ここのところ不動のダブルボランチとなった大野と菅原。

今年ヴェルディはここの人選が最も難航したが、最終的にやっとベスト

チョイスを発見できた。


7連敗後ほぼスタメンに入った菅原は変わらず好パフォーマンスを披露

してくれていたけど、相方のレジスタタイプはとっかえひっかえになって

いた。別に全員悪かったわけではなく、ちょこちょこいいパフォーマンス

を見せる選手はいたのだけど、毎試合安定してという選手は現れな

かった。

現不動のスタメンとなった大野も、試合によっての波が激しかった。


その大野が今、どうしてこうも変わったのかちょっと考えてみました。


現在の大野の素晴らしさ、それはとにかくディフェンス時のファースト

チェイスにあると思います。

菅原がキーマンとバイタルエリアのケアを中心に行い、大野はボール

ホルダーに対してファーストチェイスに行く。

この役割分担がしっかり出来たのが守備の安定を生んだと思います。


で、このファーストチェイスが何故出来るようになったか、なのですが、

僕が思うに、それは名波が大きく影響しているのではないか、と考えて

います。


中盤戦以降で名波が復帰してきて数試合、ラモスは名波を使いました。

この時は正直それほどいい結果が出たとは言い難いですが、名波自身

はベテランのテクニシャンがここまで走るか、というくらい相手ボール

ホルダーに対してチェイスを仕掛けていく様が凄く印象に残ったのを

覚えています。

が、このチェイスは奏功しませんでした。

なぜなら名波自身の元々の守備力と、年齢的な衰えや足の遅さ。

これらのことでチェイスに行くもコースを限定する前にかわされてしま

ったり、ギリギリになってファウルでしか止められなかったりといった

具合だったわけですが、それでもチェイスを続ける名波には、何か

「これがボランチの仕事なんだ」

という声が聞こえてきそうにさえ思えました。


僕的には、大野も同じことを感じたのではないかな、と思うのですよ。

まぁたまたま僕がこう思っただけで、感じ方は十人十色なのも承知

していますし、正直僕もまさかとは思っていますが、それにしても

その名波の後スタメンをとった大野の変わりっぷりには目を見張るもの

があると思います。これはなにかあるんじゃないかと思ったわけで。


まぁ、大野がトレーニングの中で自分なりに考えて出た結果だとしたら、

これほど頼もしいこともないしそちらの方がいいんですが…もしこう

だったら美談だなぁなんてのも思ったりします。


思えばラモス就任直後、大野をボランチに据えたものの上手くいかず、

キャプテンなのにベンチを温めることも少なくありませんでした。

それがJ2で2年を経て、チームも紆余曲折、酸いも甘いも経験して今、

様々なものが集大成となりつつある中で、大野のボランチコンバート

という試みもまた、集大成を迎えつつあるのかなと思うと少し感慨深い

感じがします。


最近は機を見ての前線への飛び出しも増えてきた大野ですが、その

部分に関してはもっともっと絡んでいってほしいと思います。

やっと守備で形を見つけた大野。次はいかに攻撃に絡んでいくか。

そろそろ次の段階に進んでもいいのではないか、と思います。