今日も暑かったですね。
取水制限も出だしたようです。
そろそろ雨が欲しいですね。

さて 宮下奈都の「たった、それだけ」を読みました。

たった、それだけ (双葉文庫)
宮下 奈都
双葉社


大手商社に勤める”望月さん”は、会社がらみの大きな贈賄事件の関係者で、
組織ぐるみのスケープゴートにされる。
優しさや気遣いが上手い望月さんは職場で何人もの女性とそういう関係。
その一人である夏目の訴えで逃げることを選択し行方をくらます。

四十過ぎの望月さんには、家族がいた。
妻と九か月になる娘ルイ(涙)。

そんな夏目、望月の妻加南子、望月の姉、成長したルイの担任、ルイ、そして大橋君という
6人の目線で語られる短編集。


最後にでてくる大橋君の話が特にがいいなあと思った。
高校を中退して介護の仕事をしている大橋君は
自分のことを無知でバカだと感じている。
そんな大橋君は 同じ施設で働き
どんな介護相手もにも動じず穏やかに接することができる益田さんを尊敬している。
そこである日聞いてみる。
「俺、ばかだから、すごく失礼なことを言ったりやったりしてるんじゃないかと気になります。」
それは大橋君にとってすごく正直な気持ちで言いながら鼻の奥がツンとなってしまう。
すると益田さんが言う。
「大橋くん、それは違います。」

実はいい年してなんですが、本当に自分の機転の利かなさに辟易する毎日で
しかも鶏頭により、さらに拍車がかかり
毎日毎日 大橋くんと全く同じ気持ちで過ごしている。

人を傷つけてしまっていないか?
不用意にそんな行動や発言をしてしまったのではないか?

だから 益田さんのその後の発言にはちょっとホッとしました。
間違っているのかもしれないけれど それくらいでちょうどいいのかも・・・
私もこれを書いていて鼻の奥がツンとしてしまいました。


最後の大橋君だけ 一体誰よ?
と思いながら読んでいたが 最後の最後でつながる。

たった、それだけ。
お勧めです。

いがぐりおは 鼻の奥がツンとしたことある?
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