フィギュアスケート界の歪みの原因は、いくつかあると思いますが、
①プロ>アマの図式が成立していない
②オリンピック金メダリスト=スターという幻想が蔓延っている
③試合やアイスショーで高額のチケット代が当然だという認識がある
④観戦者を保護者のように思っているスケーターが多い
⑤ISUと各国のスケート連盟はWADAに協力してドーピングのないクリーンな競技にしようという意識に欠けている
というあたりが、主なところなのではないでしょうか。
では、一つずついきます。
①プロは本来なら、どんな競技に於いてもアマチュアよりも高いレベルですよね。
高校野球で優勝しても、プロ野球選手になれるとは限りませんし。
テニスやゴルフのインターハイやインターカレッジ優勝者がそのままプロになるというわけではないし。
ユース五輪で活躍した選手たちがそれぞれの競技のトップとして、プロになるという感じでもない気がします。
プロのアスリートは個人事業主のようなもので、野球やサッカーならチームに所属することはあるだろうけど、成績が悪いと契約を切られることもあり得るわけです。
アマチュアでどれだけ活躍してもプロの世界で通用するかどうかの保証はないし、プロ選手のトップとアマチュア選手との間には実力もかなりの差があるのが他の競技の常識なのではないでしょうか。
それなのにフィギュアスケート界ときたら、プロに対していつまでも「まだ競技でも成績が出せるのに」もったいない、という論調のまま。
いい加減、アマチュアのトップよりもさらにレベルの高いプロ、その中でも「他のスポーツ、芸術、エンタメと比較しても高レベル」なプログラムを見せられるのがプロのトップ、という認識になってもらいたい。(該当するのが現在のところ羽生結弦選手しかいないのが問題だけど)
②オリンピック金メダリストが即スターになるという幻想も、そろそろメッキが剥がれてきてるのでは?
逆はありますけどね、スターが金メダル獲得したことのある方だ、というのは。
では、日本のアイスショーによく来る…「日本で大人気の」とアナウンスしてもらえるスケーターさんたちで、金メダリスト以外はどれくらい思い浮かびますか?
ランビエールさん、バトルさん、キャンデロロさんなどはまだ、金以外のメダルを取ってますけど。
ジェイソンくんやラトデニくんは世界選手権のメダルも取ってませんよね。
いや、そもそもスターというのは、アイスショーに呼んでもらうほうじゃなくて、主催する側にならないとおかしいのであって。
日本では、プロのスケーターさんが主催するアイスショーは、羽生くん以外は荒川さんのFrO Iと真央さんのサンクスツアー…すみません、今はBEYOND?くらいでしょうか。
北米やヨーロッパでは、どなたかがしてるんでしょうか、ねえ…
知らんけど。(^◇^;)
③試合やアイスショーのチケット代は、高額なわりには満足度はそんなに高くなかったり、サービスが行き届いてなかったり、いつまでも転売屋が蔓延ってたりしてます。
そして、ファン(観戦者)の要望に応えているのが、羽生くん主催のアイスショー以外には思い当たりません。
高額なのにサービスが悪いって、どんな殿様商売なんですか?
そんなもの、アイスショーならエンタメの、映画や舞台劇やミュージカルやコンサートと、試合ならスポーツの、野球やサッカーやテニスやゴルフと、「満足度に応じたチケット代」で競合していけないと、話になりませんよね。
④それもこれも、スケーターさんたちが観戦者を「応援してくれる身内」感覚でいるのが、根本的におかしいんです〜
どれだけあたたかく拍手や手拍子で励ましてくれても、観戦者はお客様です。
それだけの対価を払っても見たいと望んで、チケット代以外にも交通費その他の出費込みで、観戦しているのに。
「来て良かった」と思わせるプログラムを見せられるかどうか?を自身に問いかけるスケーターさんが、どのくらいいますか?
⑤に至っては、もう、平昌オリンピックのときはまだ、フィギュアスケート以外の競技でのドーピング問題で、OARだか何だかになっているけど出場できて良かったねと思ってましたけど。
北京オリンピックはもう、完全にアウトでしょう?
ナショナルであっても、代表選考会なんだし。
そもそもオリンピックの数ヶ月前に違反していたわけなのに、年齢でいつまでもグズグズと。💢
そんなもん、ROCとやらで、お情けで出場させている国から1人でも(1年以内に)違反者が出たら、その競技の選手たち全員を失格にするくらいじゃないと。
なのに、(戦争のことがなければ)世界選手権への出場も許可する予定だったとか…
ふざけるな‼️
ルールを守る気のない競技だというのが、丸わかり。
だからWADAに対しても、その自国組織であるJADAに対しても、おざなりの対応で…
復帰した選手に、そこへの出場資格認定への確認をしなさいという指導もせずにいたんでしょう?
そういえば、他の選手が復帰したときは、記者会見の半年後よりも前に開催された全日本選手権には出場してましたね。(記者会見は7月、全日本は12月)
それは良かったんですか?
…………
プロの世界は厳しい。
スポーツとしても、芸術としても、エンタメとしても、競合する相手はそれぞれが自分たちの生き残りを懸けているんですから。
映画はTVに押されて斜陽化してたところから盛り返したりとか、
野球はサッカー人気に押されていたけどWBCで盛り上げたりとか、
芸術は敷居が高いと思われないようにしていこうとか、
それぞれが工夫して努力して集客に繋げようとしてるのだと思います。
フィギュアスケートは高額なチケット代に見合うものを提供できてますか?
羽生結弦選手の東京ドームGIFTは、どのスポーツとも芸術ともエンタメとも、競合しても生き残れるクオリティでしたよ?
他のアイスショーや試合はどうなんでしょうね?
知らんけど。
…………
プロのスケーターとしてエンタメの世界で生き抜くには、アマチュア選手たち以上の実力と魅力がないと。
それができるスケーターさんたちが、羽生くん以外にも出てきて…
プロ>アマが当然だという認識のもと、金メダリストが即スターというわけではなくなって…
試合に出場することよりももっと過酷な「競合相手は全てのスポーツ、芸術、エンタメ」という中で勝ち抜けるのがプロ、というのがスケート界でも常識になって、初めて…
試合での採点がもっとまともになって、
あいえすゆうの特定の国の推しへの贔屓がなくなって、
すけれんのやり方も良い方向に変わることができるのではないでしょうか。
(スケートリンクへの支援もしっかりせんかい)💢
プロが最高峰、アイスショーが他のエンタメと競合できるレベルになる。
そのための、迂遠な道をお一人で開拓していく
羽生結弦選手
に、賛同者や協力者がもっと集まってくることを望んでいます。
新たなアイスストーリーまで、あと6日。
羽生くんが健康で、思い描くスケートができますように。
読んでくださってありがとうございました。