バックパッカー伝説のバンコク日本人宿、ジュライホテル。上海まで船に乗り、シルクロード、チベット、ヒマラヤ、そしてインドを半年かけて巡りたどり着いた1989年1月のバンコク。そこで1か月以上投宿した宿。

館内には娼婦が闊歩し、ドラッグで身を持ち崩した者、日本から逃げてきたヤクザ者、元連合赤軍と噂される老人。部屋番号は忘れたけど日本人旅行者が自殺した部屋もあった。

そこは一言で言えば“地獄に近いパラダイス“。
インドからの旅仲間も大麻所持で逮捕されたり、肝炎にかかって寝込んで衰弱していったっけ。

そうそう、ついた日の深夜寝ているところを泥棒に入られた。私はすぐに気づき起きたので無事だったが、連れはサイフとトラベラーズチェックをやられた。あとで大麻で捕まった奴が拘置所でその泥棒と知り合った(笑)
付近では有名な泥棒だったみたいで「追っかけなくてよかったよ、あいつ刺すから」だって。

この宿が閉鎖された時に日本大使館領事部がシャンパーニュでカンバイしたという都市伝説が残るほどの宿。ここに比べたらカオサンなんて全く健全。