わらしべ長者の話のように。

かさじぞうの話のように。

自らの持っているものを差し出して、かえって豊かになったという話が好きでした。

おとぎ話と思うでしょうか。

現実にはそんなことはあり得ないと考えるでしょうか。

本当に?



金メダルを取ってなお、向上していく人がいます。

自分が好きなことに使って良い報償金を被災地支援に差し出した人がいます。

自分が手に入れたら良い印税を寄付する人がいます。

何度も、故郷だけではなく、他の被災地を訪れている人がいます。



自分を指導してくれる人に、自分に音曲を提供してくれる人に、被災した人に、頑張っている後輩に、癒しを求める人に……………

そのスケートを見る瞬間を待ちわびる人に。

スケートさえも捧げている人がいます。



差し出すほどに、捧げるほどに、より「ならば私たちが支えたい」と思われています。


人の心はお金で買えません。

多くの人々の心を自身に向けることで、大きな力を復興に向け、次代を担う子どもたちに向けています。


差し出すほどに、捧げるほどに、より尊敬と憧れの眼差しを向けられています。

フィギュアスケートという競技を知らなかった人も関心を持ってくれています。

日本に反感を持つ国の人の心も溶かして和らげています。


現実の、現代の、おとぎ話のようですね。

そして、おとぎ話ではなくて事実です。



羽生結弦選手と同じ時代を生きられる幸運に感謝します。

読んでくださった方がいらっしゃるなら。

ありがとうこざいました。