両立は困難。
学業とスポーツ
自尊心と謙虚さ
高難度ジャンプと柔軟性
挑戦と完成度
可愛さとカッコ良さ
芸術と娯楽
他者への優しさと自身への厳しさ
美しさと品行方正
影響力と清廉潔白
天賦の才と弛まぬ努力
全て両立…
というか、全部成立させている方を。
知っている人、手を上げてー
「はーい♪」
…………
体操で、内村航平さんが特別な存在であるのは、挑戦と完成度の両立をなしえてきたからなのではないでしょうか。
採点競技の宿命「難易度か完成度か」に対して、その両方を高いレベルで実施してきたからこそ、長年「キング」でいられたのだと思います。
内村さんの後継者になり得たはずの白井くんは、完成度重視の採点になった途端失速したように感じます。
…………
フィギュアスケートではどうでしょうか。
トリノ、バンクーバーあたりでは完成度重視だったと思います。
その後、挑戦に対して少し厳しさが薄れたかな?
ただ、体操との決定的な差は、体操は減点方式だということだと思います。
失敗すればするほど大きく減点されますよね。
一方で、成功した技がどれほど素晴らしい出来だったとしても、それで補うことはできないわけです。
私は内村さんのカッシーナがとても好きなんですが、どの瞬間どの位置から見ても美しい実施がされていても、それで他の選手たちと得点ではそれほど差がつかないこともあったでしょう。
体操のジャッジの方たちは、そういう、「技の美しさを評価する」ことが採点ではできなかったとおっしゃっていたようです。
翻って、フィギュアスケートはどうでしょう。
GOEというものは、その「技の美しさを評価する」ために使えるものだったはずです。
減点方式は、いうなれば「できたか、できなかったか」なんですよね?
GOEは、どのくらい基準を満たすクオリティで実施できたかをプラスで、どのくらいの失敗だったかをマイナスで、それぞれのエレメンツを評価できる方法だったんです。
なのに、クオリティを上げても高く評価されるかどうかはジャッジ次第。
多少疑問に思うエレメンツの実施でも、どのくらい減点されるかはジャッジ次第。
これでは、競技が成立しませんよね。
…………
GOEでプラス最大値を。
PCSで満点を。
ジャッジがくれなくても、自分のスケートでそのクオリティを目指す。
その、孤高の天才のスケートだから、羽生くんは世界を魅了してやまないのでしょうね。
読んでくださってありがとうございました。