日本にいた時は、風邪なんて滅多に引かず、かかる医者と言えば、目医者と
歯医者ぐらいでした。
 

日本では、体調不良の時にはアユルベーダよりもマクロビオティックに従う比重
が高い生活を送っていたので、胃腸系に問題があるときは、ひたすら梅醤番茶を
飲み、同棲相手が腰痛で悩んでいる時には生姜パスターを施す等、極力西洋
医学に頼らずに、日本ならではの伝統的な自然療法で健康を維持していました。

 

ここインドに来てからは、環境の変化や生活のストレスで、一年目は半年間、顔
以外にひどい発疹が出て、どうなることかと思いましたが、ここでも西洋医学や薬
には頼らず、アユルベーダの医師の指示に忠実に従い、食事制限と治療を続けて、

なんとか肌は元に戻りました。それからか、その前からなのか、肌は敏感になって
しまい、特に排卵時期の前後にはオーガニックのハーブ製品ですら肌が受け付け
なくなる時があります。ホルモンのバランスと、精神的なストレスが、顕著に体調に
現れるようになりました。そして、風邪も引きやすくなってしまいました・・・。

 

3年経ってもまだ体がここの気候に馴染みきれていないのか、特にモンスーン時期
には心身共にバランスを崩しやすいです。1ヶ月ちょっとで終わる日本の梅雨に比べ、
約3ヶ月続くプネのモンスーン。ゲリラ豪雨のあとに急に晴れて、またゲリラ豪雨、

なんて日もあれば、一日中雨が続くもあり、とまるで読めない天気が続く毎日。

そして今年は過去数年記録にない最高の雨量がプネで記録され、ダムを放水しな
ければならない事態にも陥り、街中でも洪水状態になったり、高速の一部が閉鎖
されるなど、雨による多くの被害が出ました。

とくに7月はひどく、洗濯物は1週間経っても乾かないし、太陽を拝む日が1週間以上
もない日々が続き、気持ちは沈むし、湿気の酷さで毎朝胃もたれで目が覚める、

という状態でした。

8月に入ってからは、急に雨があまり降らなくなり、いいのか悪いのかわかりませんが、

太陽を浴びる喜びを、毎日かみ締めています。

 

が、今度はアレルギーのような風邪のような症状が出だしました・・・。

体調が悪い事を話すと、アユルベーダの発祥の国のインド人にすら、
”医者にいったほうがいい” だの、”薬局で薬を買って飲め” だの言われます。

”うーん、そうだね、行ってみる・・・” と、 言いながらも行かないのが私。

そのくせ、ちょっと体調が悪いと

”今日は体調が悪いので休みます or 家で仕事します。” で会社に行きません。

インド人も皆そんな感じなので、すっかり自分を甘やかしているのも原因かも
しれませんね・・・。(でも、体調不良時に気楽に休める環境はとても大事です!)

 

西洋医学にどっぷりはまりつつあるインドですが、それでもやはりインドならではの
スパイスやハーブを使った。伝統的な自然療法も息づいています。
そんなインドで、私が風邪を引いた時に、アユルベーダのレシピに従い、自ら煎じて
作る薬があります。

 

材料は、シナモン、クローブ、クミンシード、黒胡椒、ロングペッパー、生姜、ターメリック。
これを水に入れて、水の量が半量になるまで煮詰めます。

決して美味しい飲み物とは言えませんが、私は好きな味です。

そして、これがまた利くのです。一日朝晩飲むと、風邪の初期症状の時だったら、
早くてその日に症状が治まったりします。

材料の1つでもあるロング・ペッパー。あまり馴染みがない方が多いかと思います
が、日本では沖縄で育成し、”フィファチ” か ”ピパーチ”と呼ばれています。

沖縄料理屋さんのテーブルにコーレーグースと一緒に並んでいるの見かけることが
あると思います。

私は昔からこのロングペッパーが大好きで、東京の沖縄物産展で生のロング
ペッパーを見つけては買占め、(ときには取り寄せ)、自分で干して、粉末にして、

常にストックがあるようにしていました。(粉末になっているものを買ったらいいとは

わかっていたものの、なんでも一から作りたがり屋なので・・・)

ここインドでも、ロングペッパーはどこでも手に入るものではないのです。

いつもケララのコーチンに言ったら立ち寄る、オーガニックスパイス店で、定期的に

買い溜めしているので、とりあえず今は今年は困らないくらいあるので安心。

 

インドの一般家庭で、料理用スパイス・万能薬として必ず常備されているされている
のが、”ターメリック” です。

 

日本では、”二日酔いを防ぐ”、”クルクミン” として知られるターメリック。

殺菌作用、コレステロール分解、血圧降下等、挙げ出したらきりがない程の効果が
あると言われています。

インドでは、ほとんどの料理に必ずといっていいほど使われているし、歯磨き粉や
女性の美肌用クリームにもよくターメリックが含まれています。

(もちろん、黄色くなりますが、ちゃんと落ちます。)

 

若い男の子でも、私が”風邪を引いた”と言うと、”寝る前に、ミルクにターメリックを
入れて、温めて飲んだらいいよ。” なんていうアドバイスが返ってきたりします。

私はやはり日本人、しかもマクロビオティックよりの人間なので、乳製品を薬として
摂るという考えには同意できませんが、マクロビオティックがスパイスの陰陽云々
言っても耳を傾ける気はありません。(好きなんですもの・・・)

すっかりスパイス依存症の私ですが、いつもインドのスパイスとハーブには助けられ
ています。

 

日本でインドとまったく同じ様にスパイスを使う、というアイデアはあまりお勧めしま
せんが、日本でも手に入る又は育成可能な植物から取れるスパイスを生活に取り
入れることには大賛成です♪

 

スパイス好きなかたは、是非料理だけではなく、薬にスキンケアにと、もっとスパイスを
活用してくださいね。