この鞄製作所の大ファンだったけれど。。。
7年ほど前、気に入って買ったカバン。
年300日くらいは、一緒に過ごしている。
かなり、高い価格設定のメーカーだが、
ここの製品を3つ、続けて買った。
僕は、この鞄製作所の大ファンだった。
先日、取っ手の傷みが激しく、修理を依頼した。
そして、僕は、ファンをやめた。
僕が依頼した修理は、取っ手の交換。
そして、内装に、Dリングを新たにつけること。
取っ手の交換は、OK。
Dリングは、NGだった。
現在、僕のカバンと同じものを
この鞄製作所は、製作していない。
僕のカバンの『後継機種』らしきものは、
現在も販売されている。
その『後継機種』には、Dリングが、ついている。
7年間、2100日以上は、僕の傍らにいるカバン。
僕にとって、使い勝手の良いこのカバンへの
唯一の不満は、『鍵を探すとき』に感じている。
だから、依頼したのだ。
結論。
技術的には、可能だが、
会社の修理理念に反するからNG...だった。
D管は、販売時には、付いていなかったものだから、
NGだ。。。と。
彼らに、その修理理念を尋ねた。
『販売時に戻す』。。。だった。
更に、質問した。
会社のトップが語る『その理念』を
あなたは、どう解釈しているのだ?
と。
私が、あなただったら、
その理念を以下のように解釈する。と言った。
自分たちが販売したものには、
その寿命が尽きるまで、
お客様に愛用していただきたい。
だからこそ、技術的に修理できるのなら、
どんな修理でも、承りなさい。
たとえ、今は、使っていない材料でも、
取り寄せて、販売時の仕様に戻しなさい。
今は、使っていないミシンでの縫合が必要なら、
手縫いしてでも、販売時の仕様に戻す気持ちで修理しなさい。
可能な限り、可能な限り、
販売時の輝きに近づけて差し上げなさい。
お客様が、その費用を受け持つ限り。
僕は、心の底から、そう思った。
顧客満足が根底にない理念など、
ないはずだ。
ならば、『後継機種』についている
Dリングひとつのために、
寿命半ばのカバンを『亡き者』にさせて、
新しいものを買わせるような。。。
そんな『顧客対応』を、
トップが望んでいるはずもない。
そんな主張をさせていただいた。
反応は、残念なものだった。
僕は、この鞄製作所のファンをやめた。
カバンの取っ手は、修理してもらうことにした。
いろいろな価値観があるだろうけれど、
衝動買いはしない僕は、買ったものを大切に使う。
服にしても、僕のワードローブの中には、
44年前のジャンパー(母の形見)が現役だ。
42年前のコートが現役だ。
44年前のシャツ。
僕はサイズの問題で着られなくなったが、
妻のシャツとして、だけれど、現役だ。
30年前なら、数えきれない。
モノの命が尽きるまで、僕は付き合う。
僕は、ものを買うとき、いつも、思う。
ここのファンに、なれたら、いいな。。。と。