さて 原田マハの「楽園のカンヴァス」を読みました。

楽園のカンヴァス
原田 マハ
新潮社


倉敷の大原美術館で監視員をしている早川織絵。
ある日織絵は、チューインガムを噛んでいる少女に館内飲食禁止だと注意する。
実はその少女は、織絵の娘だった。

翌日、織絵は学芸部に呼ばれる。
てっきり前日の件だと思っていると
近日改装予定のニューヨーク近代美術館(MoMA)に
ルソーの「夢」を借りるために行って欲しいと頼まれる。

織絵は若いころ、名をとどろかせたルソーの研究家であった。
その当時、ある作品の真贋をかけて対決した
キュレーターのティム・ブラウンが彼女を指名してきているというのである。

彼女の思いは、17年前ティムに出逢ったバーゼルへと・・・・


この作品は、ルソーの最後の作品と言われる「夢」のほかに
「夢をみた」という作品が存在しているという設定である。

そしてその「夢をみた」には、「夢をみた」という七章で構成された短い小説がついていた。
小説に書かれていることは真実か。
はたして「夢をみた」はルソーの新作なのか?

小説の中に織り込まれたもうひとつの小説「夢をみた」にどんどん引き込まれてしまう。
ルソーは絵を独学で勉強した日曜画家。
生きているうちに全くその絵を認められなかったという。

今見ても、確かに、当時のどの派にも所属しない独特の華やかで平坦な絵。
でもそこにルソーの魅力がある。

名画とその創造世界にどっぷり浸かれる本書。
お勧めです。

いがぐりおは この絵見たことある?
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