羽生くんの劇的勝利‼️

2015年GPF編です。

前年に引き続き、バルセロナの会場でした。

男子の出場者は、羽生くん、フェルナンデスさん、Pチャンさんと、3年間の世界王者が揃い踏み。

そこに、怪我からの復活を前年度のNHK杯で果たして、GPS2試合で表彰台に乗り、初のGPF出場となった村上さんと。

シニアデビューでGPFまできた宇野くんとボーヤンくん。

という、豪華でありながらバラエティに富んだメンバーで、見応えある試合になる…

はず…

だったのにっっっ

羽生くん以外は、SPで。

えー…その…

小さなミスがあったり、ザヤック抵触でかなり低い得点だったり(解説していた織田さんが、「あっ」て言うててん。織田さん、自分以外のことはわかるの?と、めっちゃツッコミ入れたくなったわー)、おーい、もともと自己ベストも羽生くんに届いてないのにミスしたら、差が開くばかりになりますよー

という感じでした。

いやー、それもこれも、その直前のNHK杯で。

羽生くんがド派手〜に、点数の壁を破壊しちゃったもので。

皆様、「優勝するための目標の点数」への意識が変わって、緊張していたのでしょうか?

当時、男子SPは。

羽生くんがソチオリンピックで100点の壁を超えたけど、その後(本人も含めて)誰も超えられずにいましたよね。

それが、2015年NHK杯で、羽生くんが今度は105点の壁も超えたんです。

クワドを何本フリーに入れるかは、その選手によってまちまちですけど。

少なくとも、SPで10点以上の差がついたら、挽回するのは難しいですよね。

そうしたら、羽生くんがNHK杯同様の点数をSPで取ると想定した場合、95点以上は必要になるわけです。

5点以内で追うとすれば、100点以上が必要になりますし。

でも…

当時、それぞれが自己ベストを出さないと、100点には届かないわけでしたので。

う〜ん…

まあ、そういうことです。

おまけに羽生くんてば、ここでさらに世界記録更新してしまいますし。

110.95‼️

どうするんですかこれ。

他の選手たちはどうすればいいんですかこれ。

誰も100点の壁を超えられてないのに、羽生くん1人が105点の壁も110点の壁も超えちゃったんですけど。

さらに高く聳える壁…

いや、でも、青天井なんて言われたけど、天井がどこかはこの頃見えましたよね。

SPだったら、単独クワド、単独3A、4-3で、全部後半に跳んでGOEとPCSで満点なら、そこが天井です。

それより上にいくには、4Aをどこかに入れないと無理です。

(4-3のクワドを4Aで?無理でしょ、さすがに)

羽生くんの次の滑走だったフェルナンデスさんも、やりにくかったでしょうね。

世界記録のすぐあとなんて、滅多に経験できませんし。

でもこれで、フリーでは羽生くんが最終滑走になりましたから。

おまけにこの点差、誰がどうやってもひっくり返すのは無理なのでは?

だったらとにかくこの試合は、ベストを尽くして台乗りできれば…

なんて感じに切り替えられたのか?

フリーはそれぞれ、良かったと思います。

けど、羽生くんは、もう…

219.48点を叩き出して、合計330.43。

独走?

一強?

言葉を失うとはこのことです。

…………

もしもこの試合で羽生くんが、あまり出来が良くなかったら。

SPで100点、フリーで200点、ギリギリで超えるくらいの得点だったら。

(その、300点を他のスケーターはまだ超えられずにいるのに。あまり出来が良くなかったらというたらればでも、羽生くんならそのくらいという想定するのって…)

その後の試合で、あれほどまでに採点で「頭を押さえられる」ことにはならなかったんじゃないか?

と、何度も思いました。

このときの330.43が、「羽生結弦の独走を何とか阻止しないと」と、あちらこちらの陣営に思わせてしまったのではないでしょうか。

何しろあの、「どうやっても2度と届かないであろう」と思われていたNHK杯の322.40を。

僅か2週間で軽く超えてしまったんですから。

羽生結弦が
羽生結弦を
超えました‼️
ええ、羽生超えですとも、間違いなく。

それも、言ってみればアウェイであるはずのバルセロナで。

このGPFまでは、まだ、多くの人の心にこういう考えがあったと思うんです。

「NHK杯は日本開催だから」

「生涯最高の演技を、オリンピックでも世界選手権でも、GPFでさえない試合でしてしまうなんて」

「あれを超えるには、クワドをもう1本増やしてノーミスじゃないと無理だろう」(そんなことはできるわけがない…という予測込み)

「ライバルの国でも、あそこまではいかなくてもそこそこの出来でやれば勝つことは不可能じゃないけど」

……………………とか?

それがまあ、どうですか。

軽く超えて、さらに引き離して、おまけに。

「1回だけ、生涯最高の演技をした」のではなくて、「これが羽生結弦の実力だ」と世界に見せつけたわけですから。

独走状態の羽生くんを何とかしないと、どうやっても勝ち目がない。

という見解だけは一致したのでしょうね。

…………

羽生くんの劇的勝利‼️

の話のはずなのに、なぜこんな余計なことまで書いたのか?

それは、ここでそういう「羽生結弦独走を阻止しろ」的な動きがあったからこそ、また次の、そしてまたその次の、劇的勝利‼️に繋がったと思うからです。

アウェイであるはずのバルセロナで。

馴染みのないであろうSEIMEIというプログラムで。

2週間前に、超えるのは不可能だと思われた世界記録をさらに更新して。

劇的勝利を掴んだだけでなく。

次からの「乗り越えるべき逆境」までできたんですから。

まあ、このときに、「次のオリンピックもその次のオリンピックも、羽生結弦一強でも構わないよね」と、多くのスケート関係者が考えていたとしたら。

このあとの全ての試合で羽生くんが勝っていたかもしれません。

代わりに、その勝利は劇的ではなく、ここまでファンが増えることもなかったかもしれないんです。

敵の注意を引き寄せても、それを自分の糧にしてしまう。

まさしく、転んでもタダでは起きない。

これこそ、メガスター。

そしてその、メガスターの輝きが恐ろしいほどの光を放ち始めた、劇的勝利🏅‼️でした。

読んでくださってありがとうございました。