借金取りと女詐欺師のアクション映画と思ったら、とんでもなかったです。
彼ら二人の姿からは想像もつかないオチが待ってました。
『カウントダウン』
父と息子、母と娘のドラマだわ。人間ドラマです。
大金の代わりに娘を、命の代わりに息子との穏やかな時間を得た二人
チョンジェヨン&チョンドヨン・・・
冒頭とラストではまったく顔つきが全然違うのよ(* ̄Oノ ̄*)
凄いよ~~~
冒頭からラストまで、釘づけで、「ありがとう」と言いたくなったわ。

借金回収率の実績No1を誇るドンホ(チョンジェヨン)
淡々と仕事こなしてるって感じ。とり立ての仕方も、方法は突飛だけど熱くないのよ。
暴れても、ギャーギャー言ったりしない。。。とにかく淡々と無表情なわけです。

借金取りだからってこともあるのかもしれませんが、自分の母親の借金を律儀に返したりする一面もあったり。
そんな彼が交差点で信号待ちしてると、突然意識を失ってしまい~病院へ運ばれ言い渡されたのが
肝臓がん。このままだと3か月もつかどうか。手立ては肝移植しかなく、それでも50%
10日以内にドナーが見つからないと生存率は10%だと。

実は彼には息子がいて~亡くなってるんだけど、どういういきさつで亡くなったのかの記憶がないわけです。
病院で診断を受けた足で解体される元住んでた家を尋ね、息子の遺品が詰まった箱を見つけつドンホ
中にはカセットテープが一本
それを手に、会社を辞め、両親を尋ねて病気の事を報告
母親は目が不自由だから、ドンホの息子はハルモニに自分の奏でるピアノだとかメッセージを吹き込んで渡してたらしい・・・
それを一式受けとるんです。
それからドンホがし始めたことは肝移植のドナー探し。

息子のユミンは亡くなった後臓器移植されてたから、移植された人4人を片っ端からあたって行くわけです。
息子と適合した人だから、きっと自分にも適合するはずっていうことでね。
既に亡くなってたり、運動選手だったりしてなかなか見つからない。
残るは後一人。
それがヘヨン(チョンドヨン)だったわけです。

彼女はの詐欺師、今は図らずも刑務所にいて刑期はもうすぐ終了。
彼女は大物から893から~詐欺を働きまくってた口先三寸、言うことの何が本当で何がウソかまったく読めない女なわけです。
刑務所へ面会しに行って、移植を頼むドンホ
「してもいいけどそのかわり・・・」と人探しと引き換えだというヘヨン

 

その人物はチョミョンシクなる人物、知り合いの警察に調査を依頼してもまったデータがない
じ怪しい仕事してる「黒い」人なのよ。
 

ドンホと同じようにヘヨンの出所を今か今かと待ちわびて、
騙されたお金を取り返したい人物が893のボスのスワイ(オマンソク)

彼女が出所する日にやっぱり刑務所前で待ち構えてて、迎えに行ったドンホの車に乗るヘヨンを
しつこく追っかけて来る。
市場のカーチェイスの末、チョンミョンシクの情報だけ頂いて、一芝居打ってドンホをまいたヘヨンは車ごとどこかへ。
 
ヘヨンはミョンシクの部下を騙して彼の本社へ忍び込み、データをコピーして逆にゆすり始めるわけです。
場所は釜山へ。
デパートの中~巨額のお金と引き換えにデータを渡すと言ってお金を持ってこさせるヘヨン
ヘヨンを追ってドンホとスワイも彼女を追ってる格好・・・

まんまとお金だけとって逃げようとしたところをスワイに捕まり、埋められそうになってるヘヨンをドンホが助け~
ドンホはお金を人質に移植を迫るわけです。
実家の散髪屋で一晩過ごすドフンとヘヨン
ここで二人の共通項が見つかるんです。それは二人とも子どもの親だと言うこと。
息子を亡くしたけど、そこだけ記憶がないと言うドフンと17歳の娘を捨てたヘヨン
絶対にオンマと呼ばない娘なわけです。

病院へいって検査の結果二人の肝臓は適合、いよいよ明日手術だと言う夜
ドフンのテープレコーダーをこっそり聞いたヘヨン、きれいなピアノの音色が録音されてる。
ダウン症だった息子、妻は逃げ出してしまった。人は彼を天使だというけど、日々そんな息子と過ごすのは
大変だった・・・ぼそぼそと話し始めるドフン
昼間から飲んだくれては、息子の弾くピアノと、質問攻めに常にイライラしてたドフン

とそこへミョンシクからヘヨンの娘を誘拐したと連絡が入ってくるのよね。
しかもその日はミョンシクが高跳びしようとしてる日だし。
明日はドフンの肝移植、だけど行かなくてはと言い張るヘヨン、お金はいらないとも。
ヘヨンにいてもらわないと困るドフンはなんと893のスワイに連絡し・・・
利息をつけて金を返してやると言って、娘の取引の場へ893をわんさと連れて来るわけよ。

こんなやりとりの間にもドフンは時折気が遠くなることがあって~そんな時息子の遺品のテープレコーダー
のスイッチを入れるんです。
すると。。。息子が亡くなった時のことも録音されてることに気がつくんです。
遊ぼうとせがむ息子、かくれんぼすると行って彼を一人残したまま外出したドフン
その間に家にやってきたのは借金取り・・・

娘を人質にミョンシク一味が現れると、ほどなくして893も現れ・・・
お金を巡って大乱闘が始まるんです。
(お金が入ってるのがオレンジ色のエルメスのバーキンで(@Д@;
それがもみくちゃにされるのが気になって仕方なかったわ
どさくさにまぎれて娘はどこ変え連れていかれそうになるのを必死で阻止しようとするヘヨン

連れてこられてのは船・・・ヘヨンと娘は冷凍室に閉じ込められてしまい、なんとか脱出しようと
二人で協力し合うんです。
ドフンも船に乗り込んできて、冷凍室の扉を開けた途端~
後ろから殴られ冷凍室の中に倒れてしまいます。
ヘヨンと娘も甲板で必死の抵抗。




ここからが急に展開が変わって行くんです~
冷凍室の中、意識がもうろうとしているドフンが、テープレコーダーのスイッチを入れると、
さっきの続きが流れ始め、ドフンの知らなかった息子の死の直前の一部始終が克明に録音されているんですね。
そしてすっかり記憶から消し去っていた死んだ息子の姿を思いだしていくドフン

結局息子は猛犬に追いかけられて、「アッパこわいよぉ~」と言いながら近所を逃げ回り、
行きついた湖。。。
ドフンは息子を裸足のまま探しまわってる~でも、湖にあやまって落ちてしまい溺れてしまった息子。

必死で立ちあがり、甲板へやってきてすべなく海に飛び込んだヘヨン親子と息子の姿がオーバーラップするドフン
 
病院へ運ばれたドフンですが、果たして肝臓の移植は行われたのか。
あれほどまでに生きることに執着してたドフン、生き続けることができたのか。

ラスト、反転があります・・・
この反転で一気にアクション映画から人間ドラマへ変わったきがするわ。
それくらい言ってもいいかも知れません。

「人生はアイロニー」と言い続けてるドンホ
終わってみると本当に彼の人生はアイロニーの連続で、終盤に差し掛かるにつれて
その意味がどんどん分かるようになってるところも釘づけになった理由かもしれません。

敢えて息子の死を消してしまってたドフンの脳、それを思いだした彼が
ダウン症の息子の死を目の当たりにした時の気持ちを正直につぶやく。
責められる事ではあるけれど、共感してしまったワタシ。

いやぁチョンジェヨン&チョンドヨンの主演ってことで、もちろん見応えがありましたが
お話の筋も展開もブラボーだったと思います。
親心~自分では決して欺けない、子どもを思ってないって必死に思おうとしてもできないのが親ってイキモノ・・・

そして、この二人に下手なラブラインが皆無だって所も魅力的(≡^∇^≡)

とにかく強くお勧めいたします。

★★★★☆