子鉄はジャムを塗った食パンサンドのかけらを口におしこみ牛乳を飲むと、学習まんが日本の歴史を見開いたままテーブルに裏返して立ち上がった。

リュックを背負う。

子鉄「今日は算数?」

私「うん算数だよ。算数のが好き?」

子鉄「うん!」

SAPIXの授業は、国語と算数を週替わり交互に行う。
先週は国語だった。
コースは違えど皆一年生。
国語は、まぁ、よくみる光景だった。
身体が揺れている子が多かったし
立ったまま机に手をついてエンドレスにジャンプしている男児もいた。
彼はジャンプしながら考えるタイプなのだろう。

算数のほうが好き。と子鉄は言った。

そういえば先々週の算数は、
不思議だった。

子鉄がじっとしているのだ。

じっと机に向かって課題に取り組んでは、先生の方を向いている。
具合でも悪いのか。
落ち着きのない、無駄口の多い子鉄の
今までにない姿をみた。

子鉄だけではない、他の子も誰ひとりよそ見している子がいなく、高学年の教室か?と思えるくらい
集中した様子なのだ。

皆が皆、先生の話を聞いている。

90分もの授業にどうやって集中させているのか。

先生の手の内を晒すのは
申し訳ないのだけど
タネ明かしを聞いて
さすがだな〜と思った。


子鉄「あのね、先生は

私「え? (えっ…)あっそうなの…?  じゃあ地球人に化けているんだ」

子鉄「うん。宇宙人の声でしゃべるんだよ!」
うふふと嬉しそうに笑った。

なーるほどーねー!!

宇宙人の声と地球人の声で使い分けながら
教えてるのか!

そりゃ一年生なら夢中になるわ!

さすが成り切るね!プロだね!いなせだね!

先生の最後の挨拶は、
ではそろそろ宇宙に帰ります。」
で締められた。
プロすぎるプロの最終形態すぎる

で、昨日のSAPIX3回目。
終わって早速、子鉄に聞いた。

私「先生、宇宙から戻ってきたって?」

子鉄「うん、地球にやってきましたって言ってた!」

プロすぎ〜

先生に全身タイツ差し入れしたい衝動にかられた。銀色の。




全国の塾講師のみなさま
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