“いつカシュミールに来るんだ?” 

 

と、ケララで友達になったカシュミールの友達に言われ続けて10年以上経ち、
やっと念願を叶えたのが、去年の夏。

 

カシュミールの情勢問題等あって、生活のために他の州に出稼ぎに行く商人たちは、
インドの多くの地がモンスーンの影響を受ける季節がベストシーズンにあたる時期に、
カシュミールに帰ります。

6月から9月がカシュミールの春とも夏ともいえる、心地の良い季節。

せっかくインドに長期滞在をしているのを機に、友達に確認をとり、8月に1週間休みを
取り、スリナガールの友達のところに遊びに行ってきました。

滞在させてもらった、友達の弟家族の所有する豪邸は、スリナガールの空港から1時間
弱離れた、自然が豊かな場所にありました。とても静かで平和な雰囲気でしたが、街中
で見かける銃を持った軍人や空気感が、カシュミールの安定しない情勢を物語り、実際、
友達には ”一人で出歩かない事” と強く言われました。

目的も無く彷徨い歩くのが大好きな私には些か苦痛でしたが、初カシュミールな上に、
1週間何から何までお世話になる事だし、大人しく地元の人の言うことを聞く事にしました。

 

1週間の間に、スリナガール周辺だけですが、山に湖、地元のマーケットや美しい公園に
と、沢山の場所へ連れて行ってもらいました。

 

食も工芸品も、ヒンドゥー色の強い、いわゆる“インド”とは全く異なり、見るもの全てが
新鮮で美しく、写真を撮る手と買い物意欲が止まりませんでした。

 

 

家庭でのご飯は、基本お米なのですが、街中ではよくパンを見かけました。

大きな揚げパンや、ゴマがまぶされたシンプルなテーブルパン、クッキーを

朝ごはんやスナックに良く食べました。

 

住民によるゴミだらけのダル・レイクにはちょっとがっかりさせられましたが、

公園や建築物、人々の生活の中に、インドでは他にはない美意識の高さと、

彼ら独自の文化へのプライドが感じられました。

 

残念なことに、地元の女性達はほぼ化繊の衣類をまとい、天然素材の生地を
見かける事がまったく出来なかったのですが、カシュミールの工芸品としてお馴染みの
二ードル刺繍製品は、友達に問屋さんに連れて行ってもらい、クッションカバー4枚と、

カーテンを作るために生地を3メートル買いました。

そして、インドに来てから普段の生活で愛用している銅製品。

銅食器屋さんで購入後、職人さんに加工してもらいます。
そのままでもいいのですが、銅は錆や加熱による腐食を防ぐためにも、
カシュミールの家庭ではお皿の内側に金属コーティングをして使うのが主流です。

私もそれにならい、購入した2枚のお皿と、蓋付きの器をコーティング加工してもらい
ました。

 

1週間あっという間で、本当に限られた場所しか行けませんでしたが、ローカルの友達
がいたおかげで、一人旅だったら味わえない経験を沢山させてもらいました。

 

次はレー、ラダックの友達を訪ねに行きたいです。

籠マニアの私が見逃せず、持ち運び考えずに摑んだカシュミール製の籠。