私の夫は生まれも育ちも東北の人

特に外に出たいという想いが

芽生えることはなかったようで

ずっと生まれた地で生きていくと

思っていたようだ

そんな夫は11年前の今日、被災を経験した


当時、勤めていた会社が震災を機に

その場で稼働するのが難しくなり、

会社と、夫を含む社員の一部の人たちで

なんの縁もゆかりもないこの地(私の地元)

に移動してきた

会社からは『2年間だけ、2年経ったら戻るから』と言われてきたそうだ

自分の意思で決めたとは言え、

夫はどんな気持ちで決断し、

地元を離れたのだろうか


2013年、2年経っても会社が戻ることはなく、

東北に残されていた会社(建物)は

完全に閉鎖した

夫や社員たちは戻ると言われていた場所を失い、

その場に残る者、退職をして地元に帰る者、

わかりやすく二分化してきた

そんな頃、私は夫と出会った


当時の夫は何かしら会社やら置かれた状況に

愚痴や不満を漏らすことが多いという印象だった


だけど自分の力ではどうしようもできない、

あの一瞬で人生が変わったと、

そんな経験をした人にしかわからない

何かがあるんだろうなと、

私にも理解できたから色々は言えなかった


多くの犠牲者を出した未曾有の大震災、

二度と起こってほしくない

一方で震災が無かったら

出会うことのなかった私たち

軽々しく『いい出会いでした』なんて

言ってはいけない気がして複雑な気持ちになる

だけど人との出会いとか縁って色んなものが

絡み合って起こるような、

そんな縁の不思議さを感じるのも嘘ではない



今日ネットニュースで

震災を知らない子どもたちといった

記事が上がっていた

私には何も語れることはないけれど

毎年この日が近づくと色々考え、

そして決して忘れないと改めて思う



犠牲になった多くの方へ心から

追悼の意を込めて、

静かに、静かに、その時を過ごす

今年も変わらずそんな風に過ごしたいと思ってます

そして、被災地の復興を心から願っています