今週のサカマガで、今更ながらに初めて知りました。

ドイツW杯であまりにもチームがファイト仕切れていなかった

理由を。そして中田英がブラジル戦後、一人で倒れこんで

上を見つめていた時に誰も寄り付かなかった理由を。


それは中田英と、その他の選手との間に大きく開いた溝が

原因であったようです。

中田英はあのドイツW杯に賭けていた。それは誰が見ても

明らかであったと思います。嫌いなメディアを通してまで、

選手達の試合内容に注文をつけたり苦言を呈していたり

していましたしね。

で、外でもそれですから、中ではもっと痛烈にやっていた

ようです。中田英は強くなって欲しいから、自分の経験則

から導き出した答えを教えていたのでしょうが、他の選手

には何を言っているのかわからないので、ただ単に愚痴

られているとしか思えなかったようです。

そのうち選手として尊敬していた中田英に対しても、単に

ウザいという感情しか持たなくなり、孤立していく中田英。

ゴールデンエイジと呼ばれた同世代が多くいたことも、

それに拍車をかけたようですね。同世代で固まってその

間だけで言いやすい意見を言うために、「中田ウザくね?」

という風潮が出来てしまったよう。所謂中学生なんかに

おけるプチいじめに近い状況だったのでしょうね。

仲良しグループで固まって一人の先輩の陰口を叩く。


もちろん中田英の言い方が相当悪かったのだろうとは

想像に難くないです。そして選手達に伝わらなかった訳も、

なんとなくわかる気がします。多分欧州のトップリーグで

得た、中田英だけの数々の経験からの答えは、選手達

には理解できなかったのでしょう。方程式を知らないで

Xの答えを説明されているような感じでしょうか。


それから中田英は、ミニゲームでも思いっきりシュートを

撃つなど、とにかく実践を想定した練習をしていたようです。

しかし他の選手達は、そんな中田英の姿勢を冷ややかな

目で見ていたとか。中田英のチームと替わって入った

チーム同士では、「キョシュー(強いシュート)やめない?」

と苦笑いしながら話していたそうです。

中田英からすると、練習でやっていないことが実践で出来る

ハズがないという明快なことなのでしょう。でもすでにやる

ことなすこと他の選手達の目に耳に入らないようになって

いたことも容易く想像できます。


そして選手達の心を頑なにしていったのは、中田英がジーコ

に直接自分の意見を伝えたり、スタメンなどの提案をして

いたということもあるようです。



なんか、これらの記事を見て思ったのは、凄く日本人的だな

ということ。集団で固まり、意見をすり合わせるところや、

ズケズケと直接文句を言ってきたり、ジーコにも遠慮せず

意見を言いに行ったりすることが「でしゃばりやがって」と

いう思いを抱かせたんでしょう。


W杯中に行った中田英のマネジメント会社主催の決起集会

でも、カウンターで一人飲む選手や、仲の良い選手だけで

集まって談笑だけするなど、チーム一丸とは程遠い状態

だったそうです。


この代表で不運だったのは、色々な要素が絡まってしまっ

たことかなと思います。


・中田英が相当ドイツW杯にかけていて、気合が入って

 いたこと。

・選手構成が同年代で固まってしまったこと。

 (仲良しで集まれる環境があったこと)

・ジーコが自主性を重んじたこと。

・チームに緩衝材となる実績あるベテラン選手がいなかった

 こと。


様々なものが重なって、すでにチームとは言えない状況で

W杯を戦ってしまったことで、あんなバラバラでやる気の

感じられない試合になってしまったんですね。

道理で中田英だけが頑張ろうとしているように見えたわけ

です。


あまりにも日本人的なので、その時の選手達を責めようと

いう気も起きません。ただ、周囲がなんとかしてあげること

が出来たんじゃなかろうかと思うと残念です。

折角のゴールデンエイジの脂の乗った時にこんなつまら

ないことでW杯をフイにしてしまったなんてね。

どうにもやりきれないです。