プネにいても、”ケララ好き”として名の通っている私ですが、ケララのご近所の
”タミルナドゥー州”も、インドの中で好きな州のひとつです。

 

シャイで礼儀正しく、日本と近い文化を持つタミルの人たちには、新日家が多いです。
タミルの食文化や言語は、ケララとも共通点が多いのですが、ココナッツを使っていない
料理がほとんど無いに等しいとも言えるケララに対して、ココナッツ料理以外のバラエティ
が豊かで、過剰なスパイスは使わないタミル料理が、インド料理の中で私は一番好きです。

 

そのタミルナドゥの中でも、私にとって思い出深く、お気に入りの町でもあるのが、
”ポンディチェリー”です。

 

聖人として崇められた”シュリ・アウロビンド”と"マザー”の愛称で慕われたフランス人女性
の、スピリチュアル・ワークによって、世界的に有名になった場所です。
私も、きっかけはシュリ・アウロビンドの教えに惹かれ、ポンディチェリーを訪れたのですが、
何よりもその町の持つ明るくも清い空気と、カラフルな町並みにすっかり心を奪われました。

 

 

漁村のすぐ近くにある、シュリ・アウロビンドの団体が運営する宿に滞在していたので、

朝と夕方に海辺や漁村の周りを散歩し、無邪気な子供たちと挨拶を交わし、センスよく
彩られた家々を眺めるのが、毎日の楽しみでした。

 

 

フランスの植民地だった影響も強くのこっているせいか、シュリ・アウロビンド絡みの建物や施設を初めとし、小さい町の中にカフェ、工芸品店、健康食品店等が多く見られ、インドの他の町にはない、聖地としての良い空気感の中にも、上品で垢抜けた開放感が感じられました。

 

ポンディチェリーを訪れるほとんどの観光客が、マザーの構想の基作られ、世界中から
移住志望者が集まるAurovilleを訪れます。”理想郷”とも称された、その自給自足の生活の中で、オリジナル工芸品作成、スピリチュアルなワークショップ等の活動を続けるオーガニックなコミュニティですが、私は正直違和感を感じる方が強かったです。

シュリ・アウロビンドの団体が運営する手透き紙工場、染色アトリエ、お洒落な工芸品店等は、何度訪れてもあきず、行く度に沢山商品を買い込みましたが、私にとっては、その”創られた理想郷”よりも、漁村や街中を歩き回り、道端の小さな美しいものに足を止め、愛でる毎日の方が尊いと思いました。

 

 

 

そして、やはり南インドと言えばこれです。

 

 

シュリ・アウロビンドのブランド化が強まり、ビジネスの匂いが濃くなり、私が始めて訪れた
時の感動と経験に比べると、2度目に訪れた時にはすでに何かが失われた感じがした
ポンディチェリー。それからさらに数年経った今、もっと多くの変化が見られると思います。

それはいいものなのか、悪いものなのか、判定はできませんが、それでもまた訪れたい
場所です。