開幕から5試合を4勝1分とした好調ヴェルディと

言われていたが、とても調子がいいようには見えなかった。


攻撃はフッキの、守備は土屋と服部の、どちらも個人の

技術によるところが大きく、戦い方自体は

不安定でなんとなく勝っていた状態。

まるで昨年の同時期に戻ったかのように見えた。


それでも正直開幕戦をみた時、チームは相変わらず個人主体だが、土屋や服部の対人能力、フッキの破壊的な個人技、そして名波のキープ力と居を突くパスセンスという、J2にあるまじき圧倒的な個というものを見せ付けられたので、さすがに昨年ほど崩れ切ることはないだろうと思っていた。


甘かった。


一度負けたらそんな圧倒的な個を持っている選手たちもどんどん

混乱していき、自信をなくしていき、完全に昨年の酷かった状態の時と

同じ症状が現れた。結局7連敗。

中には何度か勝てるチャンスのある試合もあった。

いや、全ての試合に存在したようにも思える。

でもその分岐点をヴェルディは全て負の方向に進んでしまった、

いや、進まされてしまった。こういうときにはなにをやっても

ツイてないように思えてくるもので、実際普段なら決めていたで

あろうシュートは入らず、普段なら跳ね返せていたであろうシュートを

入れられ、審判の判定にも泣かされ、選手が気の毒に思えてくる。

ただ、それらは全て避けられない不運ではなく、

連敗からくる精神状態が原因だったと思う。


チームがどん底の精神状態の時は、色々考えすぎてしまったり、余裕がなくなるから視野も狭くなり、余計な力が入ってしまうため、普段ではあり得ないプレーしか出来なくなってしまうものなのじゃないかと思う。審判のジャッジにも、余裕がないから過剰に反応してしまい、より精神状態を乱されたり、酷いときはイエローに繋がって退場してしまったりと、あたかもツキがないように映ってしまうのだと思う。


ただ、もしもその時何か拠り所があればそこまでの精神状態にはならなかったんじゃないかと。

例えばチームとしての意思統一(戦術、戦い方など)や、選手個々への信頼感など。


ラモス監督が非難されるとしたらこの部分であって、開幕までにそういった拠り所をチームに与えられなかったことだろう。昨年1年間率いたチームにも関わらずである。


ただ、そこには仕方が無いといえる部分も存在する。

なんせ昨年のチームに加え、大型補強により

スタメンが一気に変わったわけだから。

もっとも、その大型補強をそのままチームにまるっきり

投影してしまうあたりは監督経験の少なさなのか、

結果7連敗を引き起こすきっかけになってしまった。


僕は、それらは結果そうなったにすぎないだけで、たまたまでも勝利がついてきていたら、徐々にチームとしての戦い方も構築されていた可能性もあると思っている。ただ、監督というものは結果論で評価されてしまう職業であるわけだから、それが上手くいかなかった以上はラモスが非難されてしまうのは当然のことでもある。


そんなこんなでラモス監督解任が現実的になった京都戦、正直その前の湘南戦の大敗によって解任は決まったと思っていた。しかしそこで踏みとどまって4-1の快勝。やっと手にした勝利はラモス続投という結果になった。


そこから山形戦のもったいないドローを挟み、連勝で現在に至る。

正直戦い方をみていてもまだまだいいサッカーは出来ていない。

ただ、チームの精神状態が通常に戻っただけのことだと思う。

もちろん連敗中に試行錯誤してきた中で、ラモスの考え方の中で

ディフェンスに重きを置くようになったことも安定して勝てるように

なってきた要因はあるし、その流れで3-5-2に行き着いた

こともしかり。それでもやはりまだまだだと思う。

(なぜ3-5-2にした途端に守備が安定したのか

という部分は書き出すと長くなりそうなのでまた後ほど)


ラモスがずっと言い続けていることがある。

チームが安定して勝てるようになるためには一度、

3連勝や4連勝が必要だと。


なにを当たり前のことをと思う人もいると思うが、

これは結果の問題ではなく、メンタル面のことを

言っているのだと僕は解釈している。

安定して勝ちを得るには、それ相応の

自信が必要になってくる。揺ぎ無い自信が。


今日ヴェルディはその3連勝を賭けて勝負する。

本当に安定できるか、それはここから先の2戦の結果で決まると思う。

基本は内容を重視して観る僕だけど、この2戦については結果のみ重視です! それだけこの2試合が重要だと思っています。


正直ラモスは京都戦の時で辞めておくべきだったと思っていました。

それは僕個人がラモスをどう評価しているかは問題ではなく、

ネットなどを観る限り、大多数のサポが限界にきているようであったから。


しかしながら、折角ラモス続投決定後、ここまで最高に近い結果で来ているわけだから、このまま安定してもう一度全員で、ラモスヴェルディでJ1昇格を闘えるようになって欲しい。


僕自身はラモスが就任時に、「3年見て欲しい」と言っていたので、

元々3年我慢するつもりでいます。だからこそ、ラモスで昇格できる

チャンスがあるのならそうなって欲しい。その切符を再発行して

もらえるチャンスが、この先の2試合には転がっていると思います。