私が自宅介護することになったとき、自らに課したのは「頑張らない、無理しない、助けを請う」ということです。

えー、頑張らないって何それ?
と思った方、これから介護する側になる方も含めて、介護してる方に。
声を大にして言いたいと思います。
「介護を頑張らないでください!」

頑張っているというのは、全力かそれに近い状態だと思うんです。
走っているとしたら、100m走くらいのイメージです。
無理をするというのは、さらにそこからスパートをかけるようなものです。
それって…ゴールが見えないときにできることですか?

ぼちぼち休みながら歩いて、少しずつ前に行けている…そのくらいのペースでないと、何年も、ひょっとしたら何十年もなんて、もちません。

さらに、介護というものは、状態が良くなるということはほとんどありません。
少し良くなったとしても、一時的なものです。
緩やかに、か、急激に、かはともかく、悪化していきます。
現状維持ができればラッキーくらいの気持ちでいます。

その上、介護する側も加齢で衰えていきます。
今できたとしても、来年もできるとは限らないのです。

それを見越して、最初から、なるべく頑張らなくてもいい方法を考えて、周囲の助力をお願いします。

そうしていても、自分や相手の体調不良で困るときはいくらでもあるのです。

介護や過労で人の命が失われるようなことは、できるだけ減らしたい。

頑張っている人に、もっと頑張れなんて言葉をかけるのは、ゴールが見えている相手だけにしましょう。
学生さんが受験するとか、スポーツしてる人が試合に臨むとか、仕事だったら納期に間に合わせたいとか。
そのゴールに向かってなら、スパートをかけることもできるでしょう。

介護のゴールは見えません。
その状況で、頑張っているのにさらに無理をするのは…
ゴールを自分で作りたくなるということです。

そのゴールが、介護してる相手や自分の命にかかわることになる…そんな結末になりませんように。

どうか、介護を頑張らないでください!

介護を頑張っている人が、頑張らなくてもいいように、助けてもらえる社会になりますように。

読んでくださった方がいらっしゃるなら。

ありがとうこざいました。