完敗。
何も出来なかった。
今日は大分のダブルボランチとDFラインを誉めるべき試合。
フッキとディエゴを完全に封じられ、この4-4-2システムの
悪い部分が大きく出てしまった。失点の仕方はアンラッキーな
面もあったとはいえ、ヴェルディは攻撃が出来てなんぼの
チーム。いくら無失点で抑えられていても、今日は得点出来
たかどうかわからない展開だっただけで内容では大分の
勝ちであっただろう。
もちろん中3日で札幌から大分という嫌がらせのような長距離
移動をこなしたヴェルディと、前節休みのあった大分のコン
ディションの差というのは相当大きかったとは思うが、今日は
それだけではなかったと思う。
とにかく大分のダブルボランチ、ホベルトとエジミウソンの
出来が素晴らしく、ディエゴとフッキを同時に抑えるという
離れ業をやってのけられてしまった。前半ディエゴが前を
向いて持てていた時間帯にシュートまで一度も行けなかった
ことで攻撃のリズムを崩されたことにより、ディエゴが後ろに
下がってきてしまってからはもう攻撃の構築すらままなら
なくなってしまった。
今までフッキを抑えられてしまった2試合、FC東京・大分戦を
みると、やはりJ2時代と同じやられかただなと思う。
・常に一人はフッキにつく
・ボールを持った瞬間に囲む
・ファウル気味に肘を入れたりユニを引っ張ったり、足を引っ
掛けたりする
・それを審判がほぼ流す
これらが全て合わさって、初めてフッキは沈黙する。
今までフッキを一人で堂々と封じ込めたのはマリノスの中澤
だけだった。やはりフッキは規格外なのだが、これらの要素
があわさることはさして珍しいことではない。
フッキに対してファウル気味に来るのは当たり前だし、フッキ
対策は囲むのが大前提であるのは周知の事実。ここまでは
自力に自信のあるチーム以外どのチームでもやってくること
だろう。要するに審判の判定に全てが委ねられていると言っ
ても過言ではないということ。そしてフッキに対しては色眼鏡
を使ってみているよ、ということはすでに明るみになっている
事実であるので、今後もちょっとのことではファウルをとって
もらえないことは目に見えている。しかもフッキにキツい審判
に限って、相手攻撃陣の軽いファウルはとってくれるパターン
が多く、それを見たフッキが余計にイライラしてしまう。
こうなるともう止まらない。今日は2枚目のイエローが出な
かっただけでも良かったかもしれない。
扇谷の時点で今日はイエロー一枚は覚悟していたし。
それとレアンドロにも相当厳しかったですね。
ほとんど流されていた。
もっとも、今日の扇谷が大分寄りだったかというとそうでも
なくて、大分側にも2-0になったあたりからあれは可哀相
だなぁというイエローが多く出始めた。
扇谷は試合のコントロールを自分でしたいのだろうか。
まぁレッドが両チーム併せて一人も出なかったことが救い
だったか。といっても、扇谷の場合これでまだマシなほうの
ジャッジなのも確か。そういった試合で巧く扇谷を使えていた
大分DF陣にしてやられたという感じ。
今日攻撃が沈黙した訳は、哲さんも言っていたように2トップ
が前線でキープできずに起点となれなかったことが大きかっ
たと思うが、その状況はこのシステムを敷いている以上確実
に訪れる。そうなった時に攻め手がなくなるというのでは、この
先安定して勝つことは難しくなってくる。僕は今日は早い段階
から河野を入れて4-5-1にするなり、手を打つべきだった
と思っている。0-2になってからではもう遅い。あの時点で
今日の勝負はほぼ決まってしまったと思う。
0-1のままなら、あれほど大分側が引いてセーフティを心
がけることもなかっただろうし、もっとサイドも空いていた
だろう。河野ももっと活きたはずだ。あれだけ密集した中を
ドリブル突破できる河野はやはり使わないのはもったいない。
早い段階で前線に投入して、フッキのマークを何枚かはが
してあげたかった。
それと今日改めて確認できたことは、フッキとディエゴの距離
が近くないと、ヴェルディの攻撃はうまくいかないということ。
どんなに劣勢でも、ディエゴは前線にいてもらうことが重要
だと思う。特にこの4-4-2ではそれが顕著に出る。
いくら前線に楔を入れても、最近の引き気味のDFラインと
の距離が長い分、フォローが遅れる。ここを額面通り、フッキ
の突破力とレアンドロのキープ力という個人能力に頼った
戦術にしてしまっては、相手としては怖さも半減してしまう
というもの。
今日のような状態にならないようにするためには、ディエゴを
前線に残して本当に7人で守り、3人で攻めるという最初の
役割を徹底するか、DFラインを上げて前線との距離を縮め
るかの2つ方法があると思う。
前者は間延びしてもカウンターで個人能力を全面に出して
いく。後者はコンパクトに保ち、距離感を縮めてパスコース
を多く作る。
後者はリスクを伴うぶん、結果が出ないとカウンターで相手
に裏を狙われるパターンになってしまう。しかしワンランク上
を目指すのであれば後者だ。前者はリスクは低いが攻撃が
単調になったり、なにより個人技に頼りすぎることになるの
で、長い目で見てチームにプラスになる要素が少ない。
でもDFラインの疲労を考えるとラインを下げてリトリート
せざるをえないのだろうか。その辺が歯がゆい。
今日は完敗だったが、選手個人個人としてはそこまで悪く
なかった。
特に挙げたいのがレアンドロ。
札幌戦から、いやマリノス戦後半からだろうか、スペースに
飛び出す動きや前線で攻撃に絡もうという気持ちがだいぶ
見え始めてきた。カウンター時にもゴール前に詰めていたり
と、そろそろエンジンがかかり始めてきたという印象。
DF意識も相当高いし、これでキープするだけでなく一人
抜くくらいのことが出来るようになれば相当効いてきそうな
予感が漂い始めている。レアンドロを生かすというのも、
今後に向けての一つのキーになるだろう。
次の清水戦、連敗は許されない。
次は那須も戻ってくるが、土屋の腰はどの程度なのか、
そういう心配事もある。しかし一番の心配事はこういう
引いてフッキやディエゴ封じをしてくるチームに対しての
打開策をこちらも用意しなければいけないということ。
この4-4-2を進化させなければいけない。
守備のみに気を配るのはもういいだろう。そろそろ攻撃に
焦点を当てなければいけない。
少しはリスクチャレンジしてもいい選手構成だと僕は思う。
守備の不安を排除し、攻撃は外人任せでは一定から上には
行けない。(ずっといいアタッカー陣を保有出来ればいいが)
ここからどうしていくのか、哲さんの手腕に期待したい。