職業選択を考える子どもたちへのメッセージ | まわりから『ありがとう』と言われて、生きていきたい

職業選択を考える子どもたちへのメッセージ

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   職業選択を考える子どもたちへのメッセージ


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今年の春、某中学校より依頼を受けました。


『職業選択を考える子どもたちへのメッセージ』


のタイトルで、中学校3年生宛てに


ちょいと『書け』と。


中学生相手だからな~!!


自分の体験を『そのまま』ぶつけてみました。


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学生最後の春休み、
社会に飛び出す自分に強い不安を抱きました。


今日の今日まで、
私はいつでもお金を払って生活をするばかり。
買い物も趣味もスポーツも、習い事も。
学校だって授業料を払って通っていた。


言わば、お客様。


自分では稼ぎもせず、
収支のバランスも考えずに、
必要か否か、欲しいか否か。


ほぼそれだけを基準にして24時間365日。
気がつけば、いつも自分はお客様。


でも、これからは、
お金をもらって生活しなければならない。


お客様から、
ありがとうの言葉と同時に
お代を戴かなければならないのだ。


それも、自分の生活費を上乗せして。


お客様はわかっているだろう。
私の生活費込みの値段だと。


不安だ。


私なんかに、『ありがとう』
と言ってもらえる仕事ができるだろうか。
私の生活費なんか払ってもらえるのだろうか。


このとき、私が出した答え、
否、私が出せた答えはこうでした。


周りを見渡せば、みんな働いているではないか。
あちこちで売り手と買い手が
互いに感謝して商売しているではないか。


この人たち、みんながみんな、私よりも器量良しなのか。


否。


私だって、
人が諦めたことを最後まで諦めずにやったこともある。
心の痛みに耐え抜いたこともある。


そうだ、私にだってできるんだ。
なにも、世界一の称号を持った人しか
生きていけないわけではないのだ。


今の時代、
職を得るための技量を向上させる実務教育に
教育者も学生も熱心ですが、
そんなものは一切必要ありません。


特にこれからの時代では必要性が減るでしょう。
社会が高度化し、
それぞれの職務の持つ専門性が高度化しているからです。


これは技術の縦割り細分化を意味し、
同時にその狭い範囲内での技術の進歩、深化が
急テンポであることを意味します。


あなたが今、知識としての実務教育を受けても、
技術の進歩により、
残念ながら1年後にあなたの実務技量は陳腐化し、
数年後には浦島太郎状態になります。


と同時に、技術は細分化されていますので、
心が健康で、
知識のfundamentalさえしっかりしていれば、
その分野に数年身を置き、
自分を鍛えれば、
先端技術を身につけることができます。


ここ、注意してください。
もう一度言いますよ。
『自分を鍛えれば、』です。


今、あなた方がやるべきことは、
自分を鍛えることに、慣れること。


将来、苦しいことに出会ったとき、
自分を鼓舞することのできる誇りを持つ、
その誇りの裏付けとなる努力をすることです。


裏付けのない誇りは過信でしかありません。


でも、努力も過信しないでください。


努力したって世界一になれないことが多いです。


でも、信じてください。


技術評価が細分化されたこの時代、
多くの細分化された分野で、
努力すれば、
誰でも、世界で100番位にはなれると思います。


知識のfundamentalがしっかりしている人には
もうわかりますよね。


世界の100番ということは
日本では1番かもしれないし50番かもしれない。
東京なら1番かしら20番かしら。
東京って人口何人?


あなたが、街ですれ違う人、人、人。


でも、あなたのほうが頭ひとつ抜きん出ていますよ。