介護の話です。
このところ、「名もなき家事」というものについて、主婦…というか、既婚女性、家事労働担当者から声が上がるようになってきましたね。
介護も実は、そういう細々とした準備や片づけがたくさんあるんです。
何も、立ち上がりを支えたり、トイレの介助やオムツ交換することばかりが介護じゃないんです。
介護施設でスタッフさんがどのようにお世話してくださっているのかは、私ではわかりませんので。
そういう施設を利用しながら自宅で介護している立場の人間の話として、読んでください。
まず、デイケアやデイサービス、ショートステイを利用するときには、持ち物の準備をします。
その施設によって違うこともありますが、だいたいこんな感じです。
着替え、タオル、バスタオル、リハビリパンツ、パッド、コップ、歯ブラシ、食事用エプロン、内服薬。
ショートステイだとそこに、着替えをさらに追加して、あとはパジャマ、ティッシュ、入れ歯ケース、入れ歯洗浄剤、クシなども持って行ってもらってます。
ショートステイの持ち物はリストの記入も必要です。
連絡帳などもあります。
持ち物には全て名前を記入します。
あと、雨が降ったら(車椅子用の)レインコートを着てもらうとか。
利用日の朝の体温を計るとか。
今ならマスクの用意もしてます。
そして帰宅したら、車椅子のタイヤや靴の裏などを拭かないといけないし、洗濯物もあります。
ケアマネさんとの打ち合わせ。
通院や往診の対応。
もっと細かくいうなら、食事の用意も考えなくてはいけませんし。
消耗品の補充もしておかないと困ります。
リハビリパンツ、オムツ、その両方のパッド、ウェットティッシュ、お尻拭き、入れ歯洗浄剤、服薬ゼリー。
夕食後ははずしてもらった入れ歯を水ですすいでからケースに入れて、洗浄剤につけておくとか。
毎食後は服薬ゼリーに内服薬を入れて服んでもらうとか。
おしぼりで手元や口元を拭くとか。
細々としたことがあるんですよね。
入浴はデイサービスなどにお願いしているので、私は自宅ではその介助はしてません。
その分は楽なんですけどね。
このところ、認知症のような状態になることも時折あるので、その対応もしないといけません。
高齢者あるあるなのでしょうけど、食事をしたかどうかの記憶が曖昧なようで。
あまり生活サイクルを変えたくないので、毎朝私たち夫婦と一緒に、7時くらいから朝食にしているんですけど。
休日だと、息子たちがそれより遅くに朝食を食べるので…
義母もそのとき自分もご飯を食べるものだと思い込んで、台所に来たりするんです。
自分の朝食はもう済ませたということを納得してもらえるように話す…これも、名もなき介護のうちに入るのかも。
また、もともと何でも自分でしようとする意欲があるので、衣類をあちこちに移動させてしまうことがありまして。
デイに持って行ってもらう予定だったものが(私が置いたところになくて)見つからなくて困るとか。
準備したデイサービス用の鞄の中身を出してしまって、別の(持って行くものではない)ものを入れておかれたとか。
あるんですよね。
送迎車が来る時間帯直前とかに持ち物の不備に気づいたら、こちらが慌ててしまいます。
保険や助成サービスの申請もしないといけませんし。
医療機関にかかるときには問診票も私が書きます。
そういった細かいことをしないといけないという意味でも、介護が必要になったときには、余裕を持っておくほうがいいと思います。
自分ができるギリギリ目一杯の状態から負担が増えると、大変でしょうから。
そして、介護は負担がだんだんと重くなるものです。
要介護度は、軽くなることは滅多にありませんし。
現状維持していても、あるとき突然に、あるいは徐々に、できないことは増えていきますので。
義母も90歳になりました。
ますます体は動かせなくなっていくでしょうし、認知症も進むかもしれません。
でも、生きているからこそ、孫たちが全員成人するのも見られたし、ひ孫(夫の姪の子)も見られました。
生きていて良かったと義母が思ってくれているなら、それなりに私がやってきたことも甲斐があったのだと思います。
高齢化社会の日本では、これから私のような立場になる方は多いでしょう。
また、自分が介護される立場になる方も。
一人一人の負担があまり重くならないように、介護サービスを利用していけたらいいなと思います。
お世話になっている介護関係者の方々に感謝します。
読んでくださってありがとうございました。