あり得ないエピソードGPF編です。


GPSも含めてます。


まず、GPFってどういう試合?


って、すぐに説明できますか?


私は、システムを理解するのに数年かかりました。(^◇^;)


そして、知ったあとは、これは本当は「ナショナル以外の代表選考にもなる試合」という位置づけなのかもしれないと思ったんですよね。


まあ、有力な選手が1人しかいないとかなら別ですが、たいていの強国は世界選手権の出場枠よりも多くの有望な選手を抱えています。


現時点での日本のペアなんて、かなりの異例ではないでしょうか。


そうなると、ナショナル一発勝負では、本当に実力のある選手を選べるかわかりませんよね。


GPFはGPSで2試合とも好成績をおさめないと、出場できません。


GPFのメダルは、3試合続けてコンスタントに高レベルのパフォーマンスができないと、取れないでしょう?


その分、下剋上も起きやすい大会ですし、同国から4人以上出場することもできますよね。


色々な意味で、他とは違う国際試合という気がします。


あと、ナショナルではあまり好成績ではなかった選手でも、国際試合ではこういう評価をもらっているというバロメータにもなるのでは?


…………


あかん、なかなか羽生くんの話に行かへんがな。


…………


羽生くんが優勝したGPFは2013〜16の4連覇ですよね。


それがまた、それぞれに違うドラマがあるんです。


2013年はGPSで2大会連続、当時世界選手権3連覇中のPチャンさんと同じ試合でした。


これはもう、当時まだファンではなかった私からしても、何でやねん?案件ですが。


逆に考えると、そういう試練をくぐり抜けてきたからこその強さを(強敵と当たらないように配慮してもらえた選手よりは)身につけられたのかもしれませんね。


また、どうやったって、GPFで優勝するには強敵と対戦しないといけないわけですから。


そしてそのシーズンは、オリンピックもあったんですから、強敵を避けて通りたいというのでは、なかなか大願成就にはほど遠いでしょうね。


実際のところ、この2013年GPFで優勝してなかったら、羽生くんがソチオリンピックで金メダルを取れたかどうかわからないと思うんです。


GPFのSPで世界記録を出した、フリーでも自己ベストを更新した、その印象というか…


「大一番に強い」というイメージと、「急成長中の若手」が世界王者に勝ったというインパクトは、相当なものだったのではないでしょうか。


…………


2014年のGPFはもう、出場自体がそれこそGPSの時点で「無理じゃないか?」と思われるほどのアクシデント。


シーズン初戦となったGPS中国杯で、フリー直前の6分間練習で衝突して…


出場は無理だと思われる中フリーをやり切って、転倒5回でも何とか2位に。


怪我が治り切らない中でのNHK杯では、表彰台を逃して…


GPF出場は無理かな?と思ったのに、6人目の出場枠を手に入れたんですよね。


そしてあのGPFのフリー、オペラ座の怪人。


「これが羽生くんのファントム❣️」と思ったんです〜


いやー、身体は大丈夫か?という心配なしに見られたオペラ座は、これが最初でしたから。


あの4Tの音ハメはめっちゃカッコ良かった〜


…………


2015年はGPSの2戦目、NHK杯でド派手〜な点数の壁粉砕‼️


のあとの、GPFでしたから。


もう、世界中が注目してたのでは?


そこでの、SP、フリー、合計得点全てでの世界記録更新。


いやー、圧巻でした。


このシーズンのSPバラード第1番とSEIMEIは平昌オリンピックでも金メダルを獲得して、2020年四大陸選手権の優勝も得たプログラムです。


羽生くんの代表作が何なのか?と問われたら、いくつも挙げたくなるんですけど。


少なくとも10のプログラムを挙げて良いなら、この2つは入ると思います。


SP110.95、フリー219.48、合計得点330.43。


これは平昌オリンピック後にルール変更になったときに、それまでの得点の記録として残ったもの、ヒストリカルレコードです。


…………


2016年には羽生くんは、世界初の4Loを成功させました。


ところがこれがなかなかのクセモノでして…


4Loと4Sの両方を決めることができなくて、SPで出遅れたりフリーで後半の4S-3Tに手こずったり。


まさに難攻不落。


手に汗握る展開、毎回のように「決めてくれ〜」と叫びながらの観戦。


いやー、まさか、オリンピック金メダリストになってから、こんなに毎年ジェットコースター的な応援になるとは…


このシーズンのフリーはヘルシンキ世界選手権のものが最高でしたが、SPはGPFのものが最高だったと思います。


エッジ系クワド2本を入れたSPは、このLET'S GO CRAZYだけ。


たぶん、羽生くん以外のスケーターさんを見渡しても、エッジ系クワド2本のプログラムは他にないでしょう。


この、レツクレさんで手繰り寄せたのがGPFの勝利、男子では唯一のGPF4連覇達成です。


…………


何ですか、これは。


羽生くんがGPFに出場したのはまだあるし、優勝できなかったときのものはここには書いてないのに。


何だってこんな波瀾万丈、驚天動地の大展開になっているんでしょう〜


下剋上とか革命とか、そんなイメージになってしまいます。


オリンピックにとって羽生くんが申し子で、世界選手権にとっては風雲児なら。


GPFにとっての羽生くんは、改革者だったのかもしれませんね。


読んでくださってありがとうございました。