下位陣との連戦をきっちり6連勝で飾り、いよいよ最初の大一番、甲府戦。

出場停止の晃誠の替わりに入ったのは、河村ではなく菅原。

しかも右サイドには河野ではなく飯尾が入った。


この布陣が、結果的に失敗してしまう。


立ち上がりから甲府は前線から激しくプレッシャーをかけてきて、

ヴェルディはDFラインで回すこともままならない。

ロングボールを蹴ればことごとく高さに跳ね返され、セカンドボール

も全て甲府が拾うという状態。

そんな流れが開始から30分は続いた。


ここのところのヴェルディの戦い方は、

序盤はロングボールで相手のDFラインを少し下げさせ、相手の

プレスが緩くなったところでDFライン~レアンドロを中心にした

ボール回して相手を左右に揺さぶり、隙をついてスピードを上げて

いく、というものです。


正直穴という穴は感じられなかったのですが、この試合では見事に

それを打ち破られました。相手の安間監督の術中に見事にハマった

と言っていいでしょう。

この試合でハッキリしたウィークポイントは3つ。


1、序盤のロングボールで競り負けると相手DFラインが下がらず、

  ボール回しに移行できない。


2、ボランチの晃誠が前を向けることで、このパス回しが成り立っていた。


3、レアンドロをイラつかせる&密着マークさせることで連携力半減。



特に大きかったのは1だと思います。

甲府は前と後ろに非常に高さのあるチーム。

ハイボールの競り合いでは7~80%くらい負けてましたね。

そのせいでボランチが思い切って上がりきれずに、ルーズボールは

全て甲府側へ。ヴェルディ好調の要因は、DFラインを含めて高い

位置取りをすることによってルーズボールを支配し、例え相手に渡ろう

とも素早いチェイシングで遅らせることによってカウンターを許さなかった

からこそです。


しかしこの試合は序盤から押し込まれ、ズルズルと引いてしまった。

特に守備的なWボランチの位置取りが低すぎて、中央で好き勝手

キープさせられてしまった。

甲府の攻め方が、片方のサイドに3人を密集させてゴリゴリと力ずくで

突破してくるというのも、中央が空いた原因でしょう。

サイドのケアに追われすぎてしまった。

これも相手のプランどおりでしょう。安間監督恐るべし。


そして2番目、晃誠の存在がここまで大きいとは。

前述したとおり、守備的なWボランチがより低い位置取りになって

しまった原因であることは間違いなくあると思います。

もし晃誠がいたら・・・なんてのは言ってはいけない。

晃誠なしでも出来るようにしなければ。コマはいるわけだから。


それからこの試合、試合後のことも含めて最大の焦点となって

しまったのがレアンドロへの相手の対応。

前節栃木戦でも、相当激しいプレッシャーを受けて、しかも審判が

とってくれないものだから相当にイラついてしまったレアンドロ。

栃木戦の内容が良くなかったのもこのせいであることは明白で、

現ヴェルディの攻撃を支えている一番のキープレイヤーが

レアンドロであることは誰の目にも明らかでしょう。


甲府は栃木戦にもスタッフを派遣し、偵察していたようですし、この

レアンドロ潰しを一番の優先事項としてやってきたことは試合開始

してすぐにわかりました。


甲府は全体的にディフェンスが荒っぽいけど、レアンドロに対する

それは相当なものでした。

遠くてあまりわかりませんでしたが、ほとんどの時間をレアンドロに

密着マークしていたのが杉山だったと思います。

そう、試合後の事件の発端となった選手です。


とにかくレアンドロに相当やってましたこの選手。

レアンドロの切り替えしに対し、ユニを引っ張りつつ軽く足を引っ掛け

たり、基本的にファウルギリギリのプレーでレアンドロを封じ込めて

いました。まぁそれでファウルをもらわなかったのは相手が上手

かったというのもあるかもしれません。

しかしプレーと関係ないところで僕が目撃しただけでも2回はレアン

ドロをこけさせていた。

試合中から口でも恐らく相当やりあっていたでしょう。


杉山がレアンドロを怒らせろという命を受けていたのは間違いない

はず。しかし熱くなりすぎた結果、試合後の人種差別問題に発展

してしまった。


多分杉山は言ってないと思います。

しかし試合中あれだけレアンドロを怒らそうというプレーをしていた

選手であることで、レアンドロが勘違いをしたのではないか、僕は

そんなふうに思っています。


勿論真相は本人にしかわからないのでしょうが、規律委員会を

設けたところで言った言わないの水掛け論で終わるのは確実。

結局はお咎めなしで終わるでしょう。


別に処分とかはどうでもいいのですが、勘違いを起こさせるような

プレーだったことは間違いないこと。

相変わらず甲府のプレーは危ない、それだけが僕の中で再確認

されましたね。(他の選手も足裏見せて滑りすぎ)



まぁそれはそれとして、試合自体は完敗でした。


しかし今後も以前のフッキと同じように、相手がレアンドロを怒らせる

作戦に出てくることは必至。

ここはチームとしてどうケアしていくか、重要になってきます。

審判は熱くなりやすい外人選手に対して非常に冷たいので、今まで

以上にファウルをとってもらえなくなる可能性が高い。


今のヴェルディにとってレアンドロは替えの効かない選手。

レアンドロなくして昇格戦線にもう一度挑戦することは不可能。


とにかくレアンドロのケア、これを最優先事項でチームとしてやって

もらわなければ。



レアンドロが気持ちよくプレーしたときのヴェルディはどこにも負けない。

それは揺るがない。