卵巣癌の抗がん治療が終わりかけの頃
退院前に出逢った和田さんというお婆さんと
外来で2・3回一緒になった。
私の退院が近づいていた頃に個室に入院してきた和田さんは
生涯独身の80歳の女性で
病院のお近くの立派な高齢者用マンションに
住んでいるという方だった。
私と同じ卵巣癌で同じコースの抗がん剤治療の彼女と
シンクロの達人と呼ばれるワタシは
ある日ほんの数分だけど診察室の前で
ふたりだけでお話しする機会に恵まれた。
6回目の抗がん剤治療の終わりかけの頃
ようやく診察室の前に呼ばれて待っていたところに
顔は知っているけど名前は・・・?
でも・・・ワタシの“好きなタイプ”・・・・の和田さんが
同じように抗がん剤治療の外来で来られて横に座られた。
数回お話をしたり挨拶を交わしただけの和田さんだったけど
「今・・・どうですか?」の挨拶のあと
「お若いあなたには、申し訳ないけどあと3年生かせてもらいたい
そう思っているのよ・・・・83歳までは元気で生きたいと思ってるの」
って、言われたので
「和田さんはいつも笑ってられて前向きだから大丈夫ですよ」
そう返したワタシに
「みんなに和田さんはいつも笑ってていいわねぇ~って言われるけど
ワタシ達だってみえないところで泣いてるわよねぇ・・・」
そう言いながら、ワタシの手をとって
「お互い生きなきゃね・・・・頑張って生きていこうね」と言われた。
その直後に診察室に呼ばれたワタシが出てきたときには
和田さんは別の診察室に入られていて
それ以来お会いしたことは無いのだけど
その時、初めて名前をちゃんと聞くことのできた和田さんのことは
時々こんなふうにふっと思いだされるのだ。
今朝少し凹んでいた私がつぶやいた言葉に
すぐにコメントを入れてくださった富猫さんちの富猫婆さん
「本当は婆落ち込んでいました。」というコメントに
和田さんを思いだしたワタシ
長くお話したこともなかったのに
突然に手をとって漏らした本音の言葉
知人にこの話をしたとき
「同じものを感じたんじゃない?」って言われて
だったら嬉しいなぁ・・・・って思ったりしたワタシだった。
ふっと「落ちこんでました」とつぶやいて下さった富猫婆さん
みんな心で泣きながら顔で笑ってる素敵な人達
ワタシもそんな人になりたいなぁ~~ってずっと思っていた。
強そうで本当はとても弱い人・・・・けれど・・・やっぱり強い人
顔で笑って心で泣いて頑張ってる人が大好き!!
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