日刊スポーツより。

「バックパス禁止!ヤススタイルで名門再建」

http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp1-20130124-1075825.html



まさかの日刊スポーツで特集的な記事。

それだけヤスさんの注目度が高いということだろうか?


さて、この記事の中にはワクワクさせてくれる要素が幾つもあった。

まずは表題の練習方法。


「バックパス禁止」

ヴェルディのサッカーに物足りなかったものの集約されたのがコレだろう。

繋ぐ意識が強いばかりに、どうしても縦への意識が希薄になる。思えば昨年北九州にやられたときは、同じ繋ぐスタイルでも北九州に推進力があったのを思い出す。僕がヤスに期待しているのはまさにココ。


「繋ぐ」から「ゴールに向かう」への切り替え。

ケツさんはこれを前線からプレスし、より高い位置で奪うことで意識づけようとしていたが、負けだすとDFラインがズルズル引いてしまう悪循環に悩まされた。ケツさんで結果が出なかったのは、結局ココをチームで統一できなかったことが最も大きかったと思っている。


ヤスさんは、どうやらボール回しそのものから「前へ」の意識付けをしていくようだ。

これは実はヴェルディにとっては画期的。

チーム練習が始まってすぐにこの練習法を取り入れたことからも、その優先度は高いと思われる。


常に前へボールを動かすには、ボールホルダー以外の選手がとにかくパスコースを作るため動き回らなければいけない。でないと一生前へなんてボールを繋げない。今までのヴェルディはこの、ボールを貰う動きが少ないor単調だった為に、バックパスや横パスが多くなってしまっていたのだが、ここを徹底できれば正直、ポストワークできるCFなんていなくても攻撃は作れる。


その最たる例が昨年J1初優勝を果たした広島だ。

あとはオシムのいた頃のジェフもそうだった。

ヤスさんはオシム信者だと聞くが、こういう部分が目指すサッカー観と合致しているのではないか。

とにかく「バックパス禁止」の精神はヴェルディにこそ最も効く特効薬であると思う。

最も劇薬でもあるだけに、どれだけシーズン開幕までに浸透させることができるか。ここが難題だ。

昨年シーズン序盤で対戦し、ボッコボコにしたった北九州は、とにかく後ろで繋ぐことに必死なだけのチームだった。要はこの状態に陥るということも十分考えなければならない案件であること。

手腕に期待だ。



第2にワクワクしたことは、

「阿部の次に同じ役割をしたいという選手がうじゃうじゃいる」

ということ。

若手達にとって、阿部ちゃんは良いお手本でありモデルケース。

ヴェルディユースから上がってくる特徴としてドリブラーが多いというのがあるが、阿部ちゃんはそのタイプに酷似している。だから阿部ちゃんのやっていた役割というのは、そういった選手にとって自己を投影しやすいスタイルだったはずだ。現在で言うと翔哉・杉本竜・前田あたりか。

この中から第2の阿部ちゃんが出てくれば最高だ。



最後に、なんか「ヤススタイル」は? なんて箇条書きで書かれていた。


 ◆其の一「あいさつ基本」 チームに規律を求め、グラウンド内外でしっかりあいさつができるクラブへの成長を促している。


 ◆其の二「理論+情熱」 理論派だが、選手の熱を大事にする。学業で合流が遅れた関学大DF井林が練習初日の23日からフルメニューを志願。その情熱的な姿勢に「伸びる要素を持っている」と感激した。


 ◆其の三「プレーヤーズ・ファースト(選手第一)」 選手に伝えていないことは、関係者、マスコミにも言わない。


 ◆其の四「過度な期待はかけない」 元日本代表FW高原の加入にも「彼1人に期待し過ぎないのが大事」。重圧を取り除くとともに、特定の選手に依存する体質を排除した。



多分「ヤススタイル」なんて言葉は日刊が勝手に作ったのだろうが、まぁいい。

こんな4か条みたいなカテゴライズも、きっとヤス自身がしているわけではないだろうが、それもまぁいい。

注目は書かれている内容。


個人的には其の二の部分が「おっ」と思った。

ファンの中にも多いが、理論派は理論のみ。情熱派は根性論のみというふうに、分けて考える、或いは敵対するもののように考えている人がいるが、スポーツをやる上では間違いなく両方とも大切なことだ。同じくらい尊い。どちらも持ち合わせていなければ、良いチームは作れないだろう。


正直ヤスはずっと、ドライな監督であると僕は思っていた。

熱さよりは冷静さを重んじるところがあるのかな、と。

実際は違うみたいだ。それを聞いてワクワク感が増した。



正直ヤスさんに対する期待値が高すぎて、個人的には少し冷静に見たいと思っているところではあるが、伝え聞く部分ではやはり「何か違う感」を持っている監督ではあるなと。