国外、期間問わず、私が知らない土地を訪れて必ずすることがあります。

 

それは、現地での”オーガニックショップ”探し。

 

インドでも、プネでの滞在が始まってすぐに始めたのが、プネ市内の
オーガニック食材店リサーチ。昔と違い、今では大きいスーパーなら
必ずオーガニック商品のコーナーが設けられるようになったインド
(小さい地元の商店では皆無)、スパイスはもちろん、野菜、果物、粉類、
お米、雑穀、豆類、ギー、オイル等々、生活に必要な製品のほとんどが、
オーガニックメーカー(大手、個人含め)から容易に手に入ります。
 

私の滞在している場所は、外国人や富裕層が多く集まる区域からは離れ
ていて、お洒落なお店も大きいスーパーも近くにないのですが、幸運にも
すぐ近所に1件オーガニック食材店があることを、インターネットで見つけました。

 

Googleマップが示すその場所に行ってみたものの、あるソサエティー敷地内で、
店の影が全く見当たらず。散々探してもみつからなかったので、そのソサエティーの
警備の人に住所を見せて聞いてみると、”そこのバンガローだよ”と指をさされた
のが、どこからどうみてもお店ではない、お金持ちそうな一軒家。
どうしたものかわからず、とりあえず警備の人に電話をかけてもらうと(英語が通じ
ない事が多々あるため)、“あと1時間くらいで戻るから、また後で来て”、とのこと。

 

1時間後、恐る恐るその住所が示すバンガローの呼び鈴を鳴らして、センスの良い
その家の地下の一部屋に通されると、中からチェックのウェスタンシャツにジーンズ
姿の女性が現れました。首もとにはスカーフ、インド人にしては珍しくお洒落な
シルバージュエリーを身にまとったその女性は、私がインドで出会った、30,40代の
女性の中で、一番美しく、お洒落な人であり、また私のプネでの第一番目の友人に
もなりました。

 

素敵な焼き物のカップで出された、チャイとオーガニック・ジャグリーを頂きながら、
どうやって私が彼女の場所を探し出してきたのか、私が長年アユルベーダに沿った、
オーガニックな生活を続けている事を話しました。
前にはお店として、その場所を開放していたものの、場所柄そんなに人が来るわけ
でも無いし、近いうちに隣のソサエティーのマンションに引っ越すため、問い合わせが
あった時以外は、今はもうお店として開放していないとの事。

 

カードを払い機能もあるはずが無く、手持ちの現金があまりなかった私は、インド製

蓋ものと、スパイスと豆を少し購入。
初対面にしてなんとなく意気も合い、お互いのセンスが気に入った私たち。
”今日の夜友達をディナーに招待しているから、あなたも暇だったら来ない?”
との、彼女からの誘い。よほど違和感を感じる事が無い限り、誘われると断らない私、

もちろん、ちゃっかり参加しました。

 

そこから、プネで“Shashwat Organics"としてオーガニック製品を”ファーマー”として生産
から携わり、加工、販売までを自ら行う、高い知識と美意識を持ち、アクティブかつ
ユーモアのある素敵な女性、ワイシャリを始め、彼女経由で知りあった、グローバルな
視野と活動の場を持つ、多種多様な人たちとの交友関係が始まりました。

 

そのあと、ワイシャリと何度か会って気心も知れた仲になると、彼女のパートナーが所有
する、プネの郊外にあるオーガニック・ファームに連れて行ってもらいました。

 

 
(プネの中心地から車を40分ほど走らせると、都会の喧騒が嘘のような
美しくもワイルドな自然が広がります)

 

その牧場で大切に育てられた牛(一頭ずつ名前がちゃんとつけられています。)
たちのミルクから、伝統的な方法で職人の手により時間をかけて作られたギーは、
今まで口にしたギーとはまったく違う香り、味、そして美しい黄金色。

このあたりの食事で、ご飯とダールに必ずといっていいくらいギーがかけられますが、

私は少量をロティに塗って食べるくらいで、後は主に顔に塗っています。

 

そして、力強い大地で育った野菜。

 

 

ここの大地のパワーは本当に特別です。

 

 

大自然の中でのびのびと溌剌に暮らす動物たち。

 

 

ターメリックやお米、野菜の収穫のお手伝いも、滞在中の楽しみの一つ。

 

インドの都市にいながら、こんなに美しいし自然や、オーガニックライフが持てるとは、

嬉しい予想外でした。

 

毎度のことながら、本当にいつも出会う人に恵まれ、感謝の日々です。