競技に関わる人たちが、どのくらいその競技を好きなのか。

それは、目に見えないようでいて、わかってしまう部分もあるのだろうと思います。

より広い範囲の関係者のことを考えている人とか。
より遠い未来にまでその競技を存続させるために工夫する人とか。
より多くの方々に競技を知ってもらうように尽力する人とか。

それが直接、自身の利益にならないことまで考えが及ぶ人。
目先の利害よりも、将来的に役立つほうを選べる人。
競技に関して、ルールを把握して、歴史に詳しくて、状況を判断できる人。

……………困った。

羽生くんしか思い浮かばない。

…………………………

ここまで真面目に読んでくださった方、ごめんなさい。

羽生くんがどれだけ素晴らしいかという話だけになりそうです。

(別に、ええやんか。いつもいつも、羽生くんのことを賞賛しているねんし。そんなん、今さらやわー)

より広い範囲の関係者のことを考えている→世界選手権が中止になったときのコメントでもわかりますよね。

あのとき、なかなか中止の決定をしないISUに、苛立ちを抱えていたのは私だけではないはずです。

(欲まみれのISUに腹立てて、どついて蹴飛ばして踏んづけたろかて思ってたもんな。羽生くんのコメントで、心の中で琵琶湖の水をかけるだけで我慢したんやで)

どう見てもどう考えても、世界選手権を開催したいというよりは、それに付随する「アワード、レッドカーペット、ファンサービス的イベント」をやりたいとしか思えませんでしたので。

コロナウィルス禍の最中でなければまだしも、状況は日増しに深刻になっているというのに。

得られる予定だった利益を諦められないというような、悪あがきにしか思えませんでした。

(羽生くんのコメントがなかったら、そのレッテル貼られてそのまんまになってたやろなぁ。ISUが選手たちのために、試合を開催したいと頑張っていたってことになったもんなー)

でも、実際に、ISUの上層部はともかく、現場のスタッフは開催のために頑張ってくれていたのだろうと思いますし。

そこに思いを馳せることができて良かったんですよね。

(腹立てたままやと、また血圧が上がるしなあ)

より遠い未来にまでその競技を存続させるために工夫する→羽生くんが後輩選手たちに自分の経験や、試合への心構えについて話すのは、そういう取り組みの一つでしょう。

(そういう経験を話すと、自分のライバルを育てるみたいな気ぃして、出し惜しみする人もいてるけどな)

より多くの方々に競技を知ってもらうように尽力する→「オリンピック連覇した羽生結弦」という知名度の価値を羽生くん自身が知っているのでしょうね。

羽生くんが出場する試合、出演するアイスショーへの注目度がどれだけ高いことか。

(ますます沼の住人が増えることになるやんかー)

最近では特に、芸術家の方たちが羽生くんのスケートの素晴らしさを語ってくださってますし。

(いやー、でもな。それって、前から言うてくれてはったんとちゃうかな?それを伝えてくれるメディアがなかっただけで。あり得るやんなぁ)

それが直接、自身の利益にならないことまで考えが及ぶ→他の選手たちの長所をよく把握して、プレスカンファレンスで話してますよね。

その選手たちのやる気アップに繋がっているでしょう。

(ライバルになるかもしれへんから貶めてやろうなんていう、せせこましい考えは羽生くんは持ってへんもんなぁ)

目先の利害よりも、将来的に役立つほうを選ぶ→助走からジャンプを跳ぶとか、トランジションを省略するとか、省エネスケートで高い点数だけもらう方法は選ばなかった…これこそが、GOATのスケートの証。

(こだわりのスケートは、ますます人を惹きつけて離さへんようになっているねん)

ルールも歴史もよく知っていて、状況判断も的確→だからこそ、採点の矛盾には誰よりも不満をもっても当然なのに。わかっていて、それでもなお現役続行してくれるのは…

(この状況で羽生くんが引退したら、フィギュアスケート界はどうなることか。ガタガタの採点、ガラガラの試合、アイスショー、下降線の一途を辿る競技)

本来なら、選手である羽生くんよりも、ファンである私(たち)よりも、ISUが先頭きって競技存続のために尽力しないといけませんよね。

(金づるがいるうちに、儲けておこうということには尽力しとるけどな)

そのためにしないといけない喫緊の課題は、ナショナルバイアスを含む偏向採点をなくすことです。公正な採点であること、それを知ってもらうための努力。それが必要不可決なのでは?

(やりたくない〜このまま好き勝手に採点したい〜ていう、空耳が)

ただ。

ISUの中にも。

本当に、心から、フィギュアスケートが好きで、より良くしていきたいと願う人もいるはずですよね。

(ほんまやったら、そういう人たちばっかいてるはずやねんけどな)

そういう人が、公正な採点こそが競技存続の要だとわかっていてくれると良いのですが。

(それに気づかへんほうがおかしいんとちゃう?まともな、心ある人前提なんやろ?)

自身の好みや、自国の利益よりも。
競技存続のために、複数カメラやスロー再生導入を取り入れようと思っている人が。
いてくれますように。

(ファンにそこまで考えさせておいて、肝心のISUが全く考えてへんほうがおかしいんやで)

あら、いつの間にか、羽生くんの賞賛だけにとどまらずに、ISUへの改革提案的な話になりましたね。

(フラストレーションが溜まっているねん)

羽生くんという注目度が高い選手がいるときに、いつまでも旧弊をそのままに放置していると。

他の競技の関係者から、「時代遅れ」と思われます。

(とっくに時代遅れになっとるけどな。今どき、スロー再生なしで採点するなんて。イカサマやるためには、邪魔なもんは取り入れません〜て、自白しているんと一緒やで)

競技存続のために。
その競技をとても好きで。
その競技のために何が良いことなのか。
自身の利害抜きで考えているのは、羽生結弦選手なのだろうと。

思っています。

(その通りやんか、なあ)

ツッコミつきの文章におつきあいいただき、ありがとうございました。