様々な選手が入れ替わった怒涛のようなシーズンオフだったが、ふと気づけばJ2開幕1週間前になってしまった。


正直昨年のメンバーでもう1年見たかったという気持ちも半分あるが、もう半分は新チームの顔ぶれに対する期待感。もっとも、シーズンが始まってしまえば今年のチームのことしか考えなくなるだろうけど。


そんなわけで、新シーズンを前に昨年との戦力を比較しておこうと思う。



<GK>

菜入がレンタル移籍し、ガンバ大阪から太が加入しが、正GK争いは昨年急成長した柴崎と、長い怪我から復帰した土肥のどちらかに絞られている。年齢や怪我明けであることを考えると、今後を考慮しても柴崎が昨年に続きゴールマウスを守るのではないか。土肥の復帰と太の加入で層が厚くなったことを考えれば、昨年より若干のプラスか。

まぁ何事もなく柴崎が2年目の経験を積み、よりレベルアップしてくれることを望む。



<CB>

もうずっとヴェルディでと思っていた富沢が移籍してしまい、その穴埋めとしてか、何人もの新加入選手を獲得。即戦力になりそうな選手は今のところめぼしい話が聞かれないのが寂しいところだが、今年は高橋祥平がU-23代表で不在の場面も増えるだけに、誰かが出てきてくれないと非常に困ることになりそうだ。正直最も不安なポジション。

もっとも、その祥平が不在だったキャンプで、主力組に入れて様々な選手を試せたのは良かった点。だが今のところ昨季サブの常連だった深津が3番手扱いのようなので、新加入選手の奮起に期待したい。勿論深津がバウルや祥平を押しのけるくらいに成長してくれるのが一番なのだが。



<SB>

良質なバックアッパーであった健介と吉田を切り、新たに加わったのは両サイド共にユース昇格組。ここは1stチョイスがしっかりしているので怪我さえなければそれほど問題にはならないだろうが、もしもということもある。選手層自体は確実に薄くなったが、昇格組の館野と田中に実践の場を設けるというのも大切なので、クラブのスリム化を考えるとやむをえなかったのかもしれない。



<ボランチ>

今年から10番を背負い、キャプテンを任された小林祐希が1番手。その相方が誰になるのかが注目点。新加入の大物の一人である中後が、速攻で怪我してしまい、まるまるキャンプ不在に。安定感抜群の佐伯も怪我明けで万全ではないだけに、開幕戦からはしばし、和田拓也が勤めることになりそうだ。このポジションは昨年も手薄で、本職でない和田や祥平が試されて一様の成果を挙げているだけに、とりあえず人材を使いまわすことで何とかなりそうだ。選手層の厚さを考えると、昨年より若干プラスか。

ただ、小林祐希が期待に答えられる出来でないとそうとう苦しくなる。正直まだ君臨するくらいの出来ではないだけに、相方云々よりもまず、祐希のレベルアップが望まれるポジションであろう。



<OMF>

河野、菊岡という、昨年のチームの色を形作っていた二人が移籍。最も戦力が低下しているであろうポジションだ。しかしながら、何故か獲得できた西がどうやら別格との噂。西がいなかったらと思うとゾっとするが、西がいることで一様のイメージをつけることができる。2番手はどうやら、水戸から加入した小池。縦に行くタイプということで、昨年にはなかったオプションという部分に期待したい。あとは今のところあまり評判を聞かないアレックスと、昇格組の杉本がシーズンのどの辺からチームに関わってこれるかに期待したいところだ。

現状では昨季より大幅にマイナスだと思うが、期待値としては高いというのが僕の印象。



<FW>

昨年から、このチームは阿部のチームと言っても過言ではない。それくらい替えの効かない選手だ。問題は相方だが、愛媛から加入のジョジマールがすこぶる良いらしい。TMではほぼ毎試合ゴールを重ねており、日本語もペラペラということでコミュニケーションも上々。開幕からしばらくはこの2トップで間違いないだろう。そして昨季終盤でスタメンに君臨していた巻も、やっと怪我から復帰。ゆっくりコンディションを上げてもらって、この3人でシーズンを回せればと思うとワクワクする。そして昇格組の南にも期待したい。アレックスもこっちで出番が回ってくる可能性もある。確実に昨季よりパワーアップしているポジションだろう。



<総合>

全体的に見て、守備のバックアッパーと攻撃的な中盤に不安を感じるが、そこさえクリアできれば昨季並か、それ以上のチームにすることも可能だと思う。昨季は接線に弱く、とりこぼしを相当した印象だったが、今年は河野、菊岡が抜けたことでどうしてもカウンター主体の攻めにならざるをえないと思う。それが功を奏すのではないかと僕は思っている。どうみても前線はカウンターで生かせそうな面子。鍵はいかに祐希が良い状態でボールを触れるか。中後が復帰してきたら中後でも良いが、一発の勝負パスで決定機を作るような、そんなチーム像を僕は想像している。攻めに入る時のの意思統一は、昨季よりしやすいのではないかなと。ボールを持てるだけに、無駄に回すようなサッカーよりは、早い展開から一気にゴールを陥れるサッカーへ。その転換が取りこぼしを少なくさせると思う。




だらだらと思ったことを書いたけど、とりあえずはほとんど怪我人を出さずに開幕を迎えられそうなことが一番の安心材料。シーズンを通してできるだけ長い間、スタメンクラスが出続ければ、期待していい面子だと思う。あとはバックアッパーから誰が頭角を現すか。その上積みに一番期待したい。