受け取ったからこその、家計に負担をかけても自分の競技を継続させてもらっているという意識があるからこその、とことんまで高みを目指す覚悟ができたのではないかと。


○指導者


巡り合わせが最高で、これ以上ないくらいだったかもしれませんね。

基礎は大事です。

そして、その才能を見抜いた、伸ばした、基礎を叩き込んだというだけではなくて。

オリンピックやアクセルジャンプへの意識、音楽への傾倒を表現にまで高められるようなプログラム創りをしてきた指導者の方たちに恵まれたから、盤石の基礎の上に芸術が花開いたのでしょうね。

点数だけを重視して、「今のこの選手に同年代の中での何位以上を取らせたい」に躍起になっているような指導者ならば、跳び方が変でも、回転数の多いジャンプをさせるのではないでしょうか。

また、羽生くんは、音楽のタイミングでジャンプを跳びたいという希求があったのだと思います。

失敗しないということだけを重視するのか、音楽の表現としてジャンプを跳ぶのか、その差は今になって歴然としてきましたよね。


○練習環境


整っていればそれでいい、というわけではないのは羽生くんの経歴を見れば明らかです。

その環境を当たり前と思わずに、感謝する心を持ち続けられるなら、別に練習拠点を一度ならず失うようなことにはならなくてもいいけど。

ありがたみを感じるから、感謝と敬意を込めて毎回リンクに礼をして入り、出ているのでしょうね。


○学習能力


他の選手たちとの差が最もあるのはここで、だから、ここの差を埋めることが可能なら、かなり近づけるのではないでしょうか。

羽生くんは、プログラムやスケートに対しても相当学んでいるのだろうなと思います。

体の使い方、メンタルコントロール、コンディションの整え方なども、ご自身で学んで活かしてきたものが役に立っているのでしょうね。

また、一見スケートの役に立たないように見えることも、進んで学ぶ、あるいは楽しみながら憶える、それがのちに何かにつながるということもあったでしょうから。

知識を求める、そして自分で考える、その部分に長けているからできることの幅が広いのだと思います。


○努力の質と方向性


練習時間ばかり長くすれば上達できるわけではなくて、いかに効率的に、集中してリンクにいられるか?というあたりも、練習環境が最善ではなくても、考えて工夫して学んだことを活かして、乗り越えてきたのでしょうね。

また、イメージトレーニングの成果は、特にけがなどでリンクに行けないときに役に立ったのではないでしょうか。

柔軟性を維持しながら高難度ジャンプを習得するという、フィギュアスケートの課題のようなものにも挑戦して成し遂げられたのは、努力の方向性を見定められたからなのかな?と。


○目標の設置


当時の世界トップの選手を目標にしたんですよね。

最も強くてカリスマ性があって、ジャンプを失敗しなくて勝ち続けた「皇帝」と。

最も美しくてさまざまなスピンで魅了して、ジャンプのランディングが綺麗な選手と。

その双方を、どちらも欠けることなく。

強さと美しさを兼ね備えることを目標にした…

だから、理想的なスケーターになれたのかもしれませんね。


○結局のところ好きかどうか


はい、ここ大事です。

羽生くんは、スケートが好きでのめり込んだから、ここまでになったんですよね。

金メダルだけが目標なら、それを得たら燃え尽き症候群になってもおかしくないんですが。

まあ、さすがに平昌オリンピックで連覇を達成してからしばらくは、ちょっとそういう感じもあったかもしれないけど。

やっぱり、「好き」は最強なんですよね。


…………


さて、これから出てくる選手たち、羽生くんを見て憧れてきた選手たち、始めたいと思う子どもたちは…


これを25年間継続できるでしょうか?


金メダルという、競技での最高目標を達成してからも、

けがで思うような練習ができなかったりしても、

まして練習拠点に戻ることができずに夜中で1人で練習する期間が長引いても、

試合になれば実力を発揮できるようになれるでしょうか。


か…かなり無理ゲー…


その上、恣意的採点で迫害されたり、

自国のすけれんから冷遇されたり、

メディアハラスメントにあったりしても、

それでも…


(ーー;)


羽生くん

よくここまで

続けてきて

くださいました。

ありがとうございます。

届けてくださったスケートは、

一生の宝物です。

読んでくださってありがとうございました。