成功体験に固執するよりも、失敗したときこそ「原因を突き止めて、次は同じ失敗をしないようにする」ことで経験を活かすチャンスだと思います。
子育てでも、「これで失敗した」という話は参考になるんです。同じ轍を踏ませまいとして語ってくれる先達に感謝しながら、自分もそういうことを伝えていけたらと。
フィギュアスケートでいうなら、オーサーコーチが選曲について語っていたことがありましたよね。フェルナンデスさんが、ソチの前のシーズンにハマりプロになってしまったとか。
オリンピックシーズンに一番本人の魅力を引き出すプロにするために、逆算してプロを決めたい…そういうことで手の内を明かすあたり、お人好しだと思いますが。
でも、そういうふうに「あれは失敗だった、それでこうすることにした」という工夫や改善の話は、単に成功体験を語るより聞くほうにとって役立つことが多いのです。
問題は、自分の失敗談を話したがる人が少ないということです。
失敗した話を蒸し返されると、嫌な顔をする人っていますよね。
それでは聞きたいと思っても遠慮してしまうし、そうするとその相手からは「聞いてためになる体験談」は聞けないということになります。
羽生くんの長所はたくさんたくさんたくさんたくさんありますが、失敗したときにインタビューされることに前向きな態度をとることも、その一つではないでしょうか。
羽生くんほどの体験をしているアスリートは、滅多にいないのです。それを惜しみなく話してくれるのは、ありがたいことなのではありませんか?
(それなのに、「失敗したときのことは聞くなよ」的な態度でインタビューされる人だと、尋ねる側にとっても価値が違って当然なのではありませんか?)
羽生くんが逆境から勝利を収めたとき。
平昌オリンピックはその最たるものでしたが、どう乗り越えたのかについては、他種目競技のアスリートにとっても知りたいことなのではないでしょうか。
私は、内村航平選手と白井健三選手に聞かせてあげて欲しいと思いました。
失敗こそが役に立つ経験だとは思いますが、成功したときのこともいざというときに役に立つでしょう。
平昌オリンピックのときにオーサーコーチが、羽生くんがいつからジャンプを跳べるようになれば本番に間に合うか逆算してましたよね。
これこそ、「いざというときに成功体験で何とかなると思える」メンタルの持ち方なのではありませんか?
成功体験はいざというときにとっておいて、普段は失敗したときのことを参考にする…くらいがちょうどいいのかもしれませんね。
あら、でも、技術については別ですよ。
ジャンプやスピンで失敗したときのことばかり考えていたら、上達しないでしょうし。
それは、一番良かったときのイメージで試合や練習に臨まないと。
羽生くんの一番良かったときの……………
あ、あかん。
脳内再生して魂が抜けてしまったので。
今日はここで失礼します。
読んでくださった方がいらっしゃるなら。
ありがとうこざいました。