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亀が死んでしまった。急に。
震災の後2ヶ月もバケツに入れられたまま、人気も火の気もない寒い寒い部屋で、水換え出来なくても何日かゴハンもらえなくても大丈夫だったのに、
どんなに暑くても寒くても食欲も落ちず平気だったのに、
一日二回の水換えとビタミン剤の投与で、せっかく目の病気が治って元気にしていたのに。
いつも通りに水換えをして間も無く、尋常じゃない暴れ方をした。
もがくように泳ぐ様子に異変を感じてすくい上げると、手を併せるようにして目を瞑り、首を捻ってきゅうぅっと苦しそうに鳴いた。
死んでしまう!!
本やネットで調べても参考になるような記述はなく、動物病院に手当たり次第電話してみても亀を診ることの出来る獣医さんが居ない。
水槽を叩いて名前を呼ぶと、辛うじて反応‥‥
ぎりぎりで生きている感じだった。
とにかく急がなくちゃと出かけている息子を呼び戻して水槽を持たせ、爬虫類を診れる病院を検索しながら車を走らせた。
でも、どんなに探しても祝日に爬虫類を診てくれる病院はみつからず、時は刻々と過ぎ、ついには反応しなくなってしまった。
ごめんね、ごめんね‥。
ひょんなきっかけで飼うことになったカメだったけれど、飼ってみるとタフで可愛くて、うさぎ同様とぼけていて食いしん坊で、やっぱり家族の一員だった。
蛻の殻の水槽は悲しくて寂しい。
ビート、安らかに。
大好きだった黄色い車と、別れの時が近づいている。
ホントならもっと早くお別れしなきゃいけなかったところ、名残惜しさで4ヶ月も引っ張ってしまったのだ。
これを手放したら、暫くは好きな車を選んでは乗れないだろうということ、ひとつ。
4ヶ月前に他界した父が乗っていた車に代替えすることに、なんだろう…抵抗を感じること、ひとつ。
ふたつの理由に共通するのは、たぶん寂しさ。認めたくない寂しさ、かな。
父を亡くして間もなく、飛び出して来た車にぶつけられ、事後処理完了までに相手方の不手際で3ヶ月もかかったし、ナビもずいぶんストライキを起こしたし、あまり手も掛けてあげてない上にもうすぐ走行距離が15万キロにもなるもんで、車自身、時折息切れもする。
速く替えろと母から姉からつつかれ続けた4ヶ月でもあったけど、何か調子が悪く、いつもと違うことがある度に父にも速くしなさいと言われてる気がしていた。
車検目前。
父が遺した車は、私には新しすぎてなんだか乗りなれないけど、
だいぶグズグズしちゃったけど、
色んなことが寂しくてしかたないけど、
お盆が明けたら、取りかかるからね。