昨日は1トップの人選においての違いを考えましたが、今日は

全体的な昨季との違いを考えていきたいと思います。

基本的に対照とするのは、昨季はフッキがいた時、今期は

開幕戦の鹿島戦で、共に4-5-1の布陣の場合とします。


わかりやすく、5段階でなにがどのくらい変わったかを表して

みました。(あくまで主観です)



<攻撃時>

・上がったもの・

ポジションチェンジ(流動性)    今>>>>昨

ワイドな展開力            今>>>>昨

両サイドの積極性          今>>>昨

ボランチの攻撃参加        今>>>昨

セットプレー時の期待感      今>>昨

パスワーク              今>>昨

SBのクロス精度          今>昨


・下がったもの・

FWの得点力             今<<<<昨

前線の高さ              今<<<昨

個人突破力             今<<昨

SBの個人突破力          今<<昨


<守備時>

・上がったもの・

ハイボールの競り合い       今>>>>>昨

中盤の守備力(プレス)      今>>>>昨

粘り強さ                今>>>>昨

守備ラインの高さ          今>>>昨

セットプレーの守備         今>>>昨

両サイドの守備力          今>>昨

DFラインでのボール回し     今>>昨


・下がったもの・

GKのキック精度(ボール扱い)  今<<<昨




とりあえずザっと思いついたものを並べてみました。

それぞれ補足を付け加えていきたいと思います。


まずは<攻撃時上がったもの>

とにかく目立ったのは流動性とパスワーク。

選手が連鎖しながらワンタッチ・ツータッチで繋いでいくのは

川崎のヌルい中盤のプレスには効果覿面だった。

もう一つ目立ったのはワイドな展開力。これは福西の展開力

と両サイドの動き出しの良さが上手くマッチしたものと思われ

る。走ったら必ず報われる(使ってもらえる)という気持ちも、

この展開力に一役かっていたのかもしれない。


<攻撃時下がったもの>

基本的にはフッキ個人が請け負っていたものが下がった

ポイント。個人突破力に関しては、河野や平本など、途中で

入ってきた選手で上積みもあったが、それでもフッキ個人

だけの突破力には到底及ばない。あれは強烈すぎました

からね。仕方ありません。


<守備時上がったもの>

とにかく高さ。那須が入ったことも大きいし、SBの和田も

CBも出来るため、DFライン全員がCBを兼備できる選手

構成。正直露骨にそういう選手で固めた札幌のDFライン

よりも強力なのではないか。加えてとにかくボランチの高さ

が昨年とは段違い。このまま富澤が守備的ボランチとして

菅原を出し抜く活躍を見せ、定着したとしたなら、J屈指の

高さを備えるダブルボランチとなるだろう。

あと目に付いたのは、昨年よりDFラインを高くし、前線から

追い込んでプレスする形を徹底していた部分。昨季は守備時

は一旦リトリートして、という形が多かったが、J1仕様にして

きたあたりは天晴れ。恐らく哲さんが就任して一番やりた

かったことはココだろう。

あとは開幕戦だから気合が入っていたからなのかもしれない

が、気迫が違った。とにかく粘り強く足を出していっている。

ギリギリで防いだ部分は、今後生き残っていく上での生命線。

あれでシュートが抜けてくる頻度が高くなってきたら黄色信号

だろう。


<守備時下がったもの>

正直、開幕戦だけ観た感じでは土肥のキック精度くらいしか

思いつかなかった。バックパスがほとんどなかったため、

実際は開幕戦では土肥のキック精度の悪さはわからな

かっただろうが、FC東京では「土肥ちゃんキック」と言われ

恐れられていたもの。1試合に1~2回は危ないキックが

出てもおかしくないだけに、ここだけは注意したい。



ザっとこんな感じかな。

個人的に収穫だと思ったのは、Wボランチの高さと安定感。

那須の強さと機を見ての攻撃時の揺さぶり(DFラインで

ボール回しをしている時にドリブルでつっかけていく動き等)

、和田の守備力とタイミングのいいオーバーラップ。

とにかく守備の良さが目立ったと思う。前線からのプレスも

効果的だった。

下がったものはとにかくフッキのピース。

しかし失ったフッキの個人能力の代わりに、ヴェルディは

全員の意識の高揚と、パスワーク・ワイドな展開・守備力の

向上というストロングポイントを手に入れたと思う。

今後はこれをベースに、とにかく得点力(決定力)を上げて

いくこと。こればっかりは運も絡んできますけどね…。

まずは誰か一人でも得点感覚に目覚めなければ、いくら

いいサッカーをしていてもしょうがない。昨年の甲府のように

ならないとも限りませんからね。(さすがに甲府のFW陣より

は得点力はあると思いますが)


まとめてみても、僕は昨シーズンよりポジティブなことが多く

感じました。あとはこれがフロックだったということでないこと

を祈るだけです。フロックでないと証明するためにも、次の

鹿島戦がとにかく重要。証明するだけでなく、選手達の完全

な自信に繋げるためにも、とにかくあのいい内容を持続して、

鹿島に一泡ふかせたいところです。