息子たちが就職する前。
大学を受験する前。

進路について、このように話したことがあります。

「好きなことをやりたいのか、得意なことをやりたいのか、どういう道に進むのかちゃんと考えて決めや」

好きなことと得意なことというのは、似ているけど違いますよね。

学業でいうと、楽しい面白いもっと知りたいやりたいと思うのが好きなもので、成績が良いものが得意なものです。

ただ、他者との比較で得意だと思えるものは、よほど嫌いでない限り好きなことに入るのではありませんか?

私はこのあたりの自己分析がきちんとできてなかったので、得意なものを好きだと、苦手なものは嫌いだと思い込んでました。

もったいないことをしたものです。
得意なものを好きだと思い込んでいたのは、まだいいんですが。
他者より劣るからといって、それを嫌いだと思い込むなんて。

かなり、人生で損をした気分です。

なので息子たちには、自身をしっかりと見つめて、得意なことと好きなことを秤にかけて進路を決めて欲しい。
そう思いました。

……………

文化芸術スポーツの世界では。

好きだけではどうしようもないのが現実です。

いくら野球が好きでも、野球だけで生計を立てられる人はピラミッドの頂点にいる方々だけです。

いくら絵を描くことが好きでも、いくら音楽を演奏することが好きでも、いくら将棋を指すのが好きでも…

下手の横好きでは、どうしようもありません。
それは趣味にしておいて、別の手段で収入を得られるように算段しないと。

ですが、逆に、それがとても得意なことで、他者より優れているとしたら?

得意なことだから、本人もそれを好きなのだと思い込んでいるということもあり得るわけですよね。

ずっと一つのことをやってきて、それが高く評価されていたら。

その得意なことで生きていこうと思っても、当然だと思います。

ただ、そういう、文化芸術スポーツという道に進むと、一流と二流の分かれ道、一流と超一流の分かれ道は、どのくらいそれを好きなのかにかかってくることもあるのでは?

息子のように、得意は理数系、苦手は英語と社会→理数系大学→IT関係に就職
好きなことは趣味として楽しむ。

というような、一般的な会社員ならそれでいいのですが。

文化芸術スポーツの分野で、得意だからとその道に進んで、同じくらいの素質の持ち主がいた場合には。

そのものに対する、愛情、熱意、そういうもので差がついて。

何故自分よりもライバルのほうが賞賛されるのか、ファンが多いのか、と思って苦しむこともあるかもしれませんね。

あるいはもう、敵わない相手には違う手段で、自分のほうが賞賛されるように画策するとか。

あるいはもう、敵わない相手の評判が悪くなることを望むとか。

でもそれは結局のところ、相対評価で考えているからそういう思考回路になるんですよね?

ライバルの評価が下がる→自分の評価が上がる
という図式を思い描いているから、そんな卑しい考え方をするようになるんです。

フィギュアスケートだと、羽生くんよりも高い評価をされたところで。
羽生くんのネガティヴキャンペーンをしたところで。

羽生くんのファンが減って、他の選手のファンが増えることにはならないでしょうね。

羽生くんは素質もかなり良かったし指導者にも恵まれていたでしょうけど、何より本人の「フィギュアスケートが好き❣️」という気もちが誰よりも強いのが。

他のスケーターとの差をさらに広げているのではありませんか?

某大国の選手がどれほど持ち上げられても、たぶんご本人は素知らぬ顔でしょう。
高い評価など、くれるならもらう、それがセカンドキャリアに役に立つならなおOK、フィギュアスケート界の未来がどちらに行こうとも、自分の責任じゃないし〜
(勝手に憶測)

某先輩選手が羽生くんとは違うカテゴリーにいっても、それを本当に好きでやっているのでなければ。
高く評価してもらえなくなったら、もう嫌気がさしてきた、自分が本当にやりたいことはこれではなかったのだ〜
(と、さらに迷走…なんて、これも勝手に憶測)

某後輩選手も羽生くんの評価が低くなるのを願っていたかもしれませんが。
自分の成績が低迷して、ジャンプの技術にも疑問に思われて、あれこれ考えた挙げ句指導者変更して、でも本音は…
もっとゲームやりたい〜
(なーんて、ね。勝手な憶測でもないでしょ、これは)

羽生くんなら、もう、フィギュアスケートが好きではないなら、いくらでも他にできることはあるんです。
見捨てずにまだやっていること自体が、もう、スケートへの愛💖です。

そして、フィギュアスケート界への懸念ももっているだろうし、その未来への責任も感じているように思います。

(この憶測は、はずれてくれてもいいけどね。羽生くんが、もういいや〜と言ったら、その時点でこのウンザリする世界にサヨナラできますし。でも、無理でしょうね)

……………

どんな賞も、羽生くんの輝きを遮ることはできませんし。羽生くんの輝き以上のものにはなりません。
逆に、羽生くんならどんな賞でも輝かせることができるかもしれません。

国民栄誉賞を受賞したことにより、諸外国にその賞を知らしめたように。

羽生くんは、もう……………

無事で、元気でいてくれたら。
それだけで。
ファンの喜び、生きる糧、希望の光、この世を照らす輝きなのですから。

羽生くんにふさわしくない賞が、羽生くんを守護してくださっているスケートの神様からNOを突きつけられたとしても。

不思議には思いませんね。

読んでくださってありがとうございました。