明日から週末まで泊まり仕事なので、現システムについてと

今後へ向けて思うことをつらつらと。


ナビスコ清水戦、柏戦と5失点ずつをし、守備崩壊を立て直す

ためにとられた名古屋戦での4-4-2トリプルボランチ。

それに結果がついてきたためその後も継続し、2勝1分という

上々の結果がついてきました。そのことにより自信も回復。

しかも昨日のクラシコと銘打たれた重要な試合で勝利した

ことでその自信もより確かなものになったことは凄く大きな

出来事だと思います。


ここまでで率直に思うことは多分、この4-4-2というシス

テム自体が守備の安定を作っているとなるでしょう。

まぁそれはあながち間違った考えではないでしょうし、今後も

結果の出ているうちは継続すべきシステムであるとも思いま

す。

しかしながら、僕はどうにも内容と先を見据えてという部分を

常に重視して見てしまう性分なので、結果がついて来ていて

も現状には少々疑問符を持っています。



1、攻撃時の形の少なさ。(個人技頼み)


 名古屋戦の2トップは見事でした。役割が4-5-1時の

両サイドとほぼ同じだったことで、ワイドな展開を崩すこと

なく、しかも前にスペースの空いたところへディエゴが侵入

していくことで攻撃力を落とさなかった。

もともと1トップで機能していた人材が見当たらず、潰れ役

になってしまっていたので、DFを分散すること自体は1トップ

に誰もいなくてもほとんど変わらない状態で出来た。

要するに今まで攻撃側で無駄になっていた部分を切り取り、

菅原というアンカーに置き換えることで単純に守備の人数が

増えたことと、確実に守備第一の菅原がいることでSBや

ボランチが上がりやすい環境を作った。それと2トップが

両サイドに開くことでディエゴにフィニッシャーとしての意識

も自然と芽生えたという一石二鳥の部分になって表れた。


しかしフッキが復帰してからの2試合は2トップにフッキと

レアンドロが並ぶと、フッキは真ん中を突こうとし、レアンドロは

サイドに開くため、結果4-5-1の時より片方のサイドが一人

少ない状態になるという弊害が生まれ、名古屋戦のように

ワイドな展開を作ることが少なくなった。

もっとも、マリノス戦はそのサイドからの攻撃で2点を挙げて

いるのでその辺どうなのよと思う人もいるだろうが、僕はあく

まで、今まで結果が出ないときは運が掴めていなかった部分

が大きかったと思っているので、マリ戦のあの2得点は自信

が運んできてくれた運であったと思っている。


1点目は相手田中の大チョンボ。

3点目は以前から同じように仕掛けていた福西にようやっと

結果が出ただけ。喜ぶべきは結果がついてきたという事実

であって、こと攻撃においてはこのシステムは4-5-1に

比べ恩恵が少ないというのが僕の結論です。



2、トリプルボランチの人選が、控えに富澤しかいない。


 ボランチに入った3人はとても良く闘えていると思う。

特に守備においては数的優位が出来たことで粘り強さが

出てきたし、なにより守備に対する自信と余裕を生んだ。

しかしまだ前線へ絡む時間が短かすぎる。

とにかくチャンスになっているのは大野と福西が攻撃に

絡んだとき。二人ともサイドに流れることによって起点と

なり、サイド攻撃を生んでいる。しかしこの二人がある

程度前線に絡まなければ、攻撃の人数が少なくなって

しまい、前線の孤立を促す。

守備を重視するあまり、守備偏重の考え方になるとずっと

押し込まれた状態になってしまう。よってトリプルボランチ

の人選が非常に重要になっているシステムだと思う。

大野と福西が積極的に攻撃に絡めるかというのが生命線

であって、そこで初めてこのシステムが有用であるという

ことになると思う。

で、現状このポジションで通用しそうな選手が富澤しか

見受けられない。本来なら晃誠が大野の控えとしては

適役なのだけれど、イマイチ信頼を得られていない。

まぁ信頼感もそうなのだけれど、このシステムにおいて

成功している理由として、菅原と大野の出来が出色で

あることも大きい。元々福西は外せない選手なので、

やはりこの3人が揃ってやっと一つの戦術として使える

状態であるのが現状。よって固定人選での戦術というのは

あまりにも今後へのリスクが大きすぎる。今までの4-5-1

ではDFライン以外どこも代役がいたのに対し、4-4-2に

おいては中盤以降の人選が固まってしまっているのが少々

いただけない。



大きな理由としては上の2つです。

僕はシステム的な攻守のバランスという意味では、

4-5-1のほうが良いと思っています。神戸戦で見せた

攻撃。あれこそがフッキを入れた場合に求める効果であると

思っています。あの攻撃は両サイドがワイドに開くことで相手

DFの注意を分散させ、フッキの負荷を軽く出来ていたことが

大きかったのだと思います。

哲さんは2トップにすることでフッキの負担を軽く…と言って

いますが、僕は1トップだろうが2トップだろうがフッキはどの

みち一人で行くところは変わらないので、4-4-2では単に

分散役が減っただけに見えてしまいました。

その証拠に、近くにデイエゴが上がってきた後半はフッキも

だいぶ前を向いて持てるようになった。

とにかくヴェルディの攻撃は、フッキに前を向かせることを

前提として考えるべきであります。2トップにするなら、もっと

フッキの近くで戦える選手を使わなければ、昨日の前半の

ように停滞することが濃厚かなと思います。

推進力の期待できないレアンドロを使い続けるのなら尚の

こと。マリノス戦後半のようにディエゴをずっと高い位置で

保つことが出来るかが4-4-2を成功に導くカギであって、

それは大野と福西がゲームを作るということを外国人トリオ

に認めさせる作業が必要です。果たしてその作業ができる

ものなのか…



さて、そして今後についてなのですが、僕が思うことを綴って

終わりたいと思います。


・ディフェンスの意識づけが済んだら4-4-2トリプルボランチ

 に頼る必要は無い。

・4-5-1のオプションも常に意識しておくべき。

・4-4-2をどうしても継続するのであれば、2トップの人選

 から見直してみてもいいのではないか。

・どうしてもレアンドロを使うのであれば、他の場合より増して

 重要なのがSB・中盤の上がり、サポートの意識にある。

これが出来ればレアンドロは一気に有益な人材となるハズ。

・ディエゴが常に高い位置を保てるか。



フッキが気持ち良くプレー出来ること。これが出来ればJ1今年

の残留はもう見えたも同然。早くそれを模索してチームの形と

しなければいけない。

結果の出ている4-4-2。

この扱い次第で相当変わってくるのだけは間違いない。


間違ってはいけないと思うのはこのシステムは結果が出ている

のだからいじるなという圧力をサポが出してしまうこと。

マリノス戦も終盤は4-5-1になっていた。こういうシステム

変更を柔軟に出来る状態を保てれば、懸念される固定人選と

いうものも解消される。


僕は勝てなかった原因は自信の問題だけだったと思っている。

結果が出始めた今、そして重要なクラシコ、マリノス戦に勝利

したことでこの自信は確固たるものになったハズ。恐らくもう

柏戦のような守備崩壊はないだろう。あとはどう攻撃を考える

か。攻撃が停滞していたらまた守備に悪影響を与えることに

なる。


4-4-2のまま攻撃の構築を進めるのか、

4-5-1にしてより攻撃に重きを置くのか、

そこら辺の見極めと決断が今後の見物だと思います。