マジカルモーメントとスタンディングオベーションは、似ているようで違うと思います。
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フィギュアスケートの試合を学芸会などと言うような感じにはちょっと苦手だと思うこともありますが、あながち間違ってはいないのかもしれないんですよね。
要は、保護者会感覚の観戦者が多いということです。
「失敗せんと全部できたね」
「練習の成果が出ていた」
「頑張って良かった」
そういう、あたたかい目で見てあげる「近所の人」とか「同級生の親」ばかりの空間であることが、わりとありませんか?
特に、地方のブロック大会や国体、学生選手権などという、「日本代表選考」ではない試合では。
まあ、ジュニアやノービスの選手たちであれば、まだ「そのプログラムや実施の良いところを褒めてあげたい」で構わないかもしれませんが。
選手たちがある程度以上の年齢になってからも、同じような感覚で観戦していると、あまり本人のためには良くないかもしれないな、と思うことがあります。
全日本選手権などで良かった、拍手もスタオベもしてもらえた、そのときの感覚が「良い思い出」に収まらなくて、もっと自分はできるんじゃないか?と思う場合もあるかもしれないので。
あと1年、あと1年と競技から離れるタイミングを逃してしまったり、それで学業を終えても就職できなかったりということになっても…
家族は厳しいことも言えずに、その道のプロになるだけの力量も得られないまま、中途半端に続ける選手たちが増えることになっても…
それは今後、どうなるのでしょうね。
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息子たちが通っていた小学校では、毎年音楽会がありました。
最初にブラスバンド、1年生、2年生…と学年が上がっていって、大トリが6年生です。
ええ、合唱も合奏も学年が上がるごとにレベルも上がっていって、聴きごたえのあるものでした。
当然、ブラスバンドの演奏も、また、各学年の音楽も良かったと思って拍手するわけですが…
では、その音楽会を「我が子が卒業したあとも聴きに行くか?」と尋ねられたら、どう答えるでしょうか。
「素晴らしい合奏だった」
「昨年より成長した」
「来年はもっと良くなっているだろうな」
とは思っても、自分の子が在学してるうちでなければ、なかなか足を運ぶことはないでしょうね。
もともと「在校生の保護者」以外には行けない、という場合もあるでしょうけど。
学区内のどなたでもお入りくださいと言われたところで…
よほど聴きたい曲があったり、よく知っている子どもが出るのでなければ、行かないのではないでしょうか。
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そういう音楽会であれ、文化祭であれ、中には「これはなかなかの実力の持ち主」と鑑賞者に思わせるような生徒さんもいるでしょう。
でも、だからといって、その生徒さんが実際にその道に進めるか、そしてプロになれるか、その中でも成功できるか…
「これはなかなかの」という実力者ばかりの中でもさらに抜きん出た存在になれるか、というと…
おそらく、そこまでの才能は感じていないのではないでしょうか。
それでも、学校の文化祭などであれば、「とても良かった〜」という拍手と賞賛は、わりと手に入れられるのだと思います。
フィギュアスケートの試合からも、それに似たものを感じませんか?
とても良かった、拍手喝采〜というような…
「マジカルモーメントとまではいかないけど、ノーミスの素晴らしい演技だったとき」なら本人の手応えと共に、拍手とスタオベまではしてもらえる可能性がありますよね。
でも、そこで勘違いしてはいけないんです。
あくまでもそれは、アマチュアの選手の頑張りに対してのものなので。
プロになればもっと厳しい目にさらされるのが、スポーツでも芸術でも娯楽でも、当たり前のことなので。
フィギュアスケートでは有力選手たちは強化費が支給されたり、成績によって賞金がもらえたり、アイスショーの出演料がもらえたりしますよね。
でも、アマチュアはあくまでアマチュア、プロが求められるレベルはそれよりも遥かに高い。
それが当たり前になってもらいたいものです。
試合でスタオベしてもらえた、EXも出られた、そこでも拍手してもらえた→同じことをしたのに、アイスショーではそんなに褒めてもらえないのは何故?ということになっても、それは…
「お金を稼ぐ立場になれば、要求されるレベルも上がる」からなので。
それで、また試合が恋しくなったとか、現役に戻るとかいうスケーターさんも出てくるのでしょうね。
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羽生くんのプロローグは、どういうものになるのかわかりませんが。
一つ、とても心配していることがあります。
最初から最後まで羽生くんということは、休憩時間以外にトイレに行けないんですよね。
我慢して膀胱炎になるとか、水分補給をやめて脱水症状になるとか、そんなことになってしまわないように配慮してもらえればと思います。
あと、こんな妄想をしたんですけど…
ちょっとそれはどうなのよ?というものなので…
それでも構わないと思う方だけ、下までどうぞ〜
読んでくださってありがとうございました。
羽生くんと宮川くんの指切り。
「アイスショーに来てね」だったりして。
宮川くんは観に行くつもりで承諾して、羽生くんは歌ってもらうつもりでお願いしていて。
「え?歌うの?」
まあ、そこは宮川くんもプロですから…
でも、客席を見渡すと、これまで羽生くんのプログラムに関わった音楽家さんたちがずらりと〜
「このメンバーの前で???」
ヒエ〜っっっ
ということに。
などという、しょうもない妄想でした。
(あの世から観に来られた、サン・サーンス、ショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフ、プリンスなどのご霊体含む)(敬称略)
ヒエ〜っっっ