息子が突然
ぼくもう「お」をつけるのやめる
と言ってきた。
はっとした。
すっかりお受験から遠ざかって
忘れかけていた
お の存在を
息子が園で何か言われたのか
自分で他の男の子の言葉遣いと違うと気付いて
恥ずかしいと思って言ったのか
わからないが
まず自ら お を封印することに決めた
その決断に
エールを送りたい。
振り返ってみれば、たしかにお受験のときは
「お」を多用というか
乱用していた。
息子「今日はお教室の日だよね」
私「そうね。おカバンに宿題のお粘土入れた?」
息子「うん入れたよ。あっこの間お教室で使ったお鼻紙が入ったままになってるよ」
私「あら、前回のお教室でお野菜を作ったときのお鼻紙ね。お試験でお野菜を作ることもあるらしいから、また練習しておこうね」
息子「今日のお夕飯は、お鍋でしょうママ。お豆腐忘れないでね」
私「うん。お教室の帰りにお買い物に寄りましょうね」
お受験家庭の一幕です。
お受験勉強をしている中で
この お
は、非常にくせものだった。
普段の会話で「お」の使用を子に強いているにもかかわらず
試験ではこんな問題が出るのだ。
もち→ちりとり→りす→砂場
しりとり問題。
お受験家庭の子供は
おもち→ちりとり→りす→お砂場
なため、
おがつくものを探してしまい
砂場やもちにつながらないのだ……
私は当時、頭を抱えた。
おうち
お蕎麦
おうどん
お花
おさかな
お肉
お味噌
など
普段の会話で使っている「お」が多いこと。
こうしたものがしりとり問題に出た場合
試験のときは常に
お
を外して考えなければならない。
(行動観察用の)普段の言葉遣いでは
おをつけ、
ペーパーでは
おを付けない、
という使い分け。これを5歳、6歳の子に教える。
教え込まなければならない。
すごい無意味で理不尽だけど
これがお受験……
だからいっときのお受験用語って言われるんだけどね。
息子の
「お 」からの卒業宣言を聞いて
息子なりに前へ進んでいるのだなと
感じた一件でした。