朝5時半頃
大抵子供達が起きて
ガチャガチャ煩い時間
入院して静かな朝なのに
目を覚ます自分の体に笑える
日常と何も変わらない
だけど目が覚めた部屋は
自宅ではなく
ピンク基調の病室
6時半頃看護師さんの検温
少し微熱程度
ぼーっと過ごして
8時前に処置室へ
昨日入れたガーゼとラミナリアを抜く
ガーゼは出してる違和感が気持ち悪く
ラミナリアは痛かった
その後陣痛促進剤を入れる
助産師さんが
「じゃあ1時間毎に処置ねー」と言うと
先生が
「3時間ね」と即座に突っ込む
助産師さんが
「あ、間違えた…すぐ訂正はいったねー
最大5回だから15時間か…長っ」
と苦笑しながら呟いた
緊張感の無い処置室に和む
怒る患者さんもいるかもしれないけど
私には凄くこの状況がありがたい
ありがついでに
導尿カテーテルも抜いてもらえた
下腹部の違和感は全く無い
結局処置のせいか尿カテのせいか
そこはわからないけど
なんの管も無いのは爽快だった
部屋に戻ると朝食の時間
朝からお米はきつかったけど
(パン派なので)
人の作る食事はありがたかった
食後にカロナールと抗生剤を飲む
特に腹痛は来ない
何の変化もなかったけど
9時半に助産師さんに促されて
LDRへと向かう
経産婦だと進みが早い時があるから
念のためにとのこと
何もないまま11時を迎え
2度目の促進剤の処置
ボチボチ出血してるそうで
もうすぐかもね と言われる
その後トイレに行っても
殆ど出血無し
でも少しだけ腹痛
12時頃に娘と旦那が面会
私は病院食だけど
娘と旦那はおにぎりとパン
娘の食べっぷりに少し引く(笑)
腹痛からか処置のせいか
あまり食欲がなく
半分旦那に食べてもらった
14時に3回目の処置があるからと
処置の少し前に帰って行った
娘は帰る前から
「おかーさーん」と大絶叫
離れるのが凄く辛いみたいで
毎度毎度可哀想になる
14時に3回目の促進剤
促進剤を入れるときの器具も痛いけど
子宮口のチェックが痛い
30分もすると結構な腹痛
陣痛がどんなものだったか
うっすら思い出してきた
お腹がキューっと硬くなって
それに伴う生理痛のような腹痛
でも時間は不規則で
助産師さんと談笑したり
パズル誌をやったり
スマホを弄ったり
気持ちの余裕は少し
徐々に苦しくなって
うー あー と呻く事も
16時過ぎから
1分毎に陣痛
苦しくてカウントすると
1分毎に10〜20秒腹痛
その後に腰の激痛が走る
16時半に旦那からラインで
「症状いかが?」と入り
初めて弱音を吐いた
「辛い。痛い。泣きたい。進まない」
2人産んでるからか
母親の勘なのか
陣痛の痛みに耐えながら
全くでてくる気がしない
その弱音への返事は
「きついね。子供達つれていけないね」
普通の出産の時もそうだけど
男は本当に役に立たない
(うちの旦那がそうなだけかも)
立たない上に
とんでもなく腹立たしい事を
平気で言う
子供達を連れてくるかどうかじゃない
私を励ます言葉
私を勇気付ける言葉
一言で良いから欲しかった
自分の状態からどう考えても
子供達に見せちゃいけないと判断し
「辞めた方がいいよ」
「もう切って欲しい」
返信は無い
17時4回目の促進剤
その前に先生に今日はやめたいと懇願
とりあえず見てみてからと言われ
処置の準備
「頑張ろう!」
また器具を入れられ
促進剤を入れて子宮口の確認
まだまだ開いてない
だけど先生は同じ事を言う
「柔らかくなってるからもうすぐかもね」
朝から何度聞いただろう
「もうすぐ」
「早いよ」
そんな言葉はもういらない
激痛に耐えて耐えて耐えて
そして気付く違和感
お腹にモニターもない
点滴も準備されてない
あぁそうだった
これは死産だったんだ
産声を上げる元気な子供じゃなくて
亡くなった子を出すんだった
体だけじゃなくて
心が悲鳴をあげたのかもしれない
初めて声を出して泣いた瞬間だった