羽生くんがメガスターで、世界中から大絶賛されているのは皆さまご存知の通りですが。
ではこれまで、自分が「そのスポーツ、あるいは芸術、何かの分野で活躍してる人」の中で一番応援してるのが外国人だった、という経験はどのくらいありますか?
羽生くんが日本以外の国で、国内の選手以上に応援されているという現状は、とても稀有なことのように思います。
ましてや、これまでその競技を知らなかったのに、誰かのファンになったから観るようになったなどということは、どのくらいあるんでしょうね。
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夫は内村航平さんを応援してますが、外国にまで内村さんのファンがいるかどうかはわからないそうです。
それはそうですよね。
たいていの場合、自国の選手たちを応援するものです。
たまに、「自国の選手(やチーム)以外と対戦するときは応援しようかな」とか、「自国の次に応援したい選手がいる」というのはあるかもしれません。
フィギュアスケートでいうなら、羽生くんが優勝するときに一緒に表彰台に乗って欲しい選手が外国人ということもあり得る、みたいな。
ヨーロッパ選手権だとこの選手を応援したいな、とか。
けれど、自国の選手がどうであれ関係なく、とにかくその選手が活躍するところを見たいと思うこともないわけじゃないでしょう?
体操なら、思い浮かぶのはナディア・コマネチさんです。
陸上なら、ウサイン・ボルトさん。
野球なら、ベーブ・ルースさん。
その競技の顔、代表者、この選手には誰も敵わない、そう諸外国からも思われるようなアスリート。
でも、それで夢中になって、それまで興味がなかった競技をそれ以降ずっとチェックして、その選手が出場する試合を心待ちにして、なんなら現地観戦まで考えるような…
それほどの熱量で応援したでしょうか?
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サッカーやテニス、ゴルフといった、世界的にメジャーな競技には、スター選手も多いことでしょう。
ですが、そういう競技に、国境を越えて応援しようと思うファンがどのくらいいるのか、わかりません。
サッカーなんて、どうしても、ワールドカップなどでは自国応援になってしまうのでは?
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また、その国にまだ有力な選手がいないから、羽生くんのファンが多くなった国がある…
というのも、よく考えてみたら、普通じゃないんですよね。
自国の選手が活躍しない競技なんて、たいてい見ませんから。
日本では野球が盛んですけど、クリケットは似ているスポーツなのにほとんど知りませんし。
バレーボールと似ているセパタクローは、いつのか憶えてないオリンピックで一度見たきりです。
自国で盛んな競技、自国の選手が国際試合で活躍する競技というわけではないのに、羽生くんを観たくてフィギュアスケートの試合をチェックする…
そういう、フィギュアスケートにとっての「ご新規さん」のファンが増える、これこそメガスターだと思うんですよね。
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日本を含めて各国スケート連盟が、(羽生くん以外の)スターを作ろうと躍起になってますけど。
競技の公正で厳密な採点がなければ、羽生くんを入り口に来たご新規さんが競技ファンにはなりませんよね。
持続可能性社会というキーワードからいっても、次のスターを作ろうとするのではなく、競技自体のファンを増やさないことにはどうにもならないと思うんですが。
羽生くんという輝かしい方がいるうちに、採点を公正化して競技ファンをガッチリ掴まないといけないのに。
そのあたり、そろそろちゃんと考えて…
まともな方向に進んで欲しいのですが。
欲に駆られた、虚栄心の強い人たちを改心させるのは、難しいのでしょうね。
あー、もったいない
読んでくださってありがとうございました。