もしもアワードを権威あるものとして設立するなら、選考過程を明確にすることは必要不可欠ですが。

各賞によって、選考委員を変えるというのも一つの方法でしょう。

振付に関しては、バレエやダンスの振付師の方たちの意見をきいてみるのも面白いかもしれませんし。

衣装に関しては、デザイナーの方たちからどう思われているのか知りたいものですね。

そして何よりMVSについてなのですが。

「ファン層への影響力、メディアの注目度、スポンサーの評価を向上させ、フィギュアスケートの発展に最も寄与した選手」

でしたら、もう、ファン投票+メディア+スポンサーだけで決めたらよろしいのではありませんか?

そこに、自国の選手を推したい思惑つきの、各国の審査員を入れると…

……………

「なあ、あれってどうやって選んだん?」
「そんなん、審査員がたくさん袖の下をもらったところの選手が選ばれたんとちゃう?」
「そう言うたら、ファン投票の結果て発表されてへんやんなぁ」
「スポンサーさんかて、誰のキャンペーンがよう売れるんか、もっと意見を出してくれてもええのにな」
「そんな意見を出したかて、ファン投票みたいに黙殺されて終わるんやない?」
「そうしたら、MVSの意味ないやんか」
「Mはもっと金儲けするために(money)、
Vはバカたちが画策した役に立たない(vain)、
Sは策略家のつもりで立てた計画(scheme)
なんて、なあ…」
「その英語合っているん?」
「知らんがな」

という、脳内井戸端会議があったりなかったり。

……………

今回のアワードに限らず、新しく創設する賞に権威を与えるためには、その賞が正当な理由で選出されていることを確認できないといけないのです。

どのように選ばれるか不明の賞をいただきましたー

…権威なんてあると思いますか?

ファン投票から何%、メディアから何%、スポンサーからは…といった感じで決めて発表しないと、どこからどれだけの評価をもらえば受賞できるのかわからないままでは。

何か知らんけど、選考過程不明の賞をもらった選手がいるねんてー

ということで、終わりだと。

……………

さて、その1の続きなんですが。

羽生くんのファンの動向も、かなり見誤っていると思いますので。

まず、ローレウス賞のときのことがあります。

ネット投票で盛り上がってましたよね。

それでいて、受賞はしませんでした。

あのとき羽生くんのファンは、主催側にクレームをつけましたか?

私の知る限りでは、なかったと思います。

だいたいローレウス賞なんて、ノミネート前は知りませんでしたし。
よく見たらプロスポーツ選手ばかり。
これはもう、ノミネートされたことが異例なのだろうなと。

納得して、受賞者には祝福していたのでは?

今回のアワードでも同じような経緯を辿っても、羽生くんのファンはクレームをつけないとでも思っていたのでしょうか。

諸外国の方々はどうかわかりませんが、日本のファンはそう簡単にクレームをつけられないんですよね。

Jキャスあたりがどんな記事を出すかわかりませんから。

(羽生くんのファンが何もせえへんでも、なりオタがマッチポンプするかもしれへんけどなー)

そしてどうなるか?
サイレントマジョリティになるんです。

……………

「アワードやるねんて?」
「あれのMVSって、該当するのは羽生くんやんか。他にいてるとしたら、ザギトワちゃんくらい?」
「ノミネートされたんは、羽生くんとネイサンくんとパパシゼやで」
「そのノミネートの基準はどこからきたんや?」
「ISUが決めたんとちゃう?」
「ほんまかいさ」
「知らんがな。けど、ファン投票の結果とはちゃうやろ?これは」
「そしたら何のためのアワードなんや?もう、そんなんいらんがな」
「そやな、誰がとっても羽生くんの価値が変わるわけちゃうねんし、もうほっとこ。それより、ハニュウピーがあるかどうかのほうが知りたいわー」

という、脳内井戸端会議があったりなかったり。

……………

だいたい、それぞれの国のそれぞれの選手のファンがいるのですから。
誰がノミネートされても、外れたスケーターのファンは納得いかないわけです。

でもこれが、最初から、例えば毎月「現時点での各スケーターのファン得票数」を発表していたら、どうですか?

あるいは、スポンサーから「スケーターを起用してのキャンペーンでの売り上げ額」ランキングが出されたら。

MVSの規定から考えると、そのファン投票やスポンサーからの情報で、ある程度の人数に絞られても納得できますよね。

その1についたコメントで、振付師のノミネートにバトルさんがいないのはおかしいとか、女子の世界ランキング1位の紀平ちゃんがいないのはおかしいとか…

そんなふうに、「だったらこの人はもっと高く評価されてもいいのに」と思う関係者の名前が、次々と挙がってくるわけです。

日本の羽生くんのファン(しかも、こんな読者様の限られている)ブログでさえ、そうなんですから。

これが各国のファンからだと、どれだけの名前が出てくるでしょうか。

ちなみに私は、振付師ならウィルソンさんも含めて欲しいなーと思っています。

理由は2つ。

オリンピックEXの大トリプログラムは、4年でただひとつ。ノッテステラータはウィルソンさんの振付です。

そして、バレエの方が羽生くんへのトリビュートでしていたのが、ノッテステラータと春よ、来い。どちらもウィルソンさんの振付です。

フィギュアスケートの発展を考えるなら、バレエの方からの敬意は尊重して欲しいものです。

……………

MVSの文章を読めば、該当するのは羽生くんなのだというのは、おおかたのフィギュアスケートファンが認めるところなのではないでしょうか。

これがもし、盛り上げるためにネイサンくんと拮抗しているように見せかけたのだとしても。

昨今の採点、メディアの論調、そういうものも含めて。

羽生くんのファンがアワードを「イカサマ、出来レース、ネイサン・チェンに箔をつけるためのもので、羽生くんは人寄せパンダ状態」と思って拒否反応を示した時点でアウトです。

アワードで盛り上げるなら、最大人数の羽生くんのファンから支持されるものでないと。

もしもこの後、アワードでMVSと衣装部門と生涯功労者(?)に羽生くんが選出されたとしても、私は喜べないし祝福もできないと思うんです。

ここまで拒否反応!してしまったのにはそれなりの理由がしかも多数あったからで、今さら羽生くんに受賞させて讃えてくれても、それは…

……………

「金ヅルを逃さんとこうて、必死やなー」
「けどもう遅いわ」
「羽生くんのファンの神経をここまで逆撫でしといて、今さらすり寄ってこられてもかなんなー」
「最初からもっと、やり方を考えんと」
「EXにねじ込んだ時点で、騙し討ちされたようなもんやし」
「羽生くんのスケートで伸びた分の寿命が、このアワードで縮んだわ」
「誰がこんなんやろうと思ってん?」
「蟻?ウスバカゲロウの幼虫の巣穴に落っことしてきたろか?」

という、脳内井戸端会議があったりなかったり。

……………

実際、ロシアのファン、中国のファン、羽生くんのファンからの反感により、アワードはメリットを遥かに上回るデメリットを抱えてしまっています。

一番困るのは、それで事態が紛糾したら、それを収拾できる人材が私には一人しか思い当たらないのです。

さんざん神経を逆撫でされて、嫌な思いをして、ISUにもアワードにもとことん愛想を尽かしたのに。

羽生くんがそのアワードについて、感謝の意を表したら。

矛を収めないといけないでしょうし。

ISUに対して、また、こう思うことになるでしょう。

「羽生くんを利用して、ファンの懐をあてにして、さんざん迷惑をかけて、そのあと庇ってもらうんかい。面の皮が厚いと、ええなー」

そんな、デメリット過多のアワードの話に長々と。

脳内井戸端会議にまでおつきあいいただき、ありがとうございました。