コント
教師「遅刻だぞ」
生徒A「すみません、今日遅れたのは…」
教師「言い訳するな」
生徒B「Aさんのお母さんが倒れて、今日入院したんです」
教師「なぜ先にそれを言わないんだ」

私は「言い訳するな」と言う人が苦手です。
ものごとは、うまくいかないときには必ず原因があると思うんです。
言い訳は理由に繋がります。
そこを解決しないと、同じようにうまくいかなくなる事態に、また陥ってしまう可能性があります。

言い訳することをよしとしない生き方をする人は賞賛されるかもしれません。
しかし、他人にもそれを強要するのはどうかと思うのです。

最初のコントは、一見笑えます。
しかし、相手が口にできなかった言い訳がどのようなものか、知りもせずに糾弾する怖さを含んでいませんか?

もし、小学生くらいの子どもが万引きしたとして、その子どもがのっぴきならない事情を抱えてそうしてしまったというときに、どのような理由が考えられるでしょうか。

まず、貧困ということが考えられます。
学校で必要と言われたものを買うお金がない。
それは、子ども自身に問題がある非行とは違います。

次に、家は裕福であっても、ネグレクトを受けているということもあり得ます。
買うお金がもらえないとか。
ひどい場合、給食以外食べさせてもらってないということもあり得ます。

また、集団イジメにあっていて、万引きを強要されたという場合もあるでしょう。
これは、そのイジメ(という名の犯罪)を何とかしなければ、どうしようもありません。

理由によって、対処の仕方が変わるのです。
「二度とするなよ」だけで済ませては、解決に繋がらずに繰り返すかもしれません。

そしてその途中の段階で、「言い訳するな」と言われてしまったら、子どもは解決への道を失うだけでなく、大人は頼りにならないと思ってしまうことでしょう。

うまくいかないとき、失敗したとき、間違ったとき、原因を探して対処していくことで、同じことを繰り返さないようにしていく…人類の歴史はそうやって、改善を積み重ねて今に至るのではないかと思います。

何故そうなったのか?
何故そうしたのか?
どの原因が考えられ、その内の何を取り除けばうまくいくようになるのか?

それを考えずに済むくらい、全てがうまくいくことばかりということは滅多にないでしょう。

原因について考えることは無意味ではない、いつか改善につながると信じたいのです。

読んでくださった方がいらっしゃるなら。

ありがとうこざいました。