住宅難民。。。善良な人々を守るために本当に必要なルール
生活に困窮している人や、ご高齢の方、シングルマザーが
住宅費用に収入の多くを占められて困っている。
日本の政策に課題があるのでは?
というステートメントがあった。
大家の立場として、大いに『課題』に共鳴する。
ただし、この課題は
『異常なほどのテナント保護ルールに始まっている』
ことに気づいてほしい。
大半のテナントさんは、いい人たちだ。
大半の大家も、いい人たちだ。
もちろん、ごく一部の『無茶な当事者の乱暴な利己主義』から、
善良な人々を守るためにできている不動産賃貸の各種ルールであることは理解する。
けれども、現行ルールは、善良な人を犠牲にしている。
何でもかんでも、費用は全て『大家持ち』。
ところが、費用を持たされているのは大家にもかかわらず、
『いざ、権利行使』と思っても、
実際には、ほとんど、なにも行使できない。
ルールに縛られて。
丁寧に部屋を使ってくださっていれば、原状回復費用も安い。
でも、今は、丁寧に使おうが、荒っぽく使おうが、
原則、全部、大家の負担で、原状回復だ。
当然、酷い使い方をするテナントさんが増えてくる。
丁寧に使ってくださる大半の善良なテナントさんにも、
『荒っぽいテナントさん』の分の費用が按分して計上される。
是非を問わず、これは経済行為として、当たり前だ。
家賃滞納が恒常化しても、退去してもらうための手続きに、
とんでもない費用がかかる。
これも、長期的に見れば、
善良なテナントさんに、平たく経費按分される。
善良なテナントさん、善良な大家が、
一部の『荒っぽい人』のために、割りを食っているのだ。
建物が古くなれば、家賃は下がっていく。
それだけで、ちゃんと経時劣化の恩恵を
大家からテナントに与えるマーケットになっている。
にもかかわらず、政策的に、原状回復は、
これをほぼすべて経時劣化と看做し、全部、大家負担。
これを『原則テナント負担』にするだけで、
部屋を丁寧に使うテナントさんは、きっと、救われる。
『荒っぽい人』の所業は、本来、
『荒っぽい人』の負担であるべきだ。
丁寧に使う善良なテナントさんの原状回復費用は安価だ。
その恩恵は、善良なテナントさんが受けるべきだ。
残念な政策が、
善良なテナントさんの家賃を高止まりさせている。
また、家賃滞納が恒常化すれば、
速やかに退居していただけるルールにすれば、
ちゃんと払ってくださる大半の善良なテナントさんは救われる。
もちろん、一部の荒っぽい大家の所業を制裁するルールには
大賛成だ。
けれども、一部の荒っぽいテナントさんのために、
ひどい仕打ちを受けている善良な大家が結構いることも
理解した方がいい。
善良な大家が、きちんと守られていれば、
家賃のマーケット価格は、いずれ下降することに
間違いはない。
一部の荒っぽいテナントさんが
『善良な大家に対してかけている無茶』までもが、
政策によって守られてしまっていることが
家賃高止まりの最大の原因なのだ。
善良なテナントさんこそ、
この異常な状況を創り出している政策に
異を唱えたらいいと思う。
お互いに責任を持ち、
テナントさんと大家の権利が対等になれば、
善良なテナントさんの家賃は
長期的には必ず下がるはずだから。