もしもあなたが初めて見た競技に興味を持ったら。


そして、その競技に応援したいと思う選手がいたら。


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「もっと知ってもらいたいです」

「競技の普及に役に立てれば」

「好きになってくれたら嬉しいです」


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サッカー、テニス、ゴルフなどのメジャーな競技はともかく、オリンピック以外はその競技のファンくらいしか見ないようなマイナーなものだと、よく、オリンピックなどで口にする言葉があります。


「もっと知ってもらいたい」という意味のことです。


知ってもらうというのは、競技普及の第一歩なんですよね。


全くわからないままでも好きになれるということは、滅多にありません。


そしてその滅多にない状況のうちの1つが、「競技はわからないけど魅力的な選手のことは好きになった」というパターンなのではないでしょうか。


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たいていの競技は、競技人口やファンを増やすために、よりわかりやすく公正な競技になるように努力しています。


勝敗が決まる瞬間のスローリプレイ映像などは、観戦者全員が固唾を飲んで見守って、結果に納得するという流れになったりとか。


審判がルールや状況の説明を行って、ファンが新たな発見をするとか。


そういうときに、競技の醍醐味を感じるのではないでしょうか。


翻って、フィギュアスケートはどうでしょう。


寡聞にして私は、採点や評価の説明をジャッジ(もしくはレフリーやテクニカル)がしたことがあるのか、存じません…


それでなくても採点方法が複雑で、不明瞭で、納得いかないことが多いのに。


説明せずに放置しているんですよね…


これで競技のファンが増えると思う根拠があるのでしょうか?


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私はカルガリーオリンピックの伊藤みどりさんからフィギュアスケートを見始めましたけど、競技を全く見なかった時期もありました。


リレハンメルオリンピックのあと、トリノオリンピックのシーズンまでは、妊娠・出産・育児で手一杯でした。


長野もソルトレイクも見た記憶がありません。


また、みどりさんがいない女子シングルに、物足りなさを感じてもいました。


それが、義母がフィギュアスケートを見ていたものですから、2005年のGPFを一緒に見たんですよね。


あの、浅田真央さんが優勝した試合です。


年齢制限でトリノオリンピックには出場できないということでしたが、楽しみな選手が出てきたなと思ってました。


トリノ、バンクーバーと見て…今度は「クワドを決めた男子、3Aを決めた女子が、それを跳んでない選手に負けた」という納得いかない結果に失望して、見なくなりました。


ソチオリンピック前に、さすがにちょっとは見ておこうかなぁと…それが福岡GPFで、まっ逆さまに羽生くんにおちました。(⌒-⌒; )


そしてずっと応援してきて、昨年7月の羽生くんのプロ転向に伴って?競技を見ることから卒業しました。


思えば、私がフィギュアスケートを見なくなった原因は、

みどりさんが出場しなくなったから、

採点に失望したから、

という2回があっての今回だったんですね。


応援したい選手が出場しなくなって魅力が半減した(その頃に出産・育児が重なって時間に余裕もなかった)のと、競技自体への疑惑で拒否反応になってしまったのと。


それが今回は、その両方が重なったわけですから…


羽生結弦選手のプロ転向と同時に、私も競技を見ることを卒業したわけです。


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ここ数年のフィギュアスケート界は、あれだけ採点が迷走していたのに、競技は常に注目され話題になってました。


その全部が羽生くんの功績とまでは言わないけど、かなりの部分を占めていたのではないでしょうか。


そしてその羽生くんが出場しなくなったことで、試合の魅力がどこにあるのかわからなくなってしまったのかもしれませんね。


競技について熟知してるわけでもなく、また、熟知していればかえって採点にストレスを感じ、応援している選手がいても正当に評価されるかどうかわからず、納得のいかない得点や順位が表示される…


普通なら知れば知るほど競技自体に愛着を感じるはずなのに、愛想尽かしたくなる…


これでは観戦者が増えるはずがありませんよね。


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東京ドームに集まった35,000人と、入りきれずにライブビューに行った30,000人…


配信を見た方たちを含めたら、どれだけの人数になることか。


そしてそれは全て、

羽生結弦選手の

スケートを

見たいと望んで

課金したファン

の人数だということです。


オリンピックのように、TVをつけたら無料で見られるものじゃないんです。


競技にではなく、羽生くんのスケートに魅力があったから、フィギュアスケートが話題になり注目されていたんですね。


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内村さんが体操をもっと知って欲しい、普及していきたいとおっしゃってました。


羨ましいなと思いました。


羽生くんは今の状況では、フィギュアスケートに対して同じことは言いにくいでしょうね。


知れば知るほど矛盾や疑惑を感じる採点に、明確な答えを提示できないままでは…


読んでくださってありがとうございました。