マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）のスパイダーマン最新作に関する情報が、次々と舞い込んできている。現在、スコットランドのグラスゴーで撮影が進行中であり、その現場からファンの期待を煽る様々な憶測が飛び交っている。ここでは、新スーツのデザインから新たな登場キャラクターの噂、そして『ノー・ウェイ・ホーム』でリセットされたピーター・パーカーの記憶の謎まで、最新情報をまとめて考察する。
新スーツのデザインと撮影現場の熱狂
まず注目すべきは、スパイダーマンの新しいスーツだ。現場の写真からは、トビー・マグワイア版とアンドリュー・ガーフィールド版の両方の要素を取り入れたようなデザインが見て取れる。特に青の発色が強いことから、どことなくアンドリュー版のピーターを彷彿とさせ、二人の先輩スパイダーマンへのリスペクトが感じられるデザインは、ファンにとって感慨深いものがあるだろう。
グラスゴーの撮影現場は、カーチェイスシーンが中心となっているようだ。街中を車が爆走し、その上をスパイダーマンが飛び回るという、迫力あるアクションが撮影されている。驚くべきはその現場に集まるファンの数で、まるでパレードのような熱気に包まれているという。
パニッシャー登場の可能性が浮上
撮影現場で目撃された謎のマークが、新たな説を生んでいる。当初、このマークはゲーム版にも登場したヴィラン、ミスター・ネガティブ率いるギャング「デーモン」のものではないかと考えられていた。しかし、全く別の可能性が浮上してきた。
それは、このマークが「パニッシャー」のものであるという説だ。
現場の情報によると、撮影で使われている装甲車を運転していたのは、パニッシャー（フランク・キャッスル）のスタントダブルだったという。これが事実であれば、物語は大きく動く。原作コミックには、パニッシャーが多くの部下を率いていた時期があり、その際に似たマークを使用していたことがある。
今回のパニッシャーは、ハルクやスパイダーマンにも対抗できるほどの強力な武装で登場すると噂されている。デアデビルと対立したように、その「やりすぎる正義」が、スパイダーマンとの対立の火種となることは想像に難くない。もちろん、最終的には共闘する展開も考えられるが、まずは二人のヒーローの衝突が描かれる可能性は高いだろう。あるいは、ダメージ・コントロール局から奪った兵器で武装するという展開もあり得るかもしれない。
スコーピオンの再登場とヴェノムとの関連は？
『スパイダーマン：ホームカミング』のポストクレジットシーン以来、長らくその動向が謎だったヴィラン、「スコーピオン」が遂に本格登場することが確定的となった。
さらに興味深いのは、スコーピオンを演じるマイケル・マンドが、自身のInstagramにあるコミックの画像を投稿したことだ。そのコミックとは、スコーピオンがヴェノムのシンビオートに寄生され、大暴れするというエピソードを描いたものだった。
これは単なる偶然か、それとも作品の展開を示唆するヒントなのか。『ノー・ウェイ・ホーム』のラストで地球に取り残されたシンビオートのかけらが、ピーターではなく、まずスコーピオンに寄生する。そして、その流れでピーターへと繋がっていくという展開は十分に考えられる。MCUファンにとっては、あのシンビオートがどうなったのかという伏線を回収する、見事な一手となるだろう。
ピーター・パーカーを覚えているのは誰か？
『ノー・ウェイ・ホーム』のラストで、世界はピーター・パーカーの存在を忘れてしまった。しかし、ごく一部のキャラクターだけは、記憶を保持しているのではないかという説がある。
一人は、ハルクだ。
ブルース・バナーとしての人格は魔術の影響でピーターの記憶を失っているが、もう一つの人格であるハルクは、ピーター・パーカーを覚えているのではないか、という指摘は以前から存在した。
そしてもう一人が、ミスター・ネガティブである。
善の人格であるマーティン・リーはピーターと面識があった可能性が高いが、記憶は失っている。しかし、ヴィランとしての人格であるミスター・ネガティブは、別人格として記憶を保持しているのではないか。MCUの設定次第では、こうした特殊な状況を作り出すことは可能だ。
誰かがピーターを覚えているという設定は、物語に大きな影響を与えるはずだ。それがピーターにとって救いとなるのか、それとも新たな脅威となるのか。MJが何らかのきっかけで記憶を取り戻すという王道展開も期待しつつ、この記憶を巡るドラマが、新作の大きな論点の一つになることは間違いない。
撮影はまだ始まったばかり。これからさらに多くの情報が明らかになるだろう。続報に期待したい。